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ワニ文庫 伝説の神国 出雲王朝の謎 著者 水野 祐 高橋克彦 ほか 出雲の大国主の国譲りに関連がありそうだとつい本に手が出ます。 この本は出雲王朝と天孫族の大和王朝の関係について歴史家、歴史作家がさまざまな立場から解説しています。 読むほどに謎が深まります。 水野祐氏 日本の古代は中国の史書の記述によって概要が漠然とわかる。日本側の古事記、日本書紀の神話からうかがえる古代は神話に書かれた認識を当時の人たちが持っていたことが史実である。 出雲に地方政権があったにしても王朝があったとまでは言えないのではないか。当時の祖霊信仰にもとずいて大和側のアンチテーゼとして出雲があったかもしれない。 竹光誠氏 出雲族といわれる大国主を中心とした農耕神を祀る集団が日本全国に展開していた。本拠が出雲にあり、4世紀に太陽神をかかげる天孫族に何らかの原因で征服され、政権の交代があった。 それ以降地方政権の首長は天孫族との同族関係を言うようになり、政権の正当性を主張するようになったと思われる。出雲でも本来の先祖天夷鳥命が 天孫族の天穂日命の子神とされるような変化がみられる。 郷慶幸氏 出雲政権内部に対立があり、大和政権に介入を許す形で、制圧されたのではないか。大和政権に対立する出雲振根と大和政権に恭順する出雲飯入根の争いに乗じて、大和政権が強力だった出雲政権を倒したのが神話として記録されていると考えられる。6世紀にあった事実と思われる。 安達巌氏 出雲族は朝鮮半島新羅系の集団で、当初鉄生産の利権を確保していた。その後半島側に勢力の消長があり、鉄の利権を百済系の天孫族に奪われて勢力を失い、国譲りに追い込まれた。鉄を失ったために、政権を維持できずに天孫族に、屈服せざるを得なかったと思われる。 神武天皇の妃として、大国主の孫娘が求められた事実から、出雲が大和に併呑されたとも考えられる。 朴柄植氏 スサノオの大蛇退治とは、越の国から高句麗系の盗賊が押し寄せてくるのを防ぐことを言っている。スサノオは盗賊を撃退し次第に勢力を蓄えて出雲の国を作った。 今日日本民族といわれる人は高句麗、百済などの古代朝鮮から渡ってきた人々だ。 藤岡大拙氏 出雲大社が国譲りで巨大な社殿を作らせたとされるが真実か? 古代には神奈備山を依代とし、社殿を持たなかったと言う説もある。 社殿は仏教渡来後に作られるようになったといわれる。平安時代には出雲大社は本邦最大の建築物であったので、どの時点かで杵築(出雲)大社に巨大な社殿が作られるようになった。古代出雲の政治情勢と関連していることは確かだ。 瀧音能之氏 1984年 荒神谷遺跡で銅剣358、銅鐸6、銅鉾16が見つかった。 従来銅剣と銅鐸は分布が違う文化圏が考えられていたが同時に見つかったことで、謎がでてきました。埋められた時期、理由は良くわかっていない。政治情勢に大きな、混乱があったことは確からしい。 高橋克彦氏 大国主を祀る神社は東北地方にも広がっている。
ズーズー弁といわれる方言が出雲にもあり、東北地方のソバ文化が出雲にもあり、文化的な共通性がいろいろ見られる。 大国主の命を祀ってある出雲大社の磐座は鉄鉱石だそうです。東北に広がるアラハバキ神社の本体はやはり鉄鉱石とされています。出雲族は鉄を求め、鉄を利用して勢力を広げてきた民族といえそうです。 |
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出雲の話ですか、すごい興味がありますね。
銅剣が発見されてダントツの1位になりましたね。傑作
2008/12/2(火) 午後 0:56
一昨日『越前若狭 地域史の謎に挑む』 青木豊昭
朝倉資料館特別顧問さんから届きました。
古墳時代や継体天皇の時代の話です。
また、勉強させてください。お願いします。
2008/12/2(火) 午後 2:44 [ 竹田の里 ]
それぞれの解説も「なるほど」と思わせてくれますね。
益々タイムトラベルをして真実を確かめたくなりました。
2008/12/2(火) 午後 3:08
あるくさん おはようございます。
この本読むほどに謎が深くなる感じです。
2008/12/3(水) 午前 0:24
竹田の里さん 世の中歴史に詳しい人がたくさんブログを出していますね。
http://plaza.rakuten.co.jp/junko23/diary/200805210002/#comment
ずばり アイヌの結婚のタブーについて教えていただきました。縄文人の姿がすこし見えた気がしました。
2008/12/3(水) 午前 0:28
若紫さん 同感です。
縄文人は南方系の女系の社会だったようで、婿入り婚だったことから、父系民族の侵略に寛容な面があったのではないかと言う仮説を考えています。
父系の社会から来た独身男性には夢のような世界だったと思われますね!!!
2008/12/3(水) 午前 0:33
関裕二さんの『女帝誕生の謎』の中で、「蘇我の拠点となった飛鳥周辺には、多くの出雲の神々が祀られている。
出雲と吉備が北部九州の鉄器の独占に反発して、ヤマト建国の主導権を握って、多くの首長層によって共立された・・」と、書いてますね。
2008/12/3(水) 午後 8:10 [ Cocoちゃん ]
Cocoちゃん 関さんは蘇我は出雲系の豪族と考えていますからね!
縄文時代は母系社会で婿取り婚が行われていたので、天孫族は、婿として受け入れられる余地が大きかったと思われます。神武天皇も大国主の孫娘を妃としていますが、これも婿として入って、正当な支配者として認められたと言うことが出来るかもしれません。ニギハヤヒの次の代に神武天皇が婿入りしたと考えてもよいかもしれません。
2008/12/4(木) 午前 1:11
神国といえば、横山大観の神国日本という近代絵画を思い出します。たしか島根県の安来市に横山大観の大きな美術館があるらしいですね。
2009/4/23(木) 午後 8:27 [ 三雲 ]
古事記観光は島根県安来市がけっこう穴場でした。
2009/8/23(日) 午後 7:38 [ 秘密尋ね人 ]
安来は根之堅洲国と古事記にも記された場所。たしかスサノオノミコトがこの安来という地名を命名したと出雲国風土記には書いてあるらしい。今年は島根県が神話博しまねを催すのでついでに行ってみたいなと思います。スサノオノミコトの宮といわれる須賀神社なんかが最強かも。
2012/2/3(金) 午後 7:50 [ たたら鋼人 ]
島根県安来市に巨大な工場を構える日立金属が開発した新型工具鋼 SLD-MAGIC(S-MAGIC)は微量な有機物の表面吸着により、金属では不可能といわれていた自己潤滑性能を実現した。この有機物の種類は広範囲で生物系から鉱物油に至る広い範囲で駆動するトライボケミカル反応であると。潤滑機械の設計思想を根本から変える革命というものもある。
このトライボケミカル反応にもノーベル物理学賞で有名になったグラフェン構造になるようになる機構らしいが応用化の速度にはインパクトがある。
2012/11/5(月) 午後 2:39 [ 熱処理プレス ]
日立金属安来工場。素晴らしいと思っています。応援したい。
2017/10/10(火) 午前 11:23 [ the_yusaku ]