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「悼む人」「告白」

「悼む人」(いたむひと) 天童荒太 (文芸春秋)

イメージ 1週刊誌記者・蒔野が北海道で出会った坂築静人は、新聞の死亡記事を見て、亡くなった人を亡くなった場所で「悼む」ために、全国を放浪している男だった。人を信じることが出来ない蒔野は、静人の化けの皮を剥ごうと、彼の身辺を調べ始める。やがて静人は、夫殺しの罪を償い出所したばかりの奈義倖世と出会い、2人は行動を共にする。その頃、静人の母・巡子は末期癌を患い、静人の妹・美汐は別れた恋人の子供を身籠っていた・・・。

昨年の直木賞受賞作品。

 「悼む人」と呼ばれるている坂築静人は、誰に頼まれたわけでもなく、ただ死者を追悼するためだけに、その人の存在を胸に刻むだけに全国を旅している。そんな彼自身と人の憐れさや醜さ、社会の醜さを記事にして書き続けてきた記者、愛する夫を殺した女性、そして末期ガンに侵された彼の母親、この4人によって織りなされて行きます。



読み進めているうちに、どうして主人公が悼みの行動をとるようになったのかが気になり、もし同じ事が自分に降りかかったとしても、彼と同じ行動はとれないだとうなと思いました。

人は「なぜ死んだのか」という事よりも「誰に愛され、誰を愛し、誰に感謝されたか」の言葉が胸に響いた静かに心を揺さぶられた作品でした。
 


「告白」湊かなえ (双葉社)
イメージ 2我が子を亡くした中学校女性教師が終業式のホームルームで、娘の死は事故ではなく殺人だと言い、同時に犯人であるクラスの2人の少年を指し示したのち辞職する。

昨年の推理新人賞、今年の本屋大賞受賞作品の今話題の本。

一つの事件をモノローグ形式で、級友・犯人・犯人の家族が語り、真相に迫ります。

第一章で女性教師が自分の愛娘が亡くなった事件を淡々とクラスの生徒に語る母性の部分に感情移入しながら読んでいると、第一章のラストの恐さにこれでいいの?ってぐらい感情移入の部分が飛んでいってしまった。

第二章以降、それぞれの登場人物の語り口で描かれるさまざまな真実と心情には、どれも感情移入ができないほど、なんとも言えない不条理が続きます。

章ごとに語り手が変わっていくんだけど、違和感なく、ぐいぐい引き込まれていき、あっという間に読み終えてしまいました。


怖いけれど先が気になって読むのがやめられないという感じと、どうやってこの始末に終わりがくるんだろうって思っていながら読んでいると、想像を超えたラスト!

衝撃を受けましたね〜。


この本は、はっきりいって、後味が悪いです。

でも、読み終えたあと現在の少年法のあり方や子供に対するさまざまな愛情、弱さ、また犯人側や被害者側の視点、いろんな事を考えさせるすごい本だと思いました。

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