|
「悼む人」(いたむひと) 天童荒太 (文芸春秋) 昨年の直木賞受賞作品。 「悼む人」と呼ばれるている坂築静人は、誰に頼まれたわけでもなく、ただ死者を追悼するためだけに、その人の存在を胸に刻むだけに全国を旅している。そんな彼自身と人の憐れさや醜さ、社会の醜さを記事にして書き続けてきた記者、愛する夫を殺した女性、そして末期ガンに侵された彼の母親、この4人によって織りなされて行きます。 読み進めているうちに、どうして主人公が悼みの行動をとるようになったのかが気になり、もし同じ事が自分に降りかかったとしても、彼と同じ行動はとれないだとうなと思いました。 人は「なぜ死んだのか」という事よりも「誰に愛され、誰を愛し、誰に感謝されたか」の言葉が胸に響いた静かに心を揺さぶられた作品でした。 昨年の推理新人賞、今年の本屋大賞受賞作品の今話題の本。 一つの事件をモノローグ形式で、級友・犯人・犯人の家族が語り、真相に迫ります。 第一章で女性教師が自分の愛娘が亡くなった事件を淡々とクラスの生徒に語る母性の部分に感情移入しながら読んでいると、第一章のラストの恐さにこれでいいの?ってぐらい感情移入の部分が飛んでいってしまった。 第二章以降、それぞれの登場人物の語り口で描かれるさまざまな真実と心情には、どれも感情移入ができないほど、なんとも言えない不条理が続きます。 章ごとに語り手が変わっていくんだけど、違和感なく、ぐいぐい引き込まれていき、あっという間に読み終えてしまいました。 怖いけれど先が気になって読むのがやめられないという感じと、どうやってこの始末に終わりがくるんだろうって思っていながら読んでいると、想像を超えたラスト! 衝撃を受けましたね〜。 この本は、はっきりいって、後味が悪いです。 でも、読み終えたあと現在の少年法のあり方や子供に対するさまざまな愛情、弱さ、また犯人側や被害者側の視点、いろんな事を考えさせるすごい本だと思いました。
|
過去の投稿日別表示
[ リスト | 詳細 ]
2009年05月21日
全1ページ
[1]
全1ページ
[1]



