|
薬屋探偵新シリーズの2作目。
失血死した姉の死の真相を知りたいという少女の依頼を受け
調査を開始したリベザル。
秋と、森で知り合った小学生の行動が
リベザルの追う事件と絡み合い、解決の方向へと向かっていく・・・。
前シリーズからリベザルは可愛かったですが、
マスコット的な感じもあった以前と比べ、
新しくなってからは、リベザルが主になったせいもあってか
一層いじらしさが増しています!
事件の核心に触れることが出来ず、
秋たちに頼りたいという気持ちは、心が弱いせいだと自分を責め、
懸命に1人で頑張ろうとする姿が切ないっ。
店長・リベザル、相談役・秋という微妙な状態のため、
関わろうとしない秋と
それをとりなす座木の優しさに、ぎゅっと心をつかまれてしまいます。
一度置いていかれたという経験からくる不安が、
きっと今もリベザルを押しつぶしてしまいそうになっていると思うのです。
読んでいても秋の態度には不安を覚えますが、
秋の難解な言葉を座木が意訳してくれて、
やっとほっとするとは、もう自分もリベザル視点です。
秋はリベザルを店長には向かないとは言い放っていますが、
真実を見抜く目はなくとも、
人を思いやる心は持っているとわかっているんでしょうね。
秋のことだから自覚はしてないでしょうし
わかってても死んでも言わないでしょうけど。
妖が登場するものだけに、推理小説とは一線を画すとは思いますが
生きる上で、同じようなことで悩んでいる誰かを
そっと救ってくれるようなオハナシです。
『天上の羊砂糖菓子の迷児 薬屋探偵怪奇譚』
講談社ノベルス
高里椎奈/著
出版社名 講談社
出版年月 2008年6月
|