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僕の人生を変えた一枚「ラジオのように」
あのアルバムは「アートアンサンブルオブシカゴ」と共演したというので有名になったが。
僕の中にずっととどまっていたのは、アートアンサンブルじゃなくブリジッドフォンテーヌのほうだった。
なんだか、ミステリアスでセクシーで、とっても女を感じたようなんだなあ。
人生の複雑さや、奥深さをちらっと見せてくれた気がする。 怖いけどもっと見てみたい。
そんな不思議な感じだった。 当時読んでた本がフランス文学に偏ってたせいもあって、シュールレアリスムとか、深層心理とか、そういう不可思議な人の心に興味があったせいだろうか。
単にサウンドだけでなく、その歌詞の直裁性や、ひねくれ具合がひどく気に入ったんだと思う。
その後、何十年かして、「ふたたび」で出会うまでの彼女の人生はどうだったんだろうか?
このアルバムのブリジッドは、若い頃のセクシーさや神秘性はかなぐり捨てて、現実の社会をしたたかに生きてきた「化け物」に変貌をとげていた。
じぶんでも驚くほどこの変貌を納得し、喜んだのは意外だったかもしれない。
そう思わせる必然性をもったこのアルバムの力強さ、サウンドの現代性、素晴らしいアルバムだと思う。
しかし、このアルバムではじめてブリジッドに接する人は、とまどうだろうなあ。
だって、「化け物」だからねえ
*バカ女
私は不幸な女よ、なぜだかわかる? バカだから。
まわりじゅうみんなバカだから
なぜだかわかる? 自分の人生に失敗したからよ
精神構造の改革に失敗したから
基本の秩序になじまなかったから
バカな女
「コンヌ!」と絶叫するブリジッド
麻薬に侵され、若さを失い、美しさもセクシーさも失い、男に捨てられ、人生に見放され、開き直った「化け物」の叫び
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