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食の欧米化、特に肉食を中心とした食生活が健康に悪影響を与える話はよく耳にします。牛や豚、羊といった肉は脂肪分も多く、カロリーが高い事から、食べ過ぎると健康に良くない事は容易に想像でき、肉食中心の食生活が本格化した頃からガンをはじめとするさまざまな疾患が増えた事もその事を証明しているように思えます。
具体的に肉食の何が健康に悪影響を与えるのかについてはたくさんの研究が行われていて、その多くが飽和脂肪酸による弊害について言及しています。そのため肉食によるさまざまな疾患が増えたとされる原因は、飽和脂肪酸によるものと思えてきます。 本来、体にとって飽和脂肪酸は重要なエネルギー源であり、細胞を構成する大切な要素でもあるのですが、摂り過ぎた場合、血液中の総コレステロール値を上げてしまい、また脂肪にも変わりやすい事から内臓脂肪の増加を助長し、生活習慣病に繋がってしまう事は理解できます。しかし、肉食によって増加したとされるガンの発生となると、むしろトランス型の不飽和脂肪酸の方が関連が深いように思えてきます。 肉食によるガンの発生については、飽和脂肪酸以外の成分が関わっている可能性が示唆されています。肉や牛乳を摂った際、本来は人間の体内には存在しない細胞や分子が組織内へ取り込まれる事が判っています。そうした分子の中にNeu5Gc(N‐グリコリルノイラミン酸)と呼ばれる人間以外の哺乳動物の体内で作られる物が含まれており、取り込まれた組織内で免疫反応を引き起こし、炎症を誘発している可能性が示されています。 Neu5Gcは牛や豚、羊の肉に含まれており、魚や鶏肉、鶏卵、野菜や果物にはごく微量か、もしくは含まれていません。人がNeu5Gcを摂取した場合、そのうちのいくらかが細胞内に取り込まれ、体が侵入してきた異物として判断し、多くの人が免疫反応を起こす事が判っています。 Neu5Gcを摂取した事で特定の疾患が引き起こされる可能性は低いと考えられていますが、生涯にわたって体内のさまざまな組織に取り込まれて各所で炎症を誘発している事が、細胞のガン化へと繋がる可能性は充分に考える事ができます。 現状ではNeu5Gcを即、悪者と決め付けるには時期尚早という感じではありますが、日常の食と健康に関する事でもあるので、一刻も早い解明を待ちたいと思います。 |
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