ビートまりお母です

弘前ぐらし。私の日々。今日も咲顔で。

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赤い時計

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2011年は忘れられない年。誰にとっても忘れる事が出来ない年。
私にとっても、大きな出来事がたくさん起こった年でした。

「ナポリタン」とのお別れ。
いつか終わる日がくるのだろうと、
ボンヤリと考えた事はあるけれど、
無くなってしまう事を思い浮かべた事などなかった。
「最後のナポリタン」は11月29日。
「最後の後のナポリタン」が11月30日。東京から急遽駆けつけた息子を交えての「さよならナポリタンお食事会」。

12月初め、片付けの打ち合わせです。
38年前、「ナポリタン」を作ってくれたのが建匠おだぎり社長さん。
最後を見届けてくれたのが息子さんです。

12月3日。4日。5日。と、怒涛のナポリタン整理。
自宅に持ち運ぶもの。捨てるもの。業者さんに託すもの。
そして、不揃いの食器やグラス類は店頭に並べて「ご自由にお持ちください」を実施。いつも手助けしてくださったりんごの魔術師さんが、この時も助け舟です。
ツイッターで「差し上げてます」を大声でつぶやきました。
次の朝行ってみますと、きれいにお持ち帰りされていました。感謝!
りんごの魔術師さんに起こった悲劇は、ここでは触れないでおきます。。。(^_^;)

12月6日。7日。いよいよ業者さんによる、撤退作業。
クーラー、冷蔵庫の撤去。カウンターの取り壊し。
外のテントの看板がはずされた時、「あ〜。無くなったんだ」と思い知らされました。

そして、思いもかけないことが起こりました。

12月8日。朝8時16分。
マスターのお母さん、トキエちゃんが亡くなりました。
病院からの電話で駆けつけたのが6時半頃。
最後は本当に安らかでした。眠ったまま。呼吸も静かで。
看護士さん達が病室に入ってくるまでは、何が起こったのか分からなかったのです。
トキエさん、97歳と7ヶ月。
大正生まれの女性の、芯の強さ。真っ直ぐさ。正しさ。気高さを持っていました。
「最後のナポリタン」でけじめをつけた息子の仕事を見届けて、
静かに去っていきました。
真っ白い鷺が病院の玄関横までやってきて、ふわりと塀に降りました。
トキエちゃんは、真っ白い鳥になりました。そう思っています。

12月13日。「ナポリタン」だった場所とお別れ。
最後の点検をして、シャッターの鍵を大家さんにお返しして終わりです。
なぜか最後まで残っていた「ナポリタンの赤い時計」。
初めから終わりまで、全て見ていてくれた赤い時計を持って帰りました。

お別れはたくさんありました。
けれども、時は変わらず流れていきます。
赤い時計は、我が家の玄関で思い出を語ってくれるでしょう。
流れて行く時の流れを止める事無く、過ぎ去った時をも語ってくれるでしょう。





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