

今日も散歩に行きましょうと誘われて途中まで車で行った先は、小さな教会がある小さな村。私がロマネスク建築が好きだとマダム達は知っているのでここに案内したかったらしい。その教会は入り口からしても本当に小さく、また内部は蛍光灯らしきものがまったくない。ロマネスクだから天井が高くそして陽をが入る窓もかなり小さい。その小さい窓の中にはまるでガラス瓶を割って貼り付けたようなステンドグラスがはめ込まれていた。通常、ステンドグラスというと聖画や歴史的人物、出来事がモチーフになった絵柄がありそれを一つ一つ理解しながら見るのが楽しみなのだけど、ここではただ砕いた色ガラスを貼り付けたようなシンプルさ。しかし、それがまるで洞窟の中で宝石箱を開いた映画のワンシーンのような煌びやかさがあって、これもなかなか素敵だと思う。
マダム・ココリコが、この教会どう思う?と聞いて来たので、素直にこの素朴なステンドグラスが良いですねと返事をしたら、この教会ね、私と主人が3年前に結婚した教会なの、と微笑んだ。え〜3年前?ココリコ夫妻の結婚暦、まだ3年?びっくり。二人は子連れの再婚同士でお互いの子供たちもとても中が良いから、子供たちがまだ幼い頃に結婚して大家族になったものだと思っていたら。それに10人は軽くベッドに泊まれる大きな納屋のような別荘の中には、世界中から買い集めた民芸品やすばらしい陶器がたくさん飾られていて、これは30年前に二人でルーマニア旅行したときのもの、これは10年前にベトナム、、、、と二人の旅行記録の古いがあるから、すっかり二人はずっと昔に再婚していたと思っていた。
「愛の国フランス」ではさまざまな結婚の形がある。
この国では未婚なんて当たり前のように頻繁に見える。未婚同士でも子供がいれば育児休暇は男女平等に申請できる様だし、家族手当も普通に貰えるらしい。私の周囲にも未婚のまま2児を設けたけれど、パートナーとは結局別れ、彼は未だに「理想のアジア女性」を求めてもう何年も彷徨っている。他にはこんな人もいる、十何年も若いアジア女性だけに限定して貸し部屋を提供し、やっと数年前に二周り近くも若いアジア人女性の彼女をゲットしたけれど、以前豪語していた「俺は気持ちも身体も若いからうんと若くないと釣り合わない。」と言ってたけど、最近会ったら「話がかみ合わない、いつまで彼女とここまま続くか」って愚痴っていた。
でも、別の知り合いでフランス人カップルは高校時代に出会い、大学も一緒に、卒業後、結婚という形ではなく同居という形で事実婚に入り、今はその二人の子供が大学進学した。でも、いまだに結婚という形は取っていない。
どのような経緯でココリコ夫妻が出会ってから結婚に至るまで何十年もかかったのかは知らない。でも、定年退職の出来る年齢になって改めて結婚に踏み切ったという事はすごい事だと思う。二人ともそれなりの資産があるようだし、相続するべき子供たちもそれなりの数でみな成人している。となると、私のような愚者は資産あるから絶対家族が反対するだろうに、と思いますが、でも、ここの家族かなり仲良し家族。深い愛情と理解があるに違いない。
私も後2週間で結婚する。ひとつ年上の相手も私も初婚。ココリコ夫妻は出会ってから結婚に至るまで何十年、私たち出会ってから月末に結婚するまでの期間ほぼ半年強。別に電撃が走ったわけでも、最後の賭けにでたわけではなく、なんとなく出会うべきはずの人物に会うのにこれだけ時間がかかったという感じ。彼も私も若いときに自分の国を出て外国で教育を受けたり、キャリアを積んだからお互いにめぐりあうチャンスを何度も逃したようだ。やっとお互いが交差したときはすでに白髪が生えだし、若々しいピークを過ぎた頃。少なくとも私は完全にピークを超えている。
フランスに来てからの事故続きで、生活に支障が出るくらいに足が悪いし、去年折れた肋骨はいまだに折れっぱなし、虫歯が痛むと思ったら親知らず4本を抜歯しないといけないと言われたばかり。キャリアウーマンらしく相当な持参金でもあれば良いんだけど、あるのはこの事故から来る体調不調という負の資産ばかり。でも、これで良いんだって、ありのままの天然ボケがあればって。私の好奇心旺盛で間抜けなところは毎日の生活を明るくするんだって。
ココリコ夫妻のように長く愛を温めあって、そしてこの小さな教会でロマンチックな結婚、というのは私たちにはないけれど。なんたって私の足の負担が軽減するように住居を改装するのと、年齢が重なるにつれて足の具合が更に悪くなるので早くよいお医者様を見つけ手術するために結婚式というものは挙げず、
その費用を改築と医療費に充てようと言われ、「え〜ヴァージンロード歩けないの?」とポロリと来たけど、この足で歩いても似合わんか、やっぱり。
私の生活向上委員会会長の彼について、気持ちだけヴァージンロードを歩こう。
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