コパ・アメリカ

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                           そうかぁ、優勝したかぁ・・・






さてさて。


コパ・アメリカ2007決勝、アルゼンチン対ブラジル。やっぱりというか、なんというか。アルゼンチンが砕け散った。この大会で自分の頭の中では予選では期待させるだけ期待させといて一番大事なところではその期待を大きく裏切るというある種スペイン的なイメージがアルゼンチンには染み付いてしまったし、逆にブラジルは予選ではどれだけグダグダでも結局試合が進むにつれて帳尻を合わせ最後の最後ではおいしいところを持っていくというイメージも、自分はそんな都合のいい話をにわかには信じていなかった、というか信じたくなかったのだけれど、もう観念してここは認めるとしよう。もうずっとずっと前から定められた運命に従うように決勝の舞台でブラジルはアルゼンチンを叩き潰し、当然のように優勝トロフィーを手に入れた。


予選の戦いぶりから一体誰がこんな結末を予想出来たろう。ブラジルらしさをろくに出せずただグダグダと試合を進めていたブラジルとメッシー、リケルメの個人技にそれを支えるVeron、マスチェラーノ、カンビアッソのベテラントリプルボランチが織り成す美しいフットボール。でもこの両者が激突するとブラジルが勝っちゃうんだから、ホントのホント、何度も実感してきたはずなのに、再び驚嘆せずにはいられない。フットボールはマジで何が起こるか分かりゃしない。


この結果に合理的な説明をつけることは出来る。アルゼンチンはこれまでどおり自分達のボールをキープする攻めるフットボールを貫いた。一方ブラジルはそれを「受けた」。弱小、中堅どころが強豪国に喰らいつくためならまだしも、強豪チームが勝利する確率をただ高めるためだけに「受け」のフットボールを選んだ時の強さは、たとえばチェルスキーなんかが証明している。メキシコと同様まずはアルゼンチンにボールを回させ、でもプレスを厳しく一定以上前にはボールを出させない。そしてボールを奪ってからはサネッティ、ガービーが上がった際のスペースを狙いカウンターを仕掛ける、絵に描いたような見事な「受け」。中堅どころがこの作戦を使っても前線の選手の力不足等でそこそこの効率しかあげられないのだが、ブラジルにはホビーニョ、バチスタ、ラブと一線級の選手が揃っているわけで。アルゼンチンの裏を突いたエラーノのナイスフライングスルーからバチスタが抜け出し、アジャラと一対一。少し横に振って隙を作り、そしてバチスタの怪力を思いっきり叩きつけたシュートはあっという間にアルゼンチンゴールに文字通り突き刺さった。


序盤はブラジルの(守備の)勢いに押され気味だったアルゼンチンだが、そのまま引き下がる器でもない。ボールを回させられているとは自覚しながらも、メッシーの個人技を筆頭にコンビネーションプレーで徐々にブラジルを脅かし始め、支配力を高めていく。前半30分過ぎにはいつの間にか流れはアルゼンチンのものになっていた。


だけどやっぱりフットボールは何が起こるか分からない。そんなフットボールの教訓の一つに「たった一つミスが試合を左右する」というものがある。ブラジルの二点目もアルゼンチンのミスから生まれた。右サイドのスペースを使って素早いカウンターを仕掛けるブラジル。戻るアルゼンチン。アウベスが早めにセンタリング。DFはバックしながら対応しなければいけない。不用意に足を出すアジャラ。その足に当たったボールはポーンと簡単にアルゼンチンゴールに入った。オウンゴール。2−0。


その後も攻勢を仕掛けるアルゼンチンだが最後までいけない。どうもボールの流れが悪い。特に今日はカンビアッソにミスが目立った。オシム風に言うならば「何か特別なことをしようとしている」。味方にちょっと難しい動きを要求する変なスルーをはじめ、自分が何とかしようとしすぎて結果ボールを失う動きが多かった。対して動きが良かったのがVeron。自分達トリプルボランチに要求されているのはシンプルな動きだぜ?とカンビアッソに諭すかのようなお手本プレー。基本的にワンタッチでボールを捌き、ボールを持っていない間も味方のことを考えてスペースに走りこむ、顔からは予想だに出来ないエンジェルプレー。でも「受け」に出たブラジルを崩すまでは至らず。前半終了。


後半にはいっても流れは変わらない。特にブラジルは2点取ってるんだからあとはアルゼンチンに攻めさせるだけ攻めさせて、後は空いたスペースをカウンターで突き追加点を狙えばいいだけだ。アルゼンチンもそれを分かっていながらも勝つためにはもう攻めるほかない。でもやっぱり「受け」に出たブラジルを崩すのは至難の業。メッシーもリケルメも何も出来ずただ時間は過ぎるばかり。でもアルゼンチンはこういう場合も想定してセットプレーを鍛えてきた。メキシコでもセットプレーを上手く活かし競り勝った。この試合でも相手陣内にボールを運んだら積極的にファールをもらう。で、ブラジルもファールをくれる。何度も何度もフリーキックを蹴るアルゼンチン。でもこの試合ではリケルメのキックの精度もアイデアも欠いていた。ブラジルもブラジルでらしからぬフィジカルの高い選手を多く配置している。幾度蹴れども蹴れどもゴールの臭いすらしやしない。バシーレもテベスじゃなくセットプレーに強いクレスポでも入れりゃいいのに最後までテベスを動かすことはなかった。


そうやってグダグダしている間にブラジルは作戦通り相手の裏をついてカウンター、アウベスがあっさりと3点目を決めて勝負アリ。不調のカンビアッソに代えてアイマール、好調のVeronも代えてルチョを投入するものの、前線の枚数が増えたわけでもなく、根本的なことが変わってないので劇的な変化は望めず、最後まで何も出来ずに試合終了。予選グループではあれほど酷評されていたドゥンガが決勝トーナメントでは見事蘇り初タイトルを手にした。






前の記事でも書いたようにこの決勝を制してはじめてメッシーをマラドーナ二世に就任しようと考えていたので、それはお預け。決勝で結局何も出来ないのがやっぱりメッシーの甘さだったりするのかな。まあでもそれはまだ伸びしろがあるという意味でもあるので、まだ20歳なんだし焦らず地道に応援していこう。っていうかまだ20歳なんだな。ワールドユースにも出れんじゃん。それが今ではフル代表の不動のエースなんだからいやはや末恐ろしい。


ブラジルの「受け」のフットボールは国内ではどう評価されるのかしら。勝利すればなんでもいいのか、それでも王者は王者たるフットボールを見せるべし、といった風潮なのだろうか。まあそこは今後ブラジルメディアの動向も意識的にチェックしていくとしよう。ただ分かるのはこのフットボールが出来ればブラジルは確実に強い、ということ。実に欧州的なフットボール。しかも守備的な。カカが10番を背負うのもうなずけるというものだ。恐らくクソ吉(イングランドにあるどこぞの油くさい監督のこと)の影響を強く受けているんじゃなかろうか。ブラジルには古き良きブラジルらしさを貫いて欲しい、という気持ちもあるんだけどね。






ということで。2年前のコンフェデのように決勝でブラジルの前に砕け散ったアルゼンチン。改善すべきところが多く見つかったという意味では非常に意義ある敗北だったといえるだろう。フットボールってのはワールドカップで優勝すりゃいいわけで。あと3年ここを修正しつつチームを高めていってほしい。まずは最後の最後で見せたディフェンスのもろさ。コンビネーションはもちろん今のままの選手でいいのか、という問題もあるだろう。長年アルゼンチンを支え続けてきたアジャラだが、この決勝でのパフォーマンスでその座も危うくなってきた。あとはメッシーの相棒。テベスはメッシーと比べるとどうしても小ぶりに見える。かといってクレスポも10年には35歳。ミリートが成長するか、パラシオが成長するか、それともテベスがもう一段階上に進むか、それとも新しいストライカーが誕生するか。そういう意味ではこれから見るU-20のアルゼンチン対メキシコが楽しみにはなってきた。などなど。監督の話をすると、バシーレは良さげなんだけどなぁ。決勝でブラジルに惨敗する姿がペケルマンと重なってなんか嫌ではある。他にもなぜか最後でテベスにこだわったこと、3点取らなければ勝ちはない状況下でも強気な采配が出来なかったことなど、冷静に分析すれば采配にも疑問が残る試合だった。


最後にブラジル。予選ではガッカリさせられたが決勝トーナメントではそれなりに楽しませてもらった。一応感謝しておこう。今後ブラジルはどうなるのか。カカ、ジーニョが復帰してきてどう変化するだろう。ベースはそのままにバチスタ、ラブと入れ替えか、それとも中盤の構成を変えたりするのか。結果を出したドゥンガ。更迭問題はもうどこ吹く風。勢いになった闘将は今後どの方向に向かっていくのだろう。いろんな意味で楽しみではある。

残るは一つ

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                            仕上げはキチンとね







さてさて。


我が愛しのメッシー率いるアルゼンチンがメキシコと対戦する。実況解説はリケルメを王様に例えたがるけど、メッシーが柱であることを譲る気はさらさらない。というかリケルメが王様ならその後ろで満面の強面をしてドン!と構えるVeronの立ち位置をどう説明するんだよ。あれはリケルメに仕えてるってガラじゃないべ。なんてどうでもいいことは置いといて。


スタメンはキーパー、アボンダンシエリ。ディフェンスラインは右からサネッティ、アジャラ、ミリート、ガービーで中盤がカンビアッソ、マスチェラーノ、Veronの3ボランチにトップ下リケルメといつもの並び。もうアルヘンでは不動になったメッシーの相手は今日はミリートでもパラシオでもなく、テベス。


メキシコ。嫌な相手だ。準決勝でメキシコと当たらないところがブラジルのツキの良さであって、メキシコと当たっちゃうのがアルゼンチンのツキのなさ。今のアルゼンチンを倒しうるのはメキシコ以外にいないだろうな、と思っていただけにやっぱり不安は拭えない。この印象が自分の中で根付いたのは2005年のコンフェデ。今回と違ってカカもジーニョもアドリアーノもホビーニョもいたブラジルをガチンコでうっちゃり倒すメキシコを自分は見ている。試合中絶えずプレッシャーをかけ続ける。すぐにバテそうなぐらい激しいプレッシャーでさすがに終了まではもたないだろうと思うんだけど、それを根性、ただそれだけで最後までやりのけてしまう粘り強さがメキシコ一番の武器だ。そしてアルゼンチンが負けうる相手はこういう相手。メッシーやリケルメに自由にプレーが出来るスペースを与えずに徐々に流れを崩し、カウンターで一発決めさえすれば。こういうフットボールが出来るのがメキシコなのだ。


その不安はやっぱり的中する。選手と選手の間をタイトに、危ない選手がボールを持ったらすぐにプレッシャーをかける実に欧州的なスタイル。これまでの南米チックなアルゼンチンスタイルは試合開始早々崩されてしまった。マスチェラーノ、カンビアッソ、Veronがボールを回し前を向こうとするも、すぐに圧力かけられるから余裕はないし、前の選手もキッチリマークにつかれているので、流れはどんより。こんな状況ではメッシーもへったくりもない。その上中南米らしいいやらしさあふれるメキシコは少しでもメッシーやリケルメがボールに触ると2人、3人と人数をかけ崩していく。前半アルゼンチンにいいとこはほとんど無かった。


一方で自分達の思惑通り試合を運んでいくメキシコ。解説の情報によると国内リーグが盛んなようで。実際代表の中で欧州クラブ所属の選手が占める数はマルケスとカスティージョ、たったの2人。それでもこれだけのフットボールが出来るのだからリーグのレベルの高さが伺える。相手に思うようにフットボールをさせず、出来た隙を抜け目なく突いていく。重視したのはサイド攻撃。ボールとられるのを恐れずガンガン勝負を仕掛けチャンスを作る。そのせいでガービーもサネッティも思うようには攻撃参加できず。そういう狙いもあったのか。いやいや、怖すぎるぜメヒコ。


だがそんなメキシコの巧みな計略も、一人の男に機知によって粉々に破壊されてしまう。リケルメ。やっぱりこの男も天才だ。この大会でプレースキックではトリックプレーを何度も試しているアルゼンチン。色々と試したいのかリケルメも意識的に相手陣内ではファールをもらっている。そんな中やってきた前半終了間際のセットプレー。直接狙うにはちょっと厳しいかな、という距離。ふいを突いてリケルメが蹴ったのでカメラもスイッチ間に合わずリケルメ背中からのアングル。弾道は巻いて直接ゴール隅を狙っているかに見えた。でも少し遠い。外れたか・・・と思いきや。急に入り込んでくる背番号6の影。足を伸ばした。当たった。入った!あっけにとられるメキシコディフェンス陣。そして自分。アングルが悪かったのでオフサイドかどうかも分からない。でもそれも無かった様子。スゴイ。入った。決まった。あれだけ自分のフットボールをさせてもらえなかったアルゼンチンがこの大会で多用したプレースキックからのトリックプレーで見事堅守メキシコから1点を奪い去った。もしかしたらアルゼンチンはこういう押されている展開も意識してプレースキックを大事にした練習を繰り返していたのかもしれないなぁ。あれだけ圧倒したフットボールをしておきながら、もしもの時の準備を怠らないアルゼンチン。これが強さか・・・。と、このゴールで前半終了。


このゴールでメキシコの全てが狂った。これまではプレスかけて積極的に守ってカウンターで一発決めればいいフットボールだったものの、自分達から前に出て相手を一回崩さなければ勝ちはない状況に。前に出るということは後ろにスペースが出来るということ。その隙をアルゼンチンが抜け目無く突いた。後半はアルゼンチンがメキシコの裏を突いて積極的にカウンターを仕掛けるというお株を奪う展開に。こうなるとメッシーが強い。リケルメが決めたんだから今度は俺だ!と言わんばかりにメッシーが跳ねる跳ねる。まずはいっちょPKとってやるかとマルケスの出してきた足を利用してエリア内でこけてみるものの、これはシミュレーションをとられタルヘタアマリージャ。ならばと今度はVeronの長いスルーに抜け出してドリブルを仕掛ければ、またもやマルケスとCastroが止めに来る。マルケスは「こけとけや」と極悪タックルをかますものの本気を出したメッシーはそんなもんじゃ倒れない。ボールキープを続けチャンスを探るメッシーにまたもやマルケスがタックルをかまして今度は仕方なし、とフリーキック獲得。決してただじゃ転ばない男、メッシー。もうこの時点でメッシーが何かをやらかす臭いはプンプンしていた。そして後半15分。前に出たメキシコの裏を突いて右サイドでフリーになっていたメッシーはボールを受け取りエリア内に侵入。キーパーが飛び出していると瞬時に見切ると即座にふわっと浮いたループシュート。ボールはキレイな弧を描いてマウスに吸い込まれていった。


もうね、笑うことしか出来なかった。素晴らしすぎる。やっぱりColombia戦で自分がメッシーに感じたマラドーナの影は錯覚じゃあなかった。スゴイ、スゴすぎる。でもメッシーがこう活躍するたび自分の中でこみ上げてくる複雑な感情がある。なんでペケルマンはメッシーを信じきれなかったんだろうなぁ。まあこんなこと考えても意味は無いんですけど。


この2点目で勝負は決まった。メキシコの集中力が切れてしまった。こうなったらもうどうすることも出来ない。テベスがドリブルで仕掛けてマルケスのファールを誘う。ペナルティエリアギリギリ外かな?というカンジだったけど審判はPKを指示。これをリケルメがキーパーをあざ笑うかのようにど真ん中に決めて3点目。前半はどちらに転ぶか分からない激しい展開だったけど、終わってみればリケルメの機知、メッシーの勝負強さなど、これまでと同じようにアルゼンチンがらしさを見せ勝負をものにした。いやぁ、強いわ、アルゼンチン。


こういうと後出しじゃんけんっぽくて嫌なんだけど、自分はメッシーのループシュートはちょっと予想してた。きっかけは前半最初のプレー。メッシーがループを試みる場面があった。その時自分の頭の中でフラッシュバックしたのはブラジル対チリ戦でスアソが決めたループシュート。あのゴールを見た時「そうだ、フットボールにはループシュートというプレーがあったんだ」と再認識させられた。長い間見ていないとああいうプレーはついつい忘れ去られてしまうもの。それがあのスアソのプレーを見て頭の中でループシュートにかかっていた埃がとっぱらわれたカンジがしたのだ。で、試合最初のメッシーのループを見てこう思う。「もしかしたらメッシーもアレがきっかけでループシュートを思い出したのかもしれない」





さて、一番の懸念だったメキシコを見事撃破して残るは決勝唯一つ。相手はあのブラジルだ。アルゼンチン対ブラジルを見るのはコンフェデ05決勝以来だから2年ぶりになるか。実はコンフェデの決勝の1ヶ月前ぐらいにもワールドカップの南米予選で両者は戦っている。予選ではなめてかかるペレイラ率いるブラジルがリケルメとクレスポの力によってコテンパンに捻じふせられまさかの惨敗を喫していた。対してコンフェデの決勝ではわけも分からず奇策に出たペケルマンが自爆してブラジルに負けた(この時にペケルマンの大きい試合での勝負弱さを感じ取っていなければいけなかったのかもしれない)。そして今回のコパ・アメリカ決勝。


定石どおりにいけばアルゼンチンの圧勝だ。そう言い切れる根拠はいっぱいある。まずブラジルが0−2で負けたメキシコにアルゼンチンは3−0で勝っている。ブラジルは組織的な守備が出来るチームには弱い。ディフェンスにはミスも多い。ドゥンガは経験不足。選手にも経験不足の選手が多数。アルゼンチンにはメッシーがいる。そもそもチームの完成度が段違い、などなど。でも予想通りにはいかないからフットボールは怖いんであって。こういった不安要素をことごとく跳ね除けてしまう可能性のある選手がブラジルにはいる。ホビーニョ。この男の存在だけでなにもかもが分からなくなる。例えアルゼンチンが89分間スキもなく堅い守備を披露したとしても、ホビーニョが見せるたった一度のファンタジーだけですべては狂う。それに印象論でなんだが、アルゼンチンはこういう決勝で、特にブラジルに弱い印象があるんだよなぁ。バシーレはペケルマンみたいに変なことしないでいられるだろうか。アルゼンチン必勝の鍵は前半からギアを最高速に入れてメッシー、リケルメの個人技で早々に得点を奪ってしまうこと。しかも2点。そして最後までホビーニョを自由にしない。これさえ何とかできればアルゼンチンの勝利は固い。


これまでメッシーをマラドーナだ、マラドーナだと持ち上げてきましたが。ぶっちゃけた話をするとまだ早いとは思っている。やっぱりタイトルを戴いてこそのマラドーナ。決勝でもこれまでと同じような活躍をしてからはじめて、自分は堂々とメッシーはマラドーナだと訴えることにしよう。

ロビーニョはいい男

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                            いやはや、素晴らしい






さてさて。


アルゼンチン対コロンビアを見た時南米特有の比較的ゆっくりとした中で繰り広げられるテクニック満開な試合に興奮した。次にブラジル対エクアドルを見た時はエクアドルに圧されあたふたしなんとかホビーニョの個人技で勝つことが出来たブラジルに失望した。そして準々決勝のブラジル対チリを見て、エクアドル戦とは対照的に自分達のペースで試合運びをするブラジルにワクワクさせられた。まるで別のチームのよう。エクアドル戦とチリ戦の違いは一体なんだったんだろう。


解説はブラジルはスロースターターで予選グループではよく手を抜くからそのせいでは?と言っていた。確かにそれもある。準々決勝のチリ戦の方がブラジルの選手はよく動いていた。よく走りよく動くのでパスコースが増え、結果ボールの動きが良くなりブラジルらしさは増す。


だが自分は一番の違いは対戦相手の質の変化だと考える。エクアドルとチリではチームの完成度はエクアドルの方が上だった。エクアドルは自陣では選手と選手の間を空けすぎず、絶えずブラジルにプレッシャーを与え続けていたので、パスコースが少ないし、走ってスペースを作ろうとしても隙がないのでそれもままならない。結果ブラジルは個人技でしかディフェンスを崩すことが出来ず、でもそんな個人技を持ってるのはホビーニョしかいないのでブラジルはホビーニョのチームなんて揶揄された。


一方チリは悪い意味で南米的。エクアドルと比べてディフェンスがゆるゆる。選手と選手の間が適度に空いているのでブラジルはパスと押し放題。ところどころきつめにプレッシャーをかけはするものの、単発的なので全然怖くはないし、試合の流れもつかめない。それに加え先も述べたようにブラジルの選手は予選リーグと違いギアをあげているので運動量が増しているのだから、ブラジルが試合を支配できるのは当然といえば当然だったろう。まあある意味このゆるさは南米的だといえるわけで、良くも悪くもコパ・アメリカらしい一戦だったと言えるだろう。うん、おもしろかったもん。


ドゥンガの采配も一応褒めておこう。ミスが目立ったアウベスをベンチに置きマイコンを起用したのは正解だった。ミスでチャンスが潰れがちだった右サイドがマイコンのおかげでボールは奪えるし、センタリングはトントン飛んでくるしとリズムが段違いにいい。そしてこういう南米らしい試合展開ではジョズエが映える。スペースのなかったエクアドル戦とは違って広いスペースを活かして中盤のリンクマンとしてボールをスムーズに捌き中盤を活性化していた。サントスではこういうプレーをしているから代表に選ばれたのね、とやっとジョズエの選出に納得。


そしてなんといってもホビーニョ。結局のところホビーニョ。今のセレソンはホビーニョ。これに尽きる。足下を見ているだけでなんかもう満足できてしまう選手。やっぱりこの人は天才だ。もう説明する必要ないわね。メレンゲではあまり評価してもらってない印象があるんだけど。新しい監督はホビーニョの真の価値を見い出し、そして100%活かすことの出来る人だといいね。それにしても今のブラジルはスゴイな。カカにジーニョにビーニョでしょ。あと一人とんでもない9番さえいりゃ最高なんでしょうな。ラブが大成するのか。アドリアーノが復活するのか。それともオランダでアンビリーバブルな成績残したアフォンソがダークホースとしてこれから伸びるか。そこがこれからのブラジルの楽しみ方の一つかもしれないわね。






ということで。ぶっちゃけた話をすると準決勝のウルグアイ戦は録り損ねた。2−2ということだったんだけどどうたったんだろう。結局また守備がいいチームにつかまってグダグダとなったのか、それともウルグアイがチリ戦で調子を上げたブラジルに対抗できるほどの底力をもったチームだったのか。こればかりは自分で見ないとなんとも判断を下せないので置いておこう。アルゼンチンが来るにせよメキシコが来るにせよ、決勝でドゥンガ・セレソンの価値はある程度計れるはずだ。

ドゥンガイズム?

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                              すっからかん







アルゼンチン戦ではコパ・アメリカの良さを十二分に堪能できた。お次はブラジルに楽しませてもらおうと思ったエクアドル戦。なんだったんだろうなぁ、あの試合は。ブラジルらしさなどまるでなし。解説が言っていたが、黄色いユニフォームを着たエクアドルの方がブラジルじゃないのか?と見紛うほどのひどい出来。責任はドゥンガの腕にあると断言してもいいだろう。


エクアドル戦のブラジルを評価するならば。「ブラジルらしさがほとんど無い」と言えば事足りる。他の試合は見てないけれど、ニュースや解説の話を聞いていると大体どの試合も同じようなことだったらしい。ブラジルらしさがカンジられるのはホビーニョのあの柔らかくてグネグネしたドリブルだけ。チリ戦でのホビーニョのハットトリックをあるブラジルの新聞が「孤独な光」と表現したそうだが、言いえて妙だ。


ブラジルのスタメンはキーバーがドニ、ディフェンスラインは右からアウベス、アレックス、フアン、ジウベルト。中盤は底にジウベルト・シウバがいて、少し前目にこれまたボランチタイプのジョズエとMineiro。トップが左ウイング気味に位置するホビーニョで、ラブとバチスタがセンターフォーワードの役割を担う。


この中でブラジルらしい選手はホビーニョとアウベス、ジウベルト、ラブの4人だった。他の選手はみんな欧州的。バチスタはフィジカルを武器にしたプレースタイルでSlovakiaとかにいたらしっくりきそうな選手だし、中盤を務めたジョズエ、Mineiroはこれといった色も無い平々凡々な選手でブラジルらしさもへったくりもない。シウバは攻守のバランスをとるのが上手い非常に現代的な選手だし。フアン、アレックスはミスしまくりである意味南米チックと言えるかもしれないが。それに加え先に挙げた4人のブラジルらしい選手の中ホビーニョを除いてみな不調でミスが目立ち、違いを見せることも出来ない。こんな体たらくだからこそホビーニョは「孤独な光」なわけだ。






ブラジルがブラジルらしくない。恐らくドゥンガはこれを意図的に狙っていると自分は考える。根拠は背番号。今回の大会に出場してはいないがドゥンガは親善試合でこれまでジーニョが着けていた10番を奪い、それをカカに渡した。ここにドゥンガイズムが見え隠れする。これまでのブラジリズムから言えば10番は絶対にジーニョだ。ジーニョの10番は聖域であったと言い換えてもいい。アンタッチャブルだった。だがそこにドゥンガは踏み込んだ。そしてその10をより現代的で欧州的な10番であるカカに渡した。またぎフェイントやノールックパス、エラシコ等で観客を魅了するタイプの選手よりも、よりシンプルでより素早い判断を下せるいい意味でも悪い意味でも「ややこしくない」タイプの選手に、ここが一番大事なのだが、「ブラジルの10番」を与えた。ドゥンガが目指しているフットボールとはつまりそういうものなのだろう。これまでのブラジル然とした誤解を恐れずに言うならば「相手をバカにしたような」超絶テニックをもってして堂々と相手の中央を蹂躙し、あたかもそれを楽しむような南米的なフットボールではなく、サイドも有効に使いながら臨機応変に対応する現代的なフットボールをしようと、これまでのブラジルから脱却しようとしているのだと、カカが着けた10番にその意志を感じ取った。


別に自分はそのドゥンガのスタイルを否定しているのではない。ドゥンガが監督を任されたのだからドゥンガの好きにすればいい、と考える。だが問題はそれが微塵たりとも実現できていないところにある。ドゥンガはこれまでのブラジルらしさから脱却しようとしている。だからバチスタが2トップの一角を占めることが出来るし、中盤をジョズエ、Mineiro、シウバといったブラジルらしさの欠片もない構成にすることが出来る。それがそれで機能すればいいのだが、これでもか!というほどの空回り。バチスタはテクニックないからただ前に突っ立ってるだけで、自分でどうこうできるわけでもないし、唯一のチャンスはたまに放り込まれるセンタリングに思いっきりジャンプしてあわせた時だけ。これを決めりゃバチスタの存在価値もあるってものだが、全部外してしまってるんだからどうしようもない。ジョズエとMineiroが務めるゲームメイクにも目が当てられない。出るパスはみなショートパス。相手のウラをついたキラーパスもなけりゃ、自らドリブルで突破することも無い。ただボールがそこらへんをポンポン回るだけなので、変化が起きないし、見ている側も退屈極まりない。アウベスとジウベルトにはスピードのあるサイド突破を期待したがアウベスは調子が悪いのかミスばかり、ジウベルトも消極的なので左サイドから何かがおきるわけでなし。ホントに何かが起きるのはホビーニョがボールを持ったときだけであり、なにより皮肉なのがそのホビーニョはドゥンガが脱却をしようとしていると思われるブラジルらしさの塊とでもいうべき選手だということだ。


ジエゴやアンデルソンを使おうとしない消極的な姿勢にも辟易するし、ディフェンスにはミスが目立ちまくった。でも凡ミスを繰り返すDFに変わる選手を見つけ出すことも出来ないのでほったらかし。このエクアドル戦からはホントに何も感じ取ることが出来なかった。これまでのブラジルらしさから脱却するという目的は達成できた。が、その代わりとなるものを何一つ付加することが出来ないので、あのブラジルがただの平々凡々なチームへと大変身。当のドゥンガは言い訳に終始しっぱなしで、反省の色も見られない。「ホビーニョだけのチームじゃない、あの勝利はチーム全体で掴みとったものだ」とはいうものの、あの試合を見て一体どうやったらそういう評価が下せるだろう。チャンスは90%がホビーニョの個人技によってのみ生まれ、ゴールを奪ったPKもホビーニョのまたぎフェイントからマリーシアたっぷりのダイビングがもたらしたもの。ドゥンガが創りあげた「チーム」によって生み出されたチャンスなどほとんどなかったではないか。こんな試合を見せられては、やはり無謀だったのではと考えざるをえない。監督経験の無いドゥンガにいきなり代表監督を任せたのは。






一応予選は突破できたものの、それはホビーニョの個人技がゲキレツだったのと、エクアドルがチャンスはかなり作れるものの決定力に欠けたチームであったからであって、ドゥンガの力によるものじゃあない。今後の試合の結果はもとより内容如何では即サヨナラという結末も考えられるだろう。あまりにも拙かった。見ていてこれほど「無駄無駄ッ!」とカンジさせられた試合も久しぶり。ジーニョやカカがいない中で批判するのも可哀想、なんてドゥンガ擁護論も出てくるだろうけれど、自分は逆だと考える。ジーニョ、カカのようなチームの力など借りずとも個人技で全てを切り裂ける選手がいない状況でこそ、監督の真の力が試されるのであって、そんな状況下でジーニョでもなくカカでもなく、たまたまもう一人いたクラックの力を借りてでしか勝てないのならば、更迭するいい機会が出来たものだと、棚ボタ的にクビにするのが吉。「もうちょっと様子みようかな」なんてのんびりした事言ってると、日韓W杯予選みたいなカオスに陥るかもよ、と予想してみたり。


まあなんにせよ、もうちょっとでもいいから「ドゥンガらしさ」というものを見てみたいわな。残り1試合になるか、それとも3試合出来るかは分からないけれど、とにかくもっともっとあがいて何か一つ輝けるもの見つけてほしい。それが20番着けたあの小僧なら言うことないんだけども。

リアル・メッシー

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                                快刀乱麻





さてさて。


今ベネズエラで行われているコパ・アメリカ。WOWOWかJスポーツが放映権を獲得してくれるだろうと思いきや特に情報更新はなし。おかしいな、と調べてみると放送するのは日本テレビのCS支局G+。「えー、なんだよそれ」と思いきや。とある事情で自分はG+と契約してるんだった。ならばということで。諸事情によりアルゼンチンとブラジルの第1節とブラジルの第2節は見れず。今回のアルゼンチンの第2節から見始める。


放映環境はぶっちゃけた話最悪。予選リーグはアルゼンチンとブラジルしか放送しないし、しかも再放送もなし。一発勝負。自分みたいな基本強豪国しかチェックしないようなにわかファンならともかく、ペルーもパラグアイもColombiaもウルグアイも見たい!というような南米フットボール好きの人には辛いだろうな、とは思いつつも。コパ・リベルタドーレスやコパ・スダメリカーナを放送してくれる南米びいきの日本テレビだからオッケーなのかな。おそらく今回の放映権獲得はその南米繋がりあってのことなのだろう。トヨタ様様だ。






そんなことはさておき。アルゼンチンのメンバーを見てビビる。大きく二点。まずはリケルメがいること。そしてVeronがいること。


自分の記憶が確かならば。リケルメは代表を引退したのではなかったか。母親の看病をするために。「フットボールはもちろん大事だ。だがそれよりも大事なものがある」と言って、「代表でプレーする時間を母親を看病するために当てたい」と言って代表を引退したのではなかったか。この発言を聞いた時自分はスゴイ違和感を覚えた。母親を看病するのにただ代表を引退するだけで事足りるのか。もし母親が快復したらどうするのか、などなど。だから自分はリケルメの母親がこれからずっと面倒を見なければいけないような病気にかかっているならばクラブも辞めるべきだと考えたし、もし完治するような病気ならば監督に母親の病気が治るまで代表に召集しないよう頼めばいいと考えた。でもリケルメは引退を選んだ。それが不可解だったのだけれど、今回普通に復帰してやがんの。なんだよ、それ。もういいよ。引退話。メディアももう伝えなくていい。伝えるなら伝えるで「また中途半端な覚悟で引退を持ちだす選手が現れました」的な伝え方で頼む。引退って監督やスタッフの苦労を伴うものだ。ファンの悲しみを伴うものだ。他人に多大なる迷惑をかけるような重大な判断を軽い気持ちで下さないでほしい、ホントに。


続いてVeron。自分にとってのVeronのイメージはユナイテッド時代のものではなくて(まあ人に印象残せるようなことやってなかったし)ラツィオ時代のもの。あんときラツィオはホントに気持ちいいフットボールを見せてくれた。当時の監督はエリクソン。だから自分はあのワールドカップでの失態を見ても、エリクソンを嫌いになりきれないし、シティの監督に就任したらば怖いことになると考えている。エリクソンの話は置いといて。そのエリクソンラツィオ時代の中心がVeronだった。Veronを介してショートパスがパンパン通ってそれはもうキレイだったのがまだ鮮明に残ってる。そんなVeronがユナイテッド移籍を機に一気に下り坂を転がり落ちてって、今ではアルゼンチンのエストゥディアンテス・ラ・プラタで余生を送っている。でもそこでのんびりプレーできたことで自分のプレーを取り戻したらしく。エストゥディアンテスはアルゼンチン前期リーグで優勝。その活躍を買われての召集らしい。


そんなVeronを用いてのシステムはセンターバックにアジャラとガブリエル・ミリート、サイドバックは右にサネッティ、左にガービー。ボランチにマスチェラーノ、左にカンビアッソ、右にVeronでトップ下はリケルメ。トップはクレスポとメッシだ。


地味に代表のユニフォームを着るサネッティは長年振りの気がする。でもホントにもう自然で、違和感が全くなく、かなりの安心感。ワールドカップで外したペケルマンの気持ちも分かるんだけどな〜。いつかは世代交代の時はやってくるわけだし。でも安全牌のサネッティを据えてみると、案の定スムーズに事が進む。しかもとびきり。うーん、やっぱり世代交代は難しい。左のガービーは代表でこうもハッキリと左サイドバックを務めたのはバシーレ政権下が始めてじゃないのかな。まあある意味妥当な判断ではあるんだけれど。


中盤の並びは少しいびつというか珍しい。ボランチタイプの選手を3人並べてその上にリケルメトップ下が基本的な形。ワールドカップのフランス対スペイン戦のスペインの並び方。Maxi Rodriguezがいないのでウイングタイプが全然いない。そういやアルゼンチンにサイドハーフって最近育ってない気がする。メッシはサイドに置けるけど、今回の試合で分かったように基本中央に位置したフリーマンが一番輝けるし。アルゼンチンにそんなイメージはないんだけども。まあでもこれまでもサイド職人っていう選手は少なくて、中央でドリブルできる選手が臨機応変にサイドに流れて突破するって形が多かったか。今回もメッシがその役割を担っていたし。


マスチェラーノ、カンビアッソ、Veronの中で一番輝いていたのがVeronだった。というかハツラツとしている。Veronってこんなだったか、ってぐらいハツラツとしている。アルゼンチンでいい人生送れてるんだなってのがヒシと伝わってきて、なんだかこっちまですがすがしい気持ちに。ショートパスはもちろん。ピッチを広く把握し、隙在らばディフェンスをざっくり切り裂くディープでゲキレツキラーパス。パスだけと思いきや、柄にもなくスピード任せのドリブルもやっちゃうんだもんなぁ。齢32、もう終わった選手だと思ってたけど、なかなかどうして楽しませてくれます。そんなVeronを見れただけでもおなかいっぱい。


アルゼンチンの9番は未だクレスポ。それは怪我で抜ける前のクレスポ自身の存在感だけでなく、代わりに入ったディエゴ・ミリートの薄さでもうまざまざと明らかに。リーガ・エスパニョーラで23ゴールをあげたミリートの存在が希薄に見えてしまうほど、クレスポの存在感は凄かった。特にアルゼンチン代表のユニフォーム着るとオーラが1.5倍増しになる気がするなぁ。だからこそクレスポの座を頂くのは難しい。本当に。でも怪我しちゃった。だけどこういうことを言うと不謹慎になるかもしれないけど、クレスポの怪我でアルゼンチンを見る楽しみが増えた。勝利を目指すなら選択肢はクレスポ一択。でも正直言った話コパ・アメリカってそうガッツリ目の色変えて獲りに行くようなタイトルではない、と個人的には思っている。そんなタイトルだったらジーニョはともかくカカまで召集拒否するわきゃないからね。だからこそ次世代の9番を狙うッ!ミリート対パラシオ対テベスの構図が興味をそそる。バシーレはそうは考えていないかもしれないけど、自分はメッシとテベスは共存可能だと考える。っていうか自分にはこの2人のプレースタイルが似ているものとは思えない。似てるのは背丈だけでしょ。テベスは前しか向かない、前しか向けない突貫子ゴリラで、メッシーはマラドーナ。自分は現役でプレーするマラドーナを見たことがない。でも「あぁ。マラドーナってこんなカンジだったんだろうな。だからこそ世界はマラドーナに惚れたのだろうな」って思えるぐらい飛び跳ねてた。


終始メッシーのプレーにはため息が出っぱなし。フットボールの申し子的な表現しか出てこないなぁ。しかもアルゼンチンのメッシーはバルサのメッシーとはちょっと違う。メッシーはバルサではウイングをやっているけれど(バルサにおいて一番上手い選手が務めるポジションがウイングだからこれはこれでいいのだけれど)、アルゼンチンでは基本中央で1.5列目の位置。しかもバルサのようなキチキチっとしたリズムの中ではなく、アルゼンチン代表という南米独特のより緩やかなリズムがメッシに自由を与える。自由を得たメッシーは水を得た魚。独特のリズム、チェンジ・オブ・ペース、足に引っ付いたドリブル、ファールをもらうタイミング、疲労を考慮した絶妙なアクセルの踏みどころなどなど。パーフェクトなだけじゃない。次の一手が楽しみで仕方ない。いやぁ、ヤバイわ、メッシー。まさか超えるか、あのマラドーナ。


リケルメには正直最初の方に書いたことが原因であんまり感情移入できないのだけれど、やっぱりスゴイなぁ。いいなぁ。今季のビジャレアルでは色々とあってプレーできなかったみたいだけど、フットボーラーとして生まれ育ったボカの空気に触れて復活したようで。あのフリーキックといい、ドギツいキラーパスといい、ニヒルなヘディングといい。リケルメもやっぱりスーパースターたるオーラを持っている。こんな存在感のハーフがスペインにも生まれてこないもんかねぇ。でもそんなリケルメに一つ不満も。背番号。その10番、メッシーにあげてやれないかなぁ。ビジャレアルでは8番背負ってたんだから8番でいいじゃん、ねぇ。今日のメッシーのプレーを見て、自分の中ではなぜだかマラドーナと像が重なり、だからこそメッシーの18番に終始違和感を覚えっぱなしだった。自分は背番号を結構重視している。正直言うと根拠は無い。でもあの後ろの数字からは何らかのエネルギーが発せられていると感じる。適切な背番号を適切な選手が背負えば背番号は選手に力を与えてくれるし、不適切な背番号をつければ、その違和感が選手の調子を狂わすと、漠然ながらもそういう力を感じている。例えばベッカムがユナイテッドで8番を背負ってたら、あんなに活躍できなかっただろうと思うし、例えば1998年大会ジダンが5番なんか背負ってたらフランスは優勝なんか出来なかったと思う。だからイニエスタには代表では10番を背負ってほしいし、ルーニーが今季から背負う10番はルーニーの運命を少なからず変えることになると思うし、メッシーにも10番を背負って欲しい。リケルメも10番タイプのプレーヤーだけど、早い話リケルメがマラドーナと同じ時代にプレーしていたら、マラドーナに10番を譲っていたでしょ?とそういう話だ。今大会中は無理だけど、W杯予選からはぜひ。






ということで。コパ・アメリカは面白い。コパ・アメリカにはコパ・アメリカの雰囲気がある。テンポが欧州と比べて少し遅く、その分選手が余裕を持ってプレーできるからより自由に選手が自分を表現できる。例えばこの中にチェルスキーなんか入れたら、あの超リアリズムフットボールで圧勝してチェルスキーが優勝し、面白くない大会になるのだろうけれど、南米にはそんな例外はいない(と思う)ので、そんな心配も無い。しかも南米だからよりプレーがダーク。危険なスライディングがバッシバシ飛んでくるのでスリリングだし、欧州でプレーする選手の別の顔を垣間見ることも。特にガービーはダークガービーになってて面白かったなぁ。


などなど。コパ・アメリカでは南米の代表の本当の姿が見れるような気がする。だからアルゼンチンのフットボールはワールドカップに比べると断然面白かった。まあそれはもちろんドイツん時と違ってメッシーがチームの中心に位置しているってのも関係しているだろうけど、もしワールドカップでメッシーが今のようなポジションだったとしても、今回のように伸び伸びとプレーは出来なかっただろうし。いや、ホントコパ・アメリカ面白い。なめてかかってた。今からでも遅くない。確か千円ぐらいで加入できたと思うので、欧州フットボールが終わってフットボールの無い生活を送っている人は、ぜひご一考。

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