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オススメカペル
さてさて。
準々決勝からようやくFIFA U-20 World Cupの放送が始まる。早い話がワールドユース。どんな世代の大会にもワールドカップという名称を使いたいというFIFAの気持ちはよく分かるけど、呼びにくいったらありゃしない。フィファ・アンダートゥウェンティ・ワールドカップって。通称でもつけてくれりゃぁいいのにねってグチをたれても仕方なし。こればかりは徐々に慣れていくしかないのだろうな。
フル代表に比べてそんなにガッツリ見たいわけじゃないけれど。U-20の大会の魅力はなんといってもピッチピチのスター探し。メッシー、イニエスタ、カカ、マスチェラーノなどなど数え上げればキリがないほどこの大会では次世代のスターが活躍してくれている。今大会は一体誰がピッカピカに輝いてくれるのだろう。本命はやっぱりAGUEROかしら。でももうアトレティコで頑張っちゃってるのでイマイチ新鮮味がない。個人的希望の星はやっぱりジョバニ・ドス・サントスだ。バルサカンテラが誇るイニエスタ、メッシーに続くスーパー兵器第3弾。でもその評判は耳には届いてくるものの映像が伴わないので、胸にあるのはもやもやとした期待感だけ。この期待を具体化するチャンスがようやくやって来た。あいにくフジは準々決勝からしか放送してくれない。メキシコがこのステージまでやってきてくれることをただただ祈っていたのだけれど、そのジョバニ自体の活躍もあり順調にコマを進めてくれた。
ただ不運もある。順調に勝ち進んでくれたのはいいけれど、対戦相手がアルゼンチン。自分が今大会で1番目に期待しているチームと2番目に期待しているチームがこの段階で激突するとはなんともはやもったいない。そういや前回大会も1番に期待するアルゼンチンと2番目に期待するスペインが準々決勝で戦った。どうしていつもこうなんだ。とまあそんなことはおいといて。まあでもこの対決が確実に見れただけでもよしとするかと無理やり納得して。その試合に思いを馳せつつ今日はスペイン対チェコを観戦するとしよう。
フォーメーションは4−3−3。スタメンはGKがアダン(メレンゲ)。DFが右からバラガン(ラ・コルーニャ→リバポー)、バリエンテ(バルサ)、ピケ(サラゴサ)、ホセ・クレスポ(セビージャ)。中盤は正三角形でダブルボランチにハビ・ガルシア(メレンゲ)、マリオ・スアレス(アトレティコ)、メディアプンタがGRANERO(メレンゲ)。3トップは右ウイング、マタ(メレンゲ)、左ウイング、カペル(セビージャ)、センターフォワード、ADRIAN ROPEZ(ラ・コルーニャ)。一番の注目選手はADRIAN ROPEZという選手らしい。これまでの4試合で5ゴールと活躍中ということだ。
実際の試合を見た結果。この試合だけでの判断なんで普遍性は全く無いけれど。ADRIAN ROPEZにはあんまり気を惹かれなかった。身長の高さを生かした空中戦に強い9番タイプ。これまでの大会のハイライトを見てもセンタリングやコーナーキックからの得点がほとんどで。足下もそれなりにはいけるんだけど。この試合ではチャンスはことごとく外すしで。一世代先輩のトーレスやジョレンテの方がまだスケールは大きく見えたかなぁ。まだこの試合では判断しきれないけれど。いい素材であることは間違いないので一応頭に残しておこうか。
U−20スペイン代表で一番輝いていたのが左サイドのカペル、クレスポのセビージャコンビ。レジェスにナバスを育てあげてるところからも分かるように、やっぱり今のセビージャはサイドの選手育成に力を注いでいるのか、2人とも一対一での勝負の意識が強いのでまあ見ていて面白いこと。カペルは切り返しターンがお得意の典型的なウイングタイプ。クレスポはサイドバックなので守備のバランスをとりながらも、時折自分を抑えきれなくなって、隙あらば前向いてガンガンドリブル突破。本質的にはカペルよりもクレスポの方が勝負好きなんじゃなかろうか。サイドバックという鎖に繋がれて窮屈そうだったのがもどかしかった。
下馬評が高かったスペインだけれど。実際はチェコのドン引きカウンター作戦で攻めあぐねていた。そんな中で得点の匂いを感じさせていたのがこの2人の個人技だけ。他の選手はチェコの激しいプレス&フィジカルの前に沈黙。チェコのディフェンスを誉めるべきなのかもしれないけど、特にメディアプンタを務めるGRANEROが何もさせてもらえなかった。前半は両者とも見所無く0−0。後半も展開は変わらずチェコの堅守の前にろくに何も出来ないスペイン。でもGRANEROに早々に見切りをつけた監督のヒネス・メレンデスの好采配で流れが変わる。変わってはいったのはトニ・カルボ。ベンチに座っていたもう一人のバルサカンテラだ。チキートさんとこの情報にあるとおり右サイドでの起用。右にいたマタを中央に入れて4−4−2の形になった。カルボという名(ジダンのあだ名がカルボだといえば大体どんな意味を持っているかは分かってもらえるでしょう)を意識してか丸坊主のこの選手が右サイドでまあ跳ねる跳ねる。これまでは有効な攻め手は左サイドしなかったものの、カルボが右サイドで勝負を仕掛け、ガンガン突破していくのでスペインの攻撃力は1.5倍増し。これだよ、これなんだよ。自分の中のスペインはこう右から左からサイドでドッカバッカ喧嘩しかけて、そして勝ってチャンスに繋がるイメージ。そんなスペインを久しぶりに拝めた感動。
でも最初の方でも書いたようにゴールを決めるべきフォワードのADRIAN ROPEZがこの試合では不調。カルボのセンタリングでフリーになって後は入れるだけ、という状況の中ポストに当ててしまった時点で監督の堪忍袋の緒も切れた。ADRIAN ROPEZに変えてブエノ投入。でもこれでも流れは変えられず。0−0のまま試合は終了、延長戦突入。
この試合で分かったこと。チェコ結構強い。日本と戦ったときはポンポンと点を取られて審判のヤオ判定に助けられてとそんなに強いイメージなかったのだけれど。このスペイン戦では見事に敵の攻撃を封じ込めていた。で、この事実から分かること。日本代表も結構強かったんだということ。左に右にとサイドチェンジを繰り返し相手の弱点を突く。この一見単純そうに見えることがスペイン代表には出来てなかったわけだから。このチェコ相手にがっぷりよつで戦えた日本は天晴れだったんだなとこの試合を見てはじめて気づく。そのチェコは延長戦前半、スペインの攻撃を防ぎきりカウンター一発、左からのセンタリングからヘディングドカン、これは止められるもののこぼれ球を押し込み先制。
負け犬根性が染み付いたスペインならここでへこたれそうなものだけれど、この世代の選手は一味違った。決勝トーナメント1回戦でもブラジルに2点先制されてから4点取り返すという荒業をやってのけたスペイン。今回も逆転劇を狙って超攻撃的な作戦に打って出る。センターバックの2人のうち体格で秀でるピケを積極的に攻撃参加させ、長いボールをガンガン入れる。そういやピケはサラゴサ行ってからイメージ変わったなぁ。プレースタイルとかじゃなく(そもそもユナイテッド時代見たことないし)外見のイメージが。短髪でボーイッシュな髪型から坊主になって眉毛にも一手間加えてワイルドさがかなり増した。プレースタイルも同じく積極的になったのか、もう攻撃参加とかいうレベルではなく普通にフォワードみたく前線に常駐している。そんなアグレッシブなピケの活躍が実を結び。ピケのおとりの動きを巧みに利用したブエノがペナルティエリア付近でナイスシュート。これはポストに当たるものの中にボールは跳ね返り、これをマタがテンパりながらもなんとか押し込んでゴール。スペインが1−1に追いついた。
この後もスペインがサイドアタックなり長いボールなりでチェコを攻め立てるものの、後一歩のところで決定力を欠くのがスペインらしいといったところか。1−1のまま試合は終了。PK戦にもつれ込み。チェコはみんな決める一方、スペインはバリエンテとピケが外すというバルセロニスタにとってなんとも胸が痛むというか罪悪感を感じるというか、まあそんなカンジで2大会連続でスペイン代表は準々決勝敗退。結局2大会連続で1試合しか見れなかった。もっとカペルなりクレスポなりカルボを見たかったなぁ。
まあスペインは敗退したにせよ。まだまだ見るべき逸材はいる。ジョバニ、AGUERO等はもちろん。メキシコのべラも面白いそうだし、コパ・アメリカでブラジルがチリと戦ったときに実況解説がチリにもこの世代に一人天才がいるとか言ってたっけ。そもそもカペルもクレスポもカルボも未チェックだったわけで、こういう発見があるからやっぱりU-20の大会は面白い。
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