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俺の居場所はいずこへ・・・
(8月24日修正)
さてさて。
チェルスキーにダニエル・アウベスが加入したらしい。今季は地味な補強を売りにしていたチェルスキーだが今回約52億円使ってそのレッテルは早くもはがれた。と思われたが。セビージャ会長デル・ニドが調子に乗ってまた値段を吊り上げてしまい、キレたチェルスキーがご破談にしてしまった様子。代わりにベレッチを約8億円で獲得した。フットボールバブルを解消するには売る側を調子に乗させないことが重要だったりする。今回の一件はチェルスキーにしてはグッジョブな判断だった。地味な補強というレッテルはまだはがれてはいないよう。
が、アウベスとは別に高額な補強がまた行われた。メレンゲがチェルスキーからロッベンを約57億円でお買取。正気の沙汰じゃあない。しかもこれまで約100億円以上費やしておきながらさらに50億円オーバー。多分史上最高額投資じゃないか。ペレス政権期はシャツが売れる選手には金を惜しまなかったが、その分他のところで出費を抑えたためにチーム力がつかず、失敗した。同じ過ちを繰り返さないように、シャツを売れる選手にも売れない選手にもお金払っていこうということか。でもそのためにこれだけ出費していては、今季失敗して破産となっても別に驚きはしない。ラモンは何を考えているんだろう。でもまあこれで公約していた一人を獲得できたわけだから一応面目は保てたということか。それにしちゃ代償が大きい。
チェルスキーはここでも商売上手ぶりを発揮した。やれば出来るじゃあないか。急遽方向転換をしたチェルスキー。これまでの散財を悔い改めてのことならいいのだろうが。しかし今年3月に会長が離婚したことを鑑みれば、チェルスキーの方針転換と無関係とは到底思えない。約1兆3500億円と言われる慰謝料。重ね重ねイリーナさんにはお礼を言いたい。
ところでメレンゲはオランダ人にご執心の様。ルートの成功に気をよくしたのだろうか。急遽始まったオランダ化政策。数年前のバルサを思い起こさせるが。そりゃ1シーズンは優勝できたけど、総合的に見りゃありゃ失敗。もちろんメレンゲが同じ轍を踏むとは限らないが。臭うメレンゲ。しかも親善試合で負けが続きフォワードの補強も囁かれている。ミリートに約30億だとか。なんでソルダードがいる、ポルティージョを呼び戻そう、って考え方が出来ないんだろう。デル・ボスケ政権期モリエンテスが怪我をしフォワードが足りなくなってフロントが補強を進言した時「いや、私たちにはグティがいる」って言えた時のメレンゲスは強かった。
話を元に戻して。ロッベンに約57億円。これ自体も驚愕の値段だが、もっと驚くべきはこの値段が今年の市場ではさして珍しいものではなくなっていること。
まずユナイテッドはナニ、アンデルソン、ハーグリーブスに各約40億円ずつ払っている。テベスは少し特殊で2年間はレンタルの形で年に約12億円ずつウェスト・ハムに支払い、その後完全移籍になるというから安く上がった。
リバポーはトーレスに今季市場最高額の約60億円を支払っている。その他バベルに約27億円、ベナユンに約17億円。
チェルスキーはマルダに約33億円。
スパーズはベントに約40億円、ベイルに約25億円。
シティはエラーノに約20億円、ビアンキに約21億円、ポジノフに約14億円。
スペインのクラブに目を移せばバルサはアンリに約40億円、ミリートに約33億円、アビダルに約25億円。
メレンゲはロッベンに約57億円、ペペに約50億円、スナイデルに約40億円、ドレンテに約22億円。
アトレティコはラウール・ガルシアに約20億円、フォルランに約35億円、レジェスに約15億円。
他はバイエルンの動きが目立ったか。リベリに約41億円、KLOSEに約20億円、トニに約18億円。
などなど。外資が集中するプレミアを中心に今フットボールバブルが再来している。
バブルは終わったと言われていた。ジダンの移籍金約84億円を筆頭に、30億円から50億円の間で頻繁に選手が売り買いされていた時代。あの中田が約32億円で売れた時代。金を出さねば良い選手は獲れない風潮の中、加速度を増し釣り上げられていった移籍金。この第一次フットボールバブルはリーズやラツィオ、パルマの破産を皮切りに一気にはじけた。その後は30億円で売れれば儲け。デコもエトーも今の市場では軽く四、五十億つく選手も30億出せばなんとか獲れたバブル崩壊期。どこもかしこも金をばら撒くかのごとく手当たり次第選手を獲得するのは止め、長期的な計画の下慎重な補強に努めた。バルサは移籍金を全く使わなかった年もあった。ユナイテッドも過去二年派手な買い物はしていない。それはどこのクラブも大抵同じで、30億円以上も出せるクラブなんて油ビッチ率いるチェルスキー以外存在しなかった。しかしチェルスキーの成功を見た大富豪がプレミアに集中すると流れが変わり始める。そして今季バブル崩壊期に貯めこまれた資本が一気に爆発するかのごとく、移籍金の高騰が始まった。
トーレスの約60億を筆頭に、左ウイングのロッベンに約57億円、大した結果を残したわけでもないペペに約50億円、ナニとアンデルソンに約40億円。チャールトンを降格から救うことさえ出来なかったベントに約40億円。バイエルンでは並だったボランチのハーグリーブスに約40億円。オランダで可もなく不可もなくの結果が続いたスナイデルに約40億円などなど。他にも「これが適正価格か?」と疑いたくなるような移籍金が目立つ目立つ。
自分はこれらの選手を否定しているわけではない。才能豊かで未来を期待したくなる選手ばかりだ。問題しているのは選手云々ではなく移籍金。バブルとは分不相応に膨れ上がった価格のことであり、上記の2,3年前では考えらない移籍金を見ると、今フットボール界は第二次フットボールバブルの中にあるのは間違いないだろう、とそういう話。
尤も第一次フットボールバブルの時と気色が違うところもある。金の出所だ。第一次バブルの頃はいい選手を大枚叩いて買い、上がったチーム力でチャンピオンズにでも何でも出て金を稼ぎ元を取ろう、という安易な考えの下選手の値段は釣りあがっていった。でもやっぱりフットボールってそんな簡単なものじゃなくて。いい選手をいくらとっても必ずしも結果が出るわけでなし。しかし膨れ上がった移籍金は財政を圧迫し、最悪破産に至るクラブまで現れた。
しかしこの第二次フットボールバブルはいい選手とっていい大会出てドーン!と稼ごう、という安易な考えの下に発生したものばかりではない。もちろん高い移籍金を払ってまで獲った選手に活躍してもらおうという考えはどのクラブも持っている。しかし所謂「とらぬ狸の皮算用」により値段が膨れあがった第一次とは違い、第二次は大金持ちのポケットマネーという実在するお金が相場を釣り上げている。チェルスキーはもちろん、リバポーやシティがそうだ。こうしたクラブに対抗するためにユナイテッドやバルサ、メレンゲなどの強豪クラブはもちろん強豪入りを狙うスパーズやアトレティコ等の中堅クラブは嫌でも高めの移籍金を提示しなければいけない。でもそんな事情を知ってる放出するクラブ側はこの機を活かせとより高めの移籍金を設定し、結果今回のように移籍金が高騰する、とこういうわけだ。
こういった特徴を持つ第二次フットボールバブルのタチが悪いところは、チェルスキーやリバポー等お金持ちがポケットマネーから移籍金を払ってくれるクラブは補強が失敗しても問題ないが、そうでないクラブにとっては失敗が致命傷へと繋がる点にある。お金持ちの後ろ盾がないクラブがお金持ちの後ろ盾があるクラブに対抗するには、経営努力により釣りあがった移籍金を捻出しなければならない。しかしそうまでして獲った選手がもし滑りでもしたら。ユナイテッドやバルサのケースはまだいい。この二クラブは過去二年極力支出を抑えてきたので、今回のような無茶をする余裕はあったはずだ。しかしそうでないクラブ、毎年すっちゃかめっちゃかな補強を繰り返してきたメレンゲやいくら補強を繰り返してもCL出場権すら獲得できないアトレティコやスパーズはどうなるだろう。この三者は第一次フットボールバブルで失敗したケースと一致する。獲得した選手の力でクラブで結果を残すことを前提に資金を捻出しているはずだ。メレンゲはともかくスパーズとアトレティコの昨季の成績では計60億以上もの移籍金を出せる余裕があるはずもない(アトレティコはトーレスの移籍金で余裕があるように見えるかもしれないが以前からクンに約34億円費やす等結構無茶をしている)。
しかしバブルなんてもんはいくら心配したって解決するもんじゃない。崩壊する時をただ待つしかないのだ。お金の問題なのでFIFAやUEFAも口は出せない。こうして誰も口を出せない中バブルはドンドン膨れ上がっていく。昨季降格したユーベから貪ったおかげで今夏は市場に積極的に参加する必要のなかったインテルやジーニョやエトーなど池に映る月をバカみたいに追い続け今夏はほぼ何も出来なかったミランも来季は第二次フットボールバブルに拍車をかけるはず。
ユナイテッドやバルサ、メレンゲといった伝統のある強豪クラブはちょっとやそっとの失敗で経営がぐらつくことはあっても破産にはならない。こういうバブルで一番心配なのは中堅クラブだ。セビージャやビジャレアル等、分をわきまえ倹しくそれでいてしたたかに補強を進めるチームもあるが、一方で分不相応に派手に補強を繰り返すチームもある。数年前にはそれで破産するクラブも見てきた。第二のリーズやラツィオが生まれなければよいのだけれど。
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