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ノウ・カンプノウ

さてさて。


建設50周年を記念して改築が予定されているカンプノウ。先日その外観が発表された。決定についてはコンクールが行われたそうで。カンプノウの設計が出来るんだからさぞかし競争も激しかったろう。そしてその競争を見事勝ち抜いたのはノーマン・フォスターという御方。


マンチェスター出身のフォスターさん。1990年にはナイトを叙勲されているのでサー・フォスターと呼ぶことにしよう。詳しくはウィキペディアのリンク貼っておいたのでそこでご覧になってほしいが、これまで大英博物館、ドイツの国会議事堂等数々の建築物を手がけているし、なんとあのワールド・トレード・センターの跡に建築予定のタワー2も担当するとのこと。フットボールの聖地ウェンブリーの改修も手がけた。そんな御方がカンプ・ノウの改修してくださる。うーん、なんだかスゴイことのような気がしてきたぞ。


そんなサー・フォスターが発表したノウ・カンプノウの完成予定図がこちら。


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おおおおおおおーーーーーーー。素直に「おー」という声が出た。正直ケバイ気もする。派手。派手。あまりにも派手。だが忘れてはいけない一つの事実。ノウ・カンプノウが座する地はバルセロナなのだ。ロンドンやミラノ等にこんな建物がドン!と建ったなら、さぞ浮くことだろう。でもそこはバルセロナ。あのガウディさえも受け入れた土地。FCバルセロナ単体でこのノウ・カンプノウを受け入れたのなら、その派手さに押し潰されてしまいそうだが、芸術の都バルセロナ、その一部としてならこのノウ・カンプノウもすんなり馴染みそうではある。


しかし問題もあるそうで。400億は下らない建築予算の捻出。ラポルタの計画ではミニ・エスタディを売り飛ばし、そこにマンションを建ててなんとかしようという算段だそうだが、それが上手くいってない様子。どうやらこのミニ・エスタディ売却計画の裏にはラポルタのバルサ独占欲があるようで。要するにラポルタは自身が就任する前に建てられた建物があるのが気に食わないのだ。だからミニ・エスタディは売却したいし、カンプノウやパラウ・ブラウグラーナ(バスケットやフットサルの会場)を改築したがる。当然一部のファンは反発するし、マンションの建築にはバルサに関係なく周辺住民の承認も必要と課題は山積。


自分はラポルタのこの姿勢は嫌いじゃない。エゴイスト。就任直後は自分の来る前に加入したカンテラ以外の選手を次から次へと粛清した。とうとうユニフォームにスポンサーも入れた。それも他のクラブは真似できないやり方で。そして今度は莫大なお金をかけてカンプノウの改造というわけだ。野望に必要だからとカンテラの聖地であるミニ・エスタディを簡単に売り払おうとする。バルサ史に次々とラポルタの名前が刻まれていく。だからこその改革。だとすればあまりにエゴイスト。しかしこのエゴイストが単なるエゴになってないのがラポルタの凄いとこ。一見エゴに見えるこれらの動作は、一歩引いて客観的に見てみると非常に合理的かつ経済的。在来選手の粛清は不良債権の処理に繋がったし、カンプノウ改築は入場料収入の増加はもちろん、話題づくり、クラブイメージ上昇に貢献する。ミニ・エスタディ売却はシウダ・デポルティーバの有効活用に繋がる。
ラポルタの行為には情がない。でもだからこそバルサは短期間で劇的に成長することが出来た。もちろんその代償として色々なものを失ったし、これからも失っていくのだろうけれど、しかしフットボールがビジネス面でこれだけ肥大化し、かつバルサが常勝を定められたチームである以上これらは避けられるものではなかっただろう。情に棹せば流される世界。だから自分はラポルタの非情を責めることができない。


そんなラポルタの下、ノウ・カンプノウ計画は着々と進行していく。予算の問題もラポルタならなんとかするはず。ラポルタだからこそなんとか出来るはず。必要とあらば軽々とミニ・エスタディを売り払い、周辺住民もお得意の弁舌で説き伏せるだろう。立ち止まってはダメ。引いちゃ終わり。ラポルタはそれをちゃんと分かっているし、それを実行する力強さも持ち合わせている。
とまあなんか難しい話になってしまったけれど。今はノウ・カンプノウの完成をただ単に楽しみにしておこう。いろんな意味で歴史的な建築物になるに違いない。

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                           焦らずじっくり、それでいて力強く





さてさて。


とうとう今日開幕するリーガ・エスパニョーラ。バルサに関するニュースは芳しくないものばかり。もうなじみとなったFIFAウイルスのせいで主力のほとんどが代表招集。エトーなんかは1ヶ月で二度も訪日するハードスケジュールだ。おまけにプジョルの怪我はまだ治ってないし、エジミウソンとグジョンセン、テュラムも怪我。ジョバニのスペイン国籍も8月28日で開幕には間に合わず。もう一人の新星ボージャンも今は韓国でスペイン代表のユニフォームを着て戦っている。


ボージャンが戦っている大会はU-17ワールドカップ。改めてボージャンの若さには驚かされる。生まれた年が1990年だもんなぁ。誕生日が8月28日だからもうすぐで17歳。つまり17歳でバルサAデビューすることになる。メッシーがリーガの公式戦に初出場したのは17歳3ヶ月22日。この記録をボージャンは抜くことが出来るのか。今日は今韓国で頑張ってるボージャンのインタビュー。

(「」がインタビュアー。『』がボージャン)

「ホントはサンタンデール戦に出場したかったんじゃないの?」

『この大会に召集されたときは、大事な1ヶ月をバルサのみんなと過ごせないのはもちろん、貴重なプレーできるかもしれない時間を失うのは嫌だと思った。でも今はここ韓国でU-17ワールドカップに集中してるよ。そりゃ、サンタンデールでプレーしたかったさ。でも実はガンペール杯の方が楽しみだった』

「キミのカンプノウでのデビュー戦になるはずだったからね」

『そうさ。小さい頃からバルサのクレで、ファンへの発表会であるガンペール杯をもう何年も見ている。でも他の試合でデビューできるだろうから・・・』

「デビューはどのようなものだと想像してる?」

『ホント信じられない瞬間だろうね』

「もしゴールを決めたりしたら・・・」

『その時はピッチに倒れこむと思うよ。ホントそうなってほしい!』

「韓国からバルサの動向はチェックしてる?」

『うん。ここからでも全試合をチェックできるんだ。本当にとてつもなく恐ろしいチームに仕上がってると思う。でも忘れちゃいけない。去年も相当に強かったのにタイトルを獲れなかったって事を。スタートは大事だ』

「でもライバルは多い」

『一番大事な事はジョバニと僕にチャンスが与えられたってことだ。で、僕らはプレシーズンでそのチャンスを活かし、自分達はバルサAにふさわしいと証明できたと思う。これからもっともっと頑張って、与えられた時間の中でアピールしてかなきゃいけない』

「チャンスは多く回ってくると思う?」

『どれぐらいプレーできるかは分からない。でも頼られてると分かって自信が沸いた。ハッキリしてる事はとてつもないフォワードが4人も居るってこと。少ししかプレーできなくても、そんな選手と一緒に練習したりプレーしたりしていろんな事を学べるだけでスゴイことだと思う。それに僕はまだ16歳だ。この年でこんな経験が出来るなんて自分ぐらいだろう。焦っちゃいけない。彼らが疲れたときにはチャンスは確実に回ってくる』

「ファンタスティック4はもちろんだけど、夢のフォワードを完成させるために君とジョバニの名前もみんな忘れてないよ」

『新聞で僕達のことが書かれているのを読んだ。それ自体は良いことだけで、でもどんなに誉められてもプレッシャーには感じない。僕はフットボーラーなんだからピッチに出れば、自分の好きなフットボールをプレーして勝つことだけ考える』

「U-17ワールドカップで優勝したらライカールトへ良いアピールになるんじゃないかな」

『そりゃね。でも別に優勝できなくてもどうってことはない。さっきも言ったように一番大事なのはフットボーラーとしていかに学び進化するかということだから。でもやっぱりどうせなら優勝して帰りたいけどね』

「得点王になって優勝したらさらに印象アップだ」

『最初のホンジュラス戦では2ゴールできる幸運に恵まれたけど、でもだからって得点王には縛られない。まずはチームが優勝してそれから個人の賞だ。この大会で優勝するためにここに来た。だからそれでいい』

「でも勝ち進めば進むほどカンプノウに戻るのが遅くなる・・・」

『それはそうだけど、U−17のヨーロッパの大会で優勝して今僕達はこのワールドカップを手にすることだけを考えてる。そのことに集中しなければいけないし、他の事は大会が終わってから考えるよ』

「チームは良いカンジ?」

『うん。ホンジュラス戦で簡単な試合はないってことが分かったけど、狙うは優勝のみだ』


早速ホンジュラス戦で2ゴールを奪ったボージャン。ゴールシーンはFIFAの大会公式ホームページで見れるから是非ご覧あれ。シリア戦でもゴールは無かったものの決勝点をアシストする活躍。そもそもボージャンが注目されはじめたのは1年前のこの大会。1年前だから15歳。ルクセンブルグ戦で途中出場ながらハットトリック。この頃からにわかにボージャンの名が世間にも知れ渡り始めた。そして今年バルサAで早くもリーガデビューする。


口ぶりからは普通の好青年ぶりが伺える。メッシーのように若くして変に悟ってる風もないし、もちろん驕ってる様子もない。シャビといいイニエスタといいボージャンといいマシアで育ったスペイン人は良くも悪くも妙にパンチ力が無いのは何かワケがあるの知らないけれど、それはあくまでピッチ外の話。ピッチに出ればただただゴールだけを貪欲に狙うストライカーと化す・・・だろう。だってまだプレーろくに見たことないんだもん。でも期待だけは十分に膨らんだ。


良くも悪くもカンテラの選手はバルセロニスタに必要以上に愛される。しかしここはバルサ。そんなファンの愛だけでプレーできるほど甘くない。バルデスもシャビもイニエスタもメッシーもみな実力で今のポジションを勝ち取った。ひいきはない。実力が足りないと判断されればあっさりと放出される厳しさもまたバルサイズムの一つ。ボージャンが戦う舞台はファンタスティック4という紛うことなく世界最強のフォワード陣が揃っている。でもバルサでチャンスを得るとはつまりそういうこと。メッシーは己の力で勝ち取った。ボージャンは如何に。

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                   こんな写真作って浮かれてる場合でもないでしょうに







さてさて。


開幕まで2週間に迫ったということでバルサのことでも考えて見る。


今シーズンはアンリを始めミリート、アビダル、ヤヤが加わってチーム力倍増!と楽観的な見方をすることも出来るが。それで終わった方が気も楽なのだろうけれど。なんでも色々と考えてしまう質で。で、色々考えてると今シーズンのバルサは随分と大変だということが分かってくる。


まずアンリ。自分のアンリに対する考え方は「非常に効果的な補強」だ。但し「使いどころを間違えなければ」という条件付き。巷でのアンリの評価はゴールも決めれてアシストも出来て何でも出来るオールラウンダーというものだろう。これは半分間違いで半分正解。ハイライトなんかでゴールラッシュしまくるアンリのプレーを見ると、こういう評価になる。でも自分は少し違うアングルからアンリを見てきた。ガナーズのライバル、ユナイテッドのファンとしてアンリを観察していると、アンリの評価は「大舞台に弱い選手」になる。ユナイテッドを応援する立場からガナーズを見てきてアンリを怖いと思ったことがない。何にもできないアンリをこれでもか!というほど見てきた。他のライバルとガナーズが戦う試合も見たが結局同じ。ライバルをぶっ倒してユナイテッドを楽にして欲しいのに、そういう試合に限ってへなちょこアンリ。昨季ユナイテッド戦でロスタイムヘディングで決勝ゴール奪ったが、あれは例外。キャラを守らず空気を読めないで奪ったゴールだった。ワールドカップでも同じ。日韓の時はノーゴールはもちろんウルグアイ戦で一発レッドで予選敗退。ドイツの時は1トップながらも決Tでは流れの中でゴールを決めれず。一番気張らなければいけない決勝戦では案の定消えていた。結論。アンリは大舞台では使えない。


にもかかわらず最初にアンリの補強は非常に効果的と書いた。これだけ大舞台で輝けなかったアンリだが評価は高い。もちろん理由がある。強豪相手には何も出来ないアンリだが。弱い相手にはめっぽう強い。「こいつらなら勝てる!」と確信した相手には情け容赦なくガンガン点を取る。その固め打ち姿の印象が良いので、結果アンリはスゴイ選手という評価になるわけだ。そしてこの弱い相手からガッツガッツ点を取れる特性はバルサに限らずどこでも有効。リーグで優勝するには弱い相手から確実に勝ち点3を取らなければいけない。少しの取りこぼしが致命傷。でもアンリが弱いものいじめ体質を活かして下位チームから効率的に点を取ってくれたなら。バルサの戦いは非常に楽なものとなる。が決して忘れてはならない。大舞台では期待してはいけないと。「使い方を間違えなければ」と条件をつけたのはこの点。大舞台での強さはメッシの方が格段に上。比較的弱い相手ではアンリを起用しREMを休ませ、ライバル相手では容赦なくアンリをベンチに置く。この起用さえ出来ればアンリは絶対に活きる。でも出来なければややこしいことになるだろう。で、実は自分はややこしいことになると考えている。






そんなアンリが加わって。よりパワーアップ!なんてことになれば苦労はないのだけれど。でも自分は今のバルサを見ていてもそんなに楽観的にはなれない。ファンタスティック4などといっておちゃらけてる場合じゃあない。今シーズンから向こう2,3年バルサはユナイテッドと同じぐらい、もしくはそれ以上の改革期を迎えるだろう。安定しているところといえキーパーのバルテスぐらいで。あとはどこもかしこも重大な変化が起きている。




まずは監督だ。ここは変化が起きなかったことが重要な変化と言うべきか。クラシコでギリギリ引き分けたときはライカールトの時代も終わったと覚悟したが、最後の最後でラポルタは踏ん張れた。当時ライカールトの更迭論が騒がれたが。自分はずっとライカールト続投派。根拠は「代わりがいない」から。ライカールトがだらしないから辞めろと言うのはとても簡単。でもじゃあ代わりは誰がいいのか。語れた人は少ないだろう。バルサは珍しいアイデンティティーを持ったクラブなわけで。ボールキープを重視し、勝つだけではなく楽しいフットボールが求められる。出来るなら3トップでウイング使った方が望ましい。カンテラも重用しなければならない。要求される条件は世界一。どっかの白いクラブのように勝てるなら誰でもいいってわけじゃないのだ。この条件に当てはまるトップはもちろんクライフ。しかし1996年にクライフを振って以降バルサはずっとピッタリの監督を見つけられなかった。レシャック、ロブソン、毒チューリップ、フェレール、アンティッチ。どれもみんな失敗した。結果を残した監督も中に入る。しかしバルサのアイデンティティーを体現することは出来ず、結局追い出された。そして苦節7年、ようやく見つかったライカールト。久々に、本当に久々にバルセロニスタは心躍るフットボールを拝むことが出来た。こんなにバルサらしさを表現できる監督をたった1シーズンの失敗で追い出すなんてもってのほかだ。もし追い出せばバルサはまた暗黒時代に突入するかもしれない。追い出すなら追い出すで、ライカールトの後を継ぎバルサイズムを保てると信頼できる人物が見つかってからの話だ。そんな人物が見つかるかどうかがまず問題だけれど。だが今シーズンもダメなら世論により間違いなくライカールトはバルサを去る。だから今シーズンのもつ意味は大きい。




次はディフェンス。昨季はマルケスが安定を欠き、オレゲールはいつまでたっても並、唯一使えるテュラムだが、歳を考えると三番手が適当。状況を改善するためにガブリエル・ミリートがやって来た。プジョルは不動。つまりマルケスが危ない。渋いディフェンスと展開力で不動の位置を築いてきたマルケスだが、遂にその座がぐらついた。が、昨季のプレーを見るとこの処置は致し方のないものだろう。正直甘えが見えた。マルケスをさらに刺激する意味でも競争は必然。プジョルの相棒は誰になるのか。この戦いは大きくバルサを左右する。


アビダルがやって来たが、これはジオの代わりで大した変化ではない。でもえらく簡単にジオを手放してしまったもんだ。ジオ好きだったのに。クラシコとか考えると断然ジオでしょ派の自分。昨季も大したミスはなかった。でもあっさり放出するバルサ。ラポルタは相も変わらず鬼畜。でもそのおかげで強くなれたバルサ。えぇ、勝利の味は格別ですよ。何も文句は言いません。勝ててる限り。




お次は中盤。ここが一番大きく変わった。守備の要であるボランチにヤヤ・トゥーレという選手が加入。周りの評価は「フィジカル強し」。一時期はアルベルダという話もあったが。常に動き回りボールを奪取することが第一のボランチに技術、経験の選手よりフィジカル重視の選手を持ってきたことは好判断だと考える。フィード力も大事だけど。実際ヤヤもボール捌けるという話を聞くし。でもこのポジションで一番やって欲しいのはプレスの中心となるべくまず走って走って走り回ること。ボールはショートパスさえ出来ればそれでいい。ヤヤは第一印象はピッタリ。でも本当に期待通り出来るかは別の話だ。ヤヤが上手く行くかどうかでバルサの完成度がまるで違ってくる。REMで完成していた前線にアンリがやって来たことなぞとは比べ物にならない大きな変化だ。


ボランチの前のセンターハーフにも大きな変化が。イニエスタが8番を背負い、今季は中盤の中心選手となる。これまで中盤はデコ王子とお付のシャビとイニエスタの領地だったが、イニエスタが出世し身分は同等、もしくはイニエスタの方が大きくなった。これまでは中盤の攻撃と守備の牽引役だったデコが、今季からはイニエスタとシャビの裏に回ることも多くなると見る。デコにはデコにしか出来ない働きが出来、バルサには必要不可欠。これは間違いない。だが問題はデコが陽の下の役割を気持ちよく引き受けるかどうか。イニエスタとシャビの陽の部分とデコの陰の部分で支えるというのはデコにはピッタリなのだが、いかんせんその渋さの割には日の当たる場所でずっと暮らしてきたのでこの生活をガマンできるかが心配。早速チェルスキーと接触しているという噂も沸いてきた。デコもかつての恩師の下でプレーできたらいいみたいなことを言っていたという記事も見た。ここ3年バルサを支え続けてくれたデコだが。開幕を待たずしてサヨナラという話もないわけではない。




最後はフォワード。ここでの一番の変化はやって来たアンリでも去ったジュリーでもない。そういやサビオラも去ったな。まあこんな男もうどうでもいいけど。


話を元に戻して。アンリは前に話した。ジュリーは残念だけど昨季のプレーでは放出されても仕方ない。しかもさっきも言ったように会長は鬼畜ラポルタ。グディやエスケーロも去ることになるのかな。でも二人とも去っても問題はないと思う。ジュリーよりグディよりエスケーロよりよっぽど重要な選手がバルサAにやってくる。これこそがフォワードにおける最大の変化。ジョバニ、そしてボージャン。この二人をどうするのか、この二人がどうなるのか、これが今後のバルサを大きく変える。ジュリもグディも昨季は不合格だった。不合格の選手に今シーズンもチャンスを与えるなら、もっと未来のある選手にチャンスを与えた方がいい。アンリも獲って確実に計算できる選手が4人になったのでこういった冒険もしやすくなった。そしてもしこの二人がチャンスを活かし、結果を残せたなら。またそこから大きな変化が生まれる。それはジーニョとエトーの未来。ボージャンがセンターフォワードとしてガンガンゴールを奪えるならエトーの存在が希薄になる。ジョバニがウインガーとしてサイドを切り裂きまくれるなら、ジーニョの存在が希薄になる。バルサはカンテラをアイデンティティーとしている。ジーニョもエトーも最近バルサといざこざが絶えない。この二点を鑑みるとジョバニとボージャンの出来が非常に大きな意味をもつことが分かる。







チームのほぼ全箇所で大きな変化があり、これらが重なって大きな流れとなってバルサは重大な転換期へと向かう。しかしよく見てみると変化が起きている場所にはある共通点を見つけることが出来る。昨季のバルサを見ていて感じたのは「驕り」。二連覇&欧州制覇に満足してしまったか、勝ちたい気持ちが薄かった。ふぬけたプレーが多かった。中には明らかに手を抜いてプレーする輩が見受けられた。中南米系の選手に特に。だからマルケスのところにはミリートとヤヤがやって来たし、デコのところにはイニエスタがあてがわれたし、ジーニョのところにはアンリがやって来た。決して偶然ではない。


クライフは昨季一つのサイクルの終わりと言ったが、その予想は一シーズン早かった。ジーニョを中心にダービッツが流れを変え、デコ、エトー、ジュリー等が固めた今のバルサ。以前は外から来た選手がバルサを支えたが、次第にイニエスタ、メッシー等内から中心となる選手が現れだした。そして新星ジョバニ&ボージャン。バルサの新時代はカンテラが名実共に築き上げていくのかもしれない。ヤバイ、しびれすぎる。今季メッシー、ボージャン、ジョバニのトリデンテが見れたらそれだけで痺れ死しちゃうかも。BGM?それはダサいか。


とまあ最後は少し夢想してしまったが。バルサが今季で大きく変わるのは間違いない。アンリなんかで浮かれてる場合じゃないっすよ、と簡単にまとめればそういう話。

無知を恥じる

以前ブログでバルサのイムノは1975年フランコが死去してから作られた。それはフランコのカタルーニャ弾圧のキツさを表している、と書いたことがある。だからバルサのイムノの中にある「誰も我々を屈服させることは出来ない」という言葉にはフットボールの勝負上の意味ではなく、文化的というか民族アイデンティティー的なことも含意されているのだと、書いたことがある。


でもこの前ふとバルサの公式ホームページを訪ねてみてリニューアルされてから更新された「イムノ史」の項目を見た際、上記の情報が一部間違っていたことが分かった。フレーズに含まれている意味等に間違いはなかったんだけど、イムノが作られた状況がいささか違っていた。詳しい確認もせずに間違った情報を載せてしまったことを深く恥じ、今回はバルサの公式ホームページが語るイムノ史を紹介していきたいと思います。






まず今のバルサのイムノがはじめて発表されたのは1974年11月27日。フランコが死ぬ1年前だ。クラブ創立75周年を記念して作られた。その日の試合前に3600人のコーラス隊、指揮者オリオル・マルトレィによって演奏された。作詞家はジョセップ・マリア・エスピナスとジャウメ・ピカス、作曲家はマヌエル・バウス。小気味いいリズムとバルセロニズム、カタルーニャ社会に同化したいと願う人々を歓迎する精神、どんな社会の中にもバルサは存在しなければいけないというバルサの精神を的確に表現した歌詞で一気にバルサのファンの間に浸透した。


現在のイムノははじめてのイムノだと思われがちだけれど(実際自分が間違った情報を手に入れたサイトではそう書かれていたと記憶している)、実はそうではない。最初のイムノは1923年2月18日に作られた。歌詞の内容はカタルーニャ・フットボールがガンペールがなした貢献に対し敬意を表するものだった。当時としては誇張された歌詞で、特にスポーツと愛国心の関係を強調していた。


その後1949年、50周年を記念して「バルセロナ、常に前へ!」(原題:” Barcelona, sempre amunt!”)が作られた。フランコのカタルーニャ語弾圧政策は始まっていたのにカタルーニャ語で書かれている。


1957年3番目のイムノ「スタジアムのためのイムノ」(原題:”Himne a l'Estadi'”)がこれまたカタルーニャ語で作られた。初めて歌詞の中にバルサという単語が現れた作品。1957年といえばカンプ・ノウが完成した年。イムノの名前からも分かるようにスタジアム誕生を記念して作られたイムノのようだ。


そして1974年今のイムノが作られる。このイムノの人気がすごいので、過去のイムノはすっかり忘れ去られてしまったらしい。だから今のイムノがバルサ初めてのイムノだというような話が出てくるようだ。






ということで。ちなみに過去のイムノは全てバルサ公式ホームページで無料で聴くことが出来るので、興味がある人はぜひhttp://www.fcbarcelona.com/web/castellano/club/historia/simbols/himne.html。最近諸事情によりこういったクラブの歴史とかそういうものに関する読み物を読まなければいけなくなっている。すっかり備忘録となったこのブログを活かして、面白そうなことなんかがあればまた色々と書き足していこう。

ケ・セラ・セラ

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                              戦った男の背中







対ヘタフェ戦。結論から先に言うと、自分はこの試合を見ている間、ずっと泣きそうだった。こんな感覚は長い間フットボールを見てきた中で一度も無い。バルサに情けなくなったわけではない。あれほど気持ちを込めてプレーしたバルサに感動したわけでもない。言葉で表すのは難しいけれど、別れを前にした時のような、シーズンが終わればもうこんなバルサには会えなくなるのかな、みたいなそういう悲しさになぜか包まれた。


ベティス戦を機にバルサは生まれ変わった。それまでの傲慢で尊大なバルサから。俺たちはリーガの覇者で欧州王者なのだぞ、と。別にそれが誇りとなっていれば問題は無い。しかしバルサのいくらかの選手はこの栄誉のために勘違いしてしまっていた。シーズン序盤中途半端に調子が良かったのも今考えれば良くなかった。ライバルのメレンゲスが調子が悪かったのも今考えれば良くなかった。エトーとメッシーが長期離脱しても普通にセビージャと優勝争いを繰り広げられた、というのも今考えれば良くなかったのかもしれない。「なんだ、やっぱりバルサはやれるじゃないか」その状況が勘違いを増加させることとなった。転機は覚えている。クリスマス休暇だ。練習にわざと遅れてくる選手たち。ろくにコンディションを整えられずに情けない試合を繰り返した。だがそんな状況もエトーとメッシーが帰ってくれば好転するさ、と考えた。でも違った。敵は思わぬところからやって来た。最初はスゴイと思った。心の底から思った。まさかあのロマレダで。でも違った。最初の1回だけだった。あとは失敗だらけだった。でも失敗したならまた元に戻せばいい。でもなぜか戻らない。なぜか来る日も来る日も3−4−3。挙句ホームのクラシコでまさかの引き分け。この時ばかりは擁護派の自分も殺意を覚えたほどだった。しかもあのおっさんはクラシコの引き分けにめげずもっかいロマレダで敗北。ここらへんからにわかに悪夢が現実味を帯び始める。あのブラジル人が調子を取り戻す気配も無い。自身は「ワールドカップの疲労のせいだ」と言っていたが、ろくに練習もしない男がそんなことを言う資格は無い。そんなダメダメバルサに最後の鉄槌二連発。ヘタフェで屈辱の4−0。ベティス戦では先制するも最後まで追加点を奪えず、でも終わりが見え始め油断したところでドーン。後半戦ずっと死守してきた首位の座をあろうことかメレンゲに奪われた。


だけど今ではそれで良かったのだと思ってる。やっと生まれ変われたんだから。いや、生まれ変わったというのは正しくないかもしれない。本来のバルサに戻れたといった方がいいだろう。なぜこのバルサをもっと前から見せれなかったんだろう、と今から考えても意味は無い。大事なのはバルサが元に戻れた、復活したという事実なのだから。これまで何度も「復活したか?」という試合は見てきたが、長続きすることはなかった。でもある確信がある。これは本当の本当に復活だ。


だがこの復活はただ単にバルサが元に戻った、というだけではない。みんながみんな誰一人欠けることなく気持ちを込めてプレーしている。もちろんこれは一つでも負ければ優勝がほぼ絶望的になるという追い詰められた状況がそうさせている、ということもあるだろう。でも自分は選手の漲る気合のウラに「負けられない」という気持ちの他に「思い出に残るような試合をしよう」という気持ちを感じ取った。今のメンバーでプレーできるのはあとわずか。シーズンが終われば恐らくこれまで以上に別れのある夏になるだろう。サビオラやエスケーロだけではない。もしかしたら出っ歯やいらんことペチャクチャ喋るトラブルメーカー、ドレッドヘアの監督ともさよならすることになるかもしれない。なのに最後の最後情けない試合をしていてはダメだ。グダグダのまま終わって悔いを残すようなことはあっちゃいけない。俺たちはやれるんだ、強いんだ、ということをしっかりと証明して、そして別れの夏を迎えよう、と。例えるなら甲子園を見ているよう。「この大会が終わればもうみんなと一緒にプレーは出来ないんだ、だからこそ悔いの残らない試合をするよう頑張ろう」とそんな感じが漂ってくる。だから自分はこのバルサを見ていると泣きそうになってくる。


だから最後までみんなでプレーしたかったけど、同時に負けられない試合でもある。そんな気合の入りすぎた試合はジーニョにはある意味一番似合わない。笑顔が世界で一番似合う男には、終始体中を刺すような空気が漂う試合は似合わない。ちょっと敵に突っかけられて足を出してしまい一発退場。でも自分はそんなジーニョを見てまたしても泣きそうになってしまった。あのジーニョがあんなにも勝利を欲している。みんなとプレーしたがっている。あんなに貪欲なジーニョは初めて見た。もうそれだけで満足。あれはただの不可抗力だ、気にするな。そんな気持ちを選手たちも共有している。だからバルサは砕けない。ベティス戦では最後の最後でやられたが、何度もいうようにあの時のバルサと今のバルサは全くの別物。ジーニョがいなくたって誰もひるまないし、もちろん気も抜かない。


ジーニョに加えてエトーもイエローをもらってしまい、2人が出場停止。でもなんら気にすることはない。というかぶっちゃけ予定調和と言って過言じゃないだろう。残りの試合は思い出作りの試合でもあると書いた。バルサを支えたみんながプレーしなくちゃ意味がない。今ここまでバルサが競れているのはある意外な男の活躍があったからだ。ハビエル・サビオラ・エル・コネホ。この男の存在を忘れてもらっちゃあ困る。このままフェードアウトしちゃいけない。そんな状況下で回ってきたチャンス。これを偶然で片付けるのはいささか安易というものだろう。おそらく次のエスパニョール戦がサビオラにとってバルサでの最後の試合。有終の美を飾ってもらうという意味でもエトーの出場停止はある意味必然だったのだ。


ジーニョの穴もジュリー、もしくはイニエスタで埋められるだろう。普通に考えたらジュリーか。ここ2試合でイニエスタがベンチにいるには理由がある。何度もイマイチ機能しないって言ってたチビッコ3銃士にようやくライカールトが見限りをつけれたというのももちろんあるけれど、一番の理由はイニエスタのスーパーサブに期待してのことだと考える。早い話がなぜバルサが去年パリでガナーズに逆転できたのか、ということ。シャビじゃ途中出場で流れを変えられない。バルサをピンチから救いうるのはヒロイズムを背負うイニエスタだけだ、というわけだ。だからエスパニョール戦でもイニエスタをベンチに置いておきたいと思えばジュリーが、いや、ジーニョがいない状況で確実に勝つには最初からイニエスタの力が必要と考えたのならイニエスタがウイングに入ることになるだろう。






正直な話を言わせてもらえば自分はバルサの優勝を微塵も疑っていない。最終戦での逆転優勝はなんてったってバルサの十八番。クライフ政権2年目では最終節でメレンゲが負けて、バルサが勝って逆転優勝。クライフ政権3年目でも最終節でメレンゲが負けて、バルサが勝って逆転優勝。またまたクライフ政権下の4年目ではこれまた最終節でデポルが引き分け、バルサが勝利で逆転優勝。歴史的にバルサはこのようなことを成し遂げてきたクラブであるということ。加えメレンゲに失点が目立つのも自信を確信へと変える。バルサは生まれ変わる前から完封試合は多い。しかしメレンゲは7試合連続失点中。残り試合は全てカタルーニャ州で行われるというのも意味深じゃあございませんか。バルサの劇的逆転優勝の段取りは着々と進行中というわけ。ただ唯一気掛かりなのはジーニョの出場停止試合数。なにやら2試合になるという話もあるとかないとか。今バルサは壮大なるドラマの主役を演じている。なのにバルサにとってあろうことか絶対に欠かしちゃいけない10番が最後の試合に出られないとなると、筋書きもいくらか変わることになるだろう。そんなことがあってはならない。メレンゲの圧力に屈せずちゃんと空気を読めよ、LFP。


ということで。今のこのバルサの状況は今思えばなるようになったのだろう。ぶっちゃけると今シーズンのバルサのプレーは優勝に値するものか、というのはずっと頭の中にあった。あのままずるずると優勝してしまうよりもガッチガチに競って競って、そして競り勝ってこその優勝。うんうん、これでいい。

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