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さてさて。 建設50周年を記念して改築が予定されているカンプノウ。先日その外観が発表された。決定についてはコンクールが行われたそうで。カンプノウの設計が出来るんだからさぞかし競争も激しかったろう。そしてその競争を見事勝ち抜いたのはノーマン・フォスターという御方。 マンチェスター出身のフォスターさん。1990年にはナイトを叙勲されているのでサー・フォスターと呼ぶことにしよう。詳しくはウィキペディアのリンク貼っておいたのでそこでご覧になってほしいが、これまで大英博物館、ドイツの国会議事堂等数々の建築物を手がけているし、なんとあのワールド・トレード・センターの跡に建築予定のタワー2も担当するとのこと。フットボールの聖地ウェンブリーの改修も手がけた。そんな御方がカンプ・ノウの改修してくださる。うーん、なんだかスゴイことのような気がしてきたぞ。 そんなサー・フォスターが発表したノウ・カンプノウの完成予定図がこちら。 おおおおおおおーーーーーーー。素直に「おー」という声が出た。正直ケバイ気もする。派手。派手。あまりにも派手。だが忘れてはいけない一つの事実。ノウ・カンプノウが座する地はバルセロナなのだ。ロンドンやミラノ等にこんな建物がドン!と建ったなら、さぞ浮くことだろう。でもそこはバルセロナ。あのガウディさえも受け入れた土地。FCバルセロナ単体でこのノウ・カンプノウを受け入れたのなら、その派手さに押し潰されてしまいそうだが、芸術の都バルセロナ、その一部としてならこのノウ・カンプノウもすんなり馴染みそうではある。 しかし問題もあるそうで。400億は下らない建築予算の捻出。ラポルタの計画ではミニ・エスタディを売り飛ばし、そこにマンションを建ててなんとかしようという算段だそうだが、それが上手くいってない様子。どうやらこのミニ・エスタディ売却計画の裏にはラポルタのバルサ独占欲があるようで。要するにラポルタは自身が就任する前に建てられた建物があるのが気に食わないのだ。だからミニ・エスタディは売却したいし、カンプノウやパラウ・ブラウグラーナ(バスケットやフットサルの会場)を改築したがる。当然一部のファンは反発するし、マンションの建築にはバルサに関係なく周辺住民の承認も必要と課題は山積。 自分はラポルタのこの姿勢は嫌いじゃない。エゴイスト。就任直後は自分の来る前に加入したカンテラ以外の選手を次から次へと粛清した。とうとうユニフォームにスポンサーも入れた。それも他のクラブは真似できないやり方で。そして今度は莫大なお金をかけてカンプノウの改造というわけだ。野望に必要だからとカンテラの聖地であるミニ・エスタディを簡単に売り払おうとする。バルサ史に次々とラポルタの名前が刻まれていく。だからこその改革。だとすればあまりにエゴイスト。しかしこのエゴイストが単なるエゴになってないのがラポルタの凄いとこ。一見エゴに見えるこれらの動作は、一歩引いて客観的に見てみると非常に合理的かつ経済的。在来選手の粛清は不良債権の処理に繋がったし、カンプノウ改築は入場料収入の増加はもちろん、話題づくり、クラブイメージ上昇に貢献する。ミニ・エスタディ売却はシウダ・デポルティーバの有効活用に繋がる。 ラポルタの行為には情がない。でもだからこそバルサは短期間で劇的に成長することが出来た。もちろんその代償として色々なものを失ったし、これからも失っていくのだろうけれど、しかしフットボールがビジネス面でこれだけ肥大化し、かつバルサが常勝を定められたチームである以上これらは避けられるものではなかっただろう。情に棹せば流される世界。だから自分はラポルタの非情を責めることができない。 そんなラポルタの下、ノウ・カンプノウ計画は着々と進行していく。予算の問題もラポルタならなんとかするはず。ラポルタだからこそなんとか出来るはず。必要とあらば軽々とミニ・エスタディを売り払い、周辺住民もお得意の弁舌で説き伏せるだろう。立ち止まってはダメ。引いちゃ終わり。ラポルタはそれをちゃんと分かっているし、それを実行する力強さも持ち合わせている。
とまあなんか難しい話になってしまったけれど。今はノウ・カンプノウの完成をただ単に楽しみにしておこう。いろんな意味で歴史的な建築物になるに違いない。 |
FCB
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焦らずじっくり、それでいて力強く さてさて。 とうとう今日開幕するリーガ・エスパニョーラ。バルサに関するニュースは芳しくないものばかり。もうなじみとなったFIFAウイルスのせいで主力のほとんどが代表招集。エトーなんかは1ヶ月で二度も訪日するハードスケジュールだ。おまけにプジョルの怪我はまだ治ってないし、エジミウソンとグジョンセン、テュラムも怪我。ジョバニのスペイン国籍も8月28日で開幕には間に合わず。もう一人の新星ボージャンも今は韓国でスペイン代表のユニフォームを着て戦っている。 ボージャンが戦っている大会はU-17ワールドカップ。改めてボージャンの若さには驚かされる。生まれた年が1990年だもんなぁ。誕生日が8月28日だからもうすぐで17歳。つまり17歳でバルサAデビューすることになる。メッシーがリーガの公式戦に初出場したのは17歳3ヶ月22日。この記録をボージャンは抜くことが出来るのか。今日は今韓国で頑張ってるボージャンのインタビュー。 (「」がインタビュアー。『』がボージャン) 「ホントはサンタンデール戦に出場したかったんじゃないの?」 『この大会に召集されたときは、大事な1ヶ月をバルサのみんなと過ごせないのはもちろん、貴重なプレーできるかもしれない時間を失うのは嫌だと思った。でも今はここ韓国でU-17ワールドカップに集中してるよ。そりゃ、サンタンデールでプレーしたかったさ。でも実はガンペール杯の方が楽しみだった』 「キミのカンプノウでのデビュー戦になるはずだったからね」 『そうさ。小さい頃からバルサのクレで、ファンへの発表会であるガンペール杯をもう何年も見ている。でも他の試合でデビューできるだろうから・・・』 「デビューはどのようなものだと想像してる?」 『ホント信じられない瞬間だろうね』 「もしゴールを決めたりしたら・・・」 『その時はピッチに倒れこむと思うよ。ホントそうなってほしい!』 「韓国からバルサの動向はチェックしてる?」 『うん。ここからでも全試合をチェックできるんだ。本当にとてつもなく恐ろしいチームに仕上がってると思う。でも忘れちゃいけない。去年も相当に強かったのにタイトルを獲れなかったって事を。スタートは大事だ』 「でもライバルは多い」 『一番大事な事はジョバニと僕にチャンスが与えられたってことだ。で、僕らはプレシーズンでそのチャンスを活かし、自分達はバルサAにふさわしいと証明できたと思う。これからもっともっと頑張って、与えられた時間の中でアピールしてかなきゃいけない』 「チャンスは多く回ってくると思う?」 『どれぐらいプレーできるかは分からない。でも頼られてると分かって自信が沸いた。ハッキリしてる事はとてつもないフォワードが4人も居るってこと。少ししかプレーできなくても、そんな選手と一緒に練習したりプレーしたりしていろんな事を学べるだけでスゴイことだと思う。それに僕はまだ16歳だ。この年でこんな経験が出来るなんて自分ぐらいだろう。焦っちゃいけない。彼らが疲れたときにはチャンスは確実に回ってくる』 「ファンタスティック4はもちろんだけど、夢のフォワードを完成させるために君とジョバニの名前もみんな忘れてないよ」 『新聞で僕達のことが書かれているのを読んだ。それ自体は良いことだけで、でもどんなに誉められてもプレッシャーには感じない。僕はフットボーラーなんだからピッチに出れば、自分の好きなフットボールをプレーして勝つことだけ考える』 「U-17ワールドカップで優勝したらライカールトへ良いアピールになるんじゃないかな」 『そりゃね。でも別に優勝できなくてもどうってことはない。さっきも言ったように一番大事なのはフットボーラーとしていかに学び進化するかということだから。でもやっぱりどうせなら優勝して帰りたいけどね』 「得点王になって優勝したらさらに印象アップだ」 『最初のホンジュラス戦では2ゴールできる幸運に恵まれたけど、でもだからって得点王には縛られない。まずはチームが優勝してそれから個人の賞だ。この大会で優勝するためにここに来た。だからそれでいい』 「でも勝ち進めば進むほどカンプノウに戻るのが遅くなる・・・」 『それはそうだけど、U−17のヨーロッパの大会で優勝して今僕達はこのワールドカップを手にすることだけを考えてる。そのことに集中しなければいけないし、他の事は大会が終わってから考えるよ』 「チームは良いカンジ?」 『うん。ホンジュラス戦で簡単な試合はないってことが分かったけど、狙うは優勝のみだ』 早速ホンジュラス戦で2ゴールを奪ったボージャン。ゴールシーンはFIFAの大会公式ホームページで見れるから是非ご覧あれ。シリア戦でもゴールは無かったものの決勝点をアシストする活躍。そもそもボージャンが注目されはじめたのは1年前のこの大会。1年前だから15歳。ルクセンブルグ戦で途中出場ながらハットトリック。この頃からにわかにボージャンの名が世間にも知れ渡り始めた。そして今年バルサAで早くもリーガデビューする。 口ぶりからは普通の好青年ぶりが伺える。メッシーのように若くして変に悟ってる風もないし、もちろん驕ってる様子もない。シャビといいイニエスタといいボージャンといいマシアで育ったスペイン人は良くも悪くも妙にパンチ力が無いのは何かワケがあるの知らないけれど、それはあくまでピッチ外の話。ピッチに出ればただただゴールだけを貪欲に狙うストライカーと化す・・・だろう。だってまだプレーろくに見たことないんだもん。でも期待だけは十分に膨らんだ。 良くも悪くもカンテラの選手はバルセロニスタに必要以上に愛される。しかしここはバルサ。そんなファンの愛だけでプレーできるほど甘くない。バルデスもシャビもイニエスタもメッシーもみな実力で今のポジションを勝ち取った。ひいきはない。実力が足りないと判断されればあっさりと放出される厳しさもまたバルサイズムの一つ。ボージャンが戦う舞台はファンタスティック4という紛うことなく世界最強のフォワード陣が揃っている。でもバルサでチャンスを得るとはつまりそういうこと。メッシーは己の力で勝ち取った。ボージャンは如何に。
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こんな写真作って浮かれてる場合でもないでしょうに |
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以前ブログでバルサのイムノは1975年フランコが死去してから作られた。それはフランコのカタルーニャ弾圧のキツさを表している、と書いたことがある。だからバルサのイムノの中にある「誰も我々を屈服させることは出来ない」という言葉にはフットボールの勝負上の意味ではなく、文化的というか民族アイデンティティー的なことも含意されているのだと、書いたことがある。 |
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戦った男の背中 |



