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今考えれば・・・なぜあんな高級なすき焼きの店に行ったのか覚えてませんが。
それは俺が20歳になるかならないかの頃の話です。
おそらく新宿で買ったスピード宝くじで10万円が当たって、友人数人に何かおごるつもりだったのでしょう。
そもそも子供の頃に家で食べていたすき焼きというものは豚肉や白菜を使っていたので、初めて東京で食べた「本物のすき焼き」に感動し、また食べたい!そしてさらに高級なものを食べたい!って思ったのでした。
それまでの常識だった豚肉も白菜も使わない、牛肉とシイタケ、焼き豆腐、しらたき、長ネギ、春菊だけのすき焼き、しかも甘辛い割下。
初めて食べた東京でのすき焼き。それは上野の駅前にある「すき焼き&しゃぶしゃぶ食べ放題」でした。すでに東京で働いていた兄に連れて行ってもらったのです。
そんなに高い牛肉ではなかったと思いますが、初めて食べた牛肉のすき焼きが恐ろしく美味しかった、そして衝撃でした。
そんな俺が大金を手にし、友人たちを連れて行った店・・・それは「東京ですき焼きといえば浅草○半」と言われるほど超有名かつ超高級な店でした。
でも俺たちは無言で店をあとにしたのです。たぶん二度と来ないだろう。
味は?そりゃあ「すき焼きといえば浅草○半」と言われるくらいです。美味しかったんでしょう・・・ほとんど覚えていません。
岩手をはじめ新潟、奈良から上京した俺らは生粋の「田舎者」。
店に入って座敷に案内され、「ご注文はいかがいたしましょう」と聞かれ、「すき焼きを3人前」と答え、すき焼きが出てくるまでの数分間が俺らのリラックスしたひと時でした。
「いいのかなぁ?俺らみたいな若造がこんな店に来ちゃって」とか、
「初めてだよ!こんな高い食べ物食うの!」とか。
ところが、鍋や材料を運んできた仲居さんは俺らの前から立ち去ろうとしません。
そのまま菜箸を使いすき焼きを焼き始めたのです。
『え!もしかしてこのままここにいるのか?』
それまで和気あいあいだった俺らのテーブルは、緊張のあまり凍りついてしまったのです。
「お肉が焼けましたのでどうぞお召し上がりください」
「は、はい!」
「お肉をお召し上がりいただけましたらお野菜を入れますね」
「は、はい!」
「いかがですか?お肉は松坂のものをご用意いたしましたが」
「と、とっても美味しいです!そ、そういえば○○、お、お前確か、な、奈良出身だったなぁ?み、三重県のと、隣だろ?」
「あらぁ!そうなんですかぁ?」
「は、はい!み、三重のと、隣です!で、でも、ま、松坂う、うしは、た、食べたことは、あ、ありません!!」
そりゃ味なんて覚えてるわけないですよね(笑)
自分たちでワイワイ作ってワイワイ食べるような店じゃなかったんですから。
結局最後まで仲居さんは俺らのそばにいるので、俺らは最後まで緊張しまくっていたのでした。
今なら色々と会話もできるだろうけど、和服姿のキレイな女性に給仕された若干ハタチの3人組。
場違いも甚だしいでしょ(笑)
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「食」のひとりごと
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あまりスーパーでは見かけない魚の「イサキ」です。
刺身にすると美味しい魚ですが、釣りで人気の魚でもあります。
若い頃、会社の先輩に連れられて千葉県の勝浦という所に船釣りに行きました。
「知ってるか?イサキ」
「いえ、知らないです」
魚屋で育った俺だけどイサキなどという魚を店で売ったことも食べたこともない。
「刺身にすれば美味いんだ!」
サビキという仕掛けで釣るんです。1本の仕掛けに数本の針がついているんです。
餌は直接針につけず、仕掛けの上(海面近く)にコマセ籠という小さなエビを入れるカプセル状のものを取り付け、竿を上下に振ることでコマセ籠から餌が出る仕組みなのです。
初めてのイサキ釣りでしたが、釣果は・・・大漁!
外道(目的以外の魚)もほとんどかからず、イサキだけ50本以上でした!
さてと、釣れたはいいけど、ひとり暮らしの俺にこんなに大量のイサキは要らないし・・・せいぜい3〜4本もあればいい。
沖合に出た釣り舟は乗り合い船といって、10人くらいの釣り人たちが乗っています。
料金は貸し竿や仕掛け、餌代込みでいくら、って感じで船長さんに支払います。
その時は確か\3,000くらいだったかも。
大型のクーラーボックスいっぱいのイサキを抱え港に帰港しました。
すると、港には数人の男たちが我々の船を待ちうけていました。
どうやら釣り人が釣った魚を買い取る業者らしく、次々と「イサキ釣れたかい?」と声を掛けてきます。
ほとんどの釣り人は無視してますが、俺は聞きました、
「このクーラーの中全部でいくらくらいになるの?」
「おお!大漁だね!これだと\5,000くらいだね」
「売った!」
船代、港までの高速代、ガソリン代、昼食代すべてチャラだぁ!
帰りの車の中で先輩に言われました、
「お前、自分で食べる分まで売っちゃったの?」
「あ!」
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秋のきのこネタついでにもうひとつ・・・
これは「香茸(こうたけ)」というきのこです。地元では「いのはな」と呼びます。
見た目はかなりグロいですけど、名前の通り素晴らしい香りがする貴重なきのこです。
生で食べることもできますが、地元ではもっぱら干してから調理します。
炊き込みご飯などにすれば、それこそマツタケご飯や舞茸ご飯を凌駕するほどの美味さ!
野生のきのこって1個(1株)見つければ、わりとすぐそばにもいっぱい生えていることが多いです。
さて、これは小学校高学年のある秋のこと・・・
秋の遠足で「滝」で有名なとある場所に行きました。
グループごとにカレーやら豚汁などを作って食べ、あとは帰るまで自由に過ごしていました。
じつはこの「滝」がある場所。春は山菜、秋はきのこの宝庫でして、小学生の俺でもその事実は周知しておりました。が、両親に付いて行くだけの俺だったので、この滝がある山に入ったことはありませんでした。
すると担任の男性教諭。山歩きの装備でこっそり山の中に入っていく姿を見つけてしまいました!もちろん好奇心旺盛な俺はジャージ姿のまま後を追いました。
「ダメダメ!そんな恰好で山の中に入っちゃ!」
担任に叱られた俺はしぶしぶ引き返しましたが、俺は知ってるんです。
危ないからとかケガを心配してるからという理由で俺を追い返したのではなく、きのこの山の場所を俺に知られたくなかったからだと(笑)
案の定、担任は抱えきれないほどの香茸を持ち帰りました。
同級生たちは知りません、この香茸がどれほど貴重なきのこなのかは。
「うぇぇ!なんだこれ!」「気持ち悪りぃ!」「先生、どうすんの?これ」
「やっぱりな・・・」
俺は悔しくて悔しくて・・・
家に帰ってすぐに両親に報告したのは言うまでもなく、翌年、3人で大量の香茸を担任に先駆けて収穫したのは、担任に対する俺なりの抵抗だったかな?(笑)
ちなみにこの香茸、先日産直で3本で\1,800で売ってました。
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ごぶさたいたしております。
食欲の秋なので・・・
新しく「食」に関するエッセイなどを書き綴る書庫を設けました。
第1弾として、秋といえば「きのこ」。
マツタケやしめじなど日本を代表するきのこは数あれど、やっぱり山で見つけた時の驚きようは「思わず舞い踊る」と称される「舞茸」ではないかと。
ふだんスーパーで売られる舞茸はパック詰めされたものがほとんどですね。
しかも工場で作られた栽培もの。
天然の舞茸って、こんな感じで大きい株で生えています。
たまに山間の産直などで天然ものが売られていますけど。
俺がまだ小学校に入る前のこと。
両親は山歩きが好きで、この季節の日曜などはほぼ毎週のように「きのこ狩り」に出かけます。いくつかの「山」を縄張りとして持ってるのです。(もちろん勝手に山に入るので他人の山ですが 笑)
いわば「競争」なのです。去年の日記を見て『例年なら今週末あたりだけど、天気が良くなかったから今年は遅いかも』なんて話し合う姿は、それこそ恒例のものでした。
そんなある日、早朝から山に出かけ、舞茸をはじめ「栗茸」「ほうき茸」「むらさきしめじ」など沢山のきのこを持って帰ってきました。
中でも舞茸の株の大きさといったらとんでもないものでして。
両手で抱えないと持てないほどでした!直径50センチはあろうかというほど。
持ち帰ったきのこは枯葉や木の枝などが混じっているため、きれいに取り除き料理しやすい大きさに分けます。
すると庭先で作業していた母親が突然「ギャー!!」と叫びました。
あわてて父親とともに駆けつけると・・・
舞茸の大きな株の中からヘビがこんにちは(笑)
ヘビが大嫌いな母親は100メートルも逃げたらしいです(笑)
そんなことは1度や2度ではないというから恐ろしい!
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