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1-1。絶望と戦った感動とやりがい
私は今年で81歳になる。子どものごろから体が弱かったにもかかわらず、何とか長生きしたような気がする。人は誰しもが一生のうち喜怒哀楽と紆余曲折を経験がある。思い起こせば、私の人生には多くの曲折があった。他の人は無難に中学校合格し、順調に卒業するのに、私は3浪までも失敗して日本に行って無試験で入学したが、それからも棘の道を歩いてきた。
中学校に入ってからは勉強に趣味を置こうとかなり頑張った。勉強する方法を悟り、一生懸命努力し、上位権の成績を出したこともある。しかし、結核性膜炎のため、高校の受験を受けることができず1940年韓国に帰国することになった。
この回顧録を出したのは、何年か前から長男のジュンホと知人の要請があったからだ。はじめは「名士でもないのに回顧録なんてもってのほか」と考えた。しかし、私のように多くの過ちを侵したか、逆境に立たされた若者に、もしかして参考になればと本を書くことにした。是と非両面を隠さず明らかにし、酒の研究に専念してきた過去の日々を後輩の世代と一緒に共有することにした。
酒と麹と一緒に生きてきた道は順調そのものではなかった。様々な失敗の記憶がある。数多くの試行錯誤の跡があっちこっちに染みっている苦痛の記録。それがまさに私が生きてきた軌跡だ。
人生のすべての瞬間が楽しくはならない。苦しいことがあっても決して負けてはならない。苦しみをすべて挑戦とみなさなければならない。「挫折と試練のない人生」は「香りのない花」と同じだ。人生は絶望に向かって戦う間、成長する。挫折と試練を一つずつ追い払い、前へ進む度に胸いっぱいの感動とやりがいを感じることができる。
私は17〜18歳に有名なフォード、カーネギ、エディソンたちの伝記を読み、大きな感銘を受けた。また、講談社の創業者野間清治、雑誌「主婦の友」創業者石川武美の人生観とビジネス観に心酔した。彼らの本を何十回も繰り返し読んでいる間、事業家として整えるべき心構えをいつも持つようになった。
読書を通じて人生の姿勢を整えた私が酒類分野の勉強をはじめたのは大学の時からだ。これがきっかけになり、今も研究に投身しているのをみると人生というのは誠に妙なものだ。酒類業を営んだ50年間、私としては全力で勤めてきたつもりだが、行くべき道が未だはるか遠く感じる。
還暦を向かったごろ、一生を掛けた酒類業を次の代まで続けて繋がるようにしなければという思いがあった。このための努力の一環として長男のジュンホを生化学課へ進学させた。次男は新聞放送学を専攻したが、妻は生物学科の出身から向かい入れた。娘と娘の旦那をあわせて、今は家族全員家業を受け継いでいる。本当に嬉しくてやりがいがある。とにかく私の息子達と娘が自分自身のための事業よりもっと大きくかつやりがいのある仕事をして、伝統酒業界の大黒柱になることを願う。
私は青年時代から日本の天才的事業家松田幸之助氏に心の借金をした。暗鬱だったその時代松下の言葉は大きな希望をくれた。事業家になってからはいつの間にか私の経営哲学の中心に位置づけられたことを告白する。この本が麹醇堂とベサンミョン酒家の社員をはじめ、今日を生きる若者の人生に少しでも役に立つことを願う。
つづく
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