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いつもながら、有川浩の小説には感動する。 はっきり言って、登場人物なり設定なりは、予定調和のワンパターンなのだが、それでも意表を突く展開にやられてしまう。 今回は、全く意図せぬ事故でパイロット免許剥奪となった主人公が中心となる物語ではあるが、あくまで中心。 登場人物すべてが主人公と言っても過言ではない。 その中に様々な風刺がちりばめられている。 若干自衛隊寄りと言えなくはないが、世の中の風潮を考えれば、これでもバランスがとれないくらいだと思う。 その他にも、マスコミの姿勢、男社会で働かなければならない女性、出世と仕事など、考えさせられることがストーリーの中にたくさん出てくる。 極めつけは、3月11日とその後の日本。 被災者でありながら災害救助に尽くしている人たちが、どれだけたくさんいることか。 自分の家を流されてしまって、家族を失ってしまっても、それでもなお他人のために尽くしている人たちが…。 現実は過酷だ。 だが、それを大きな声で言わないからまた、共感する人たちが出てくるのも事実だ。 今でも続いている現実として。 ところで、有川浩の小説は、登場人物が成長していくから好きだ。 挫折することがあっても、振り返ってばかりだったら、そこからは余生じゃないですか。 そんな意味のことをスカイが言う。 身につまされる言葉だと思う。 いくつになっても青春。 死ぬ時だって前のめり。 そうありたいものだと思う。 |
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