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民間ヘリコプターはAS332の一部に防氷装置がついているなど一部で、ほとんどの機種は凍結気象状態での飛行は禁止されています。
ですから通常は凍結気象状態で飛行することはないはずなのですが、天候の急変などでやむを得ず避けれないことあります。
長いヘリパイロット生活の中で何回か凍結気象状態の中を飛ぶことがありましたが、今ここでブログを書いているということは、何とか無事に乗り切ったということなのでしょう。
まず初めてこのような体験をしたのはベル47で裏日本地方で送電線パトロールを終えて基地の空港への空輸中でした。
いま思い返せばこのときが最大の凍結によるピンチだったように思います。強い冬型の緩み始めの天候で周期的にスノーシャワーが通り過ぎる天候で、晴れ間をみて一日の送電線パトロールのノルマを完了しました。
ここで基地へ帰る空輸だけのときゴーホームデシジョンで誤ったのでしょう。裏日本側から表のほうへの40分のエンルートのうち10分と飛んだところで猛吹雪になってしまい、国道を通る車がすべてライトをつけて走るほどの暗さの猛吹雪でした。
広い空き地に不時着し、雲の動きを見ていると少しだけ晴れ間が見え、その隙間を縫って上昇して雲の上に出て表日本側へ出ようと試みました。その間猛吹雪の合間を縫って上昇し、風防は前が十分見えないほど凍結してしまいました。
何とか雲の上に出て、雪雲をとおりすぎて晴れた空域に届きましたので、風防の前方に凍結した雪を落とすために、その地域のパトロールで着陸する場所へ着陸しました。
エンジンを回したまま、整備士と二人で外へ出て風防の雪を落とし、機体を一巡りしてアット驚きでした。
機体のそこらじゅうに分厚い透明な氷がへばりついていて、レッグや47特有のテールブームのトラス構造部分には飛行方向前方へ氷の刃のようにとがったものがついていました。
もう少し長く吹雪の中を飛行していたら、着いた氷の重量で墜落になっていたかもしれませんでした。
機体全体が雪だるまではなく氷の彫刻のような状態でした。
この体験がヘリパイロット人生最大の凍結気象状態下でのピンチでした。
その後も何回かは短時間の凍結を体験しましたが、それはほとんどが軽い凍結で飛行に致命的なものではありませんでした。それにしても簡単に凍結気象状態での飛行は禁止とマニュアルにはごく当然のように書いてありますが、長いパイロット人生なかなかすべて避けて通れないということもあります。
琵琶湖では豪雪取材中の206Bが機体に着いた雪をエンジンに吸い込んで、フレームアウトし、うまくオートローテーションで不時着水し、うまく脱出したものの岸へ向かって泳ぐうち3名とも溺れて亡くなっています。
たまたま運が良くて生きながらえていますので、このまま無事に終わりたいものです。
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>広い空き地に不時着し、雲の動きを見ていると少しだけ晴れ間が見え、その隙間を縫って上昇して
今の時代だったら違法行為として処罰されているんでしょうか・・
2009/12/24(木) 午前 6:35 [ punpun0461 ]
一時はそのような風潮でしたが、無理に飛び続けて死亡事故に至った例が何回かあって、今は予防着陸を推奨しています
2009/12/24(木) 午前 7:39 [ bel**14b*989 ]
着陸できたとしても
そこからすぐに離陸はNGなんでしたよね?
2009/12/24(木) 午後 1:02 [ punpun0461 ]
運も実力のうちですね。EC-135の風防には、付着した雪などを溶かすヒーターなどはあるのでしょうか?
2009/12/24(木) 午後 3:46 [ 鯛 ]
一時離陸はNGと言い張っていましたがそれでは予防着陸をためらうことになるので以後簡単な手続きで離陸もみとめることになりました。それが認められるまで何人死んだことでしょうか。
2009/12/24(木) 午後 9:46 [ bell214b1989 ]
EC135には防氷関係の装置は何もついいていません。風防の熱線のなければエンジンのアンチアイスも常時PCエアーを前方から出したままのヨーロッパ方式だとおもいます。あるのは風防の内面の曇りを取る熱風とピトーヒータだけですので、雪中飛行や凍結飛行状態での耐久性がどの程度なのかやって見なければわからないような気がします。206B程度だと思っていれば間違いはないでしょうが詳細は国内で運航実績や海外での情報がないのでわからないというところが正直なところでしょう
2009/12/24(木) 午後 9:59 [ bell214b1989 ]
bellさん ご解説ありがとうございました
2009/12/25(金) 午前 8:00 [ punpun0461 ]
pun*u*0461さん どういたしまして! いろいろ聞いてください
2009/12/26(土) 午前 0:00 [ bel**14b*989 ]
ヘリの事故関連のサイトを探していたら、たまたま、ここにヒットしました。
琵琶湖の豪雪取材の206Bの機長は私の父です。ほぼ30年前のことでした。
湖底から引き揚げられた機体を見ましたが、ほとんど壊れていませんでした。
あの頃は救命胴衣が常備されていなかったらしく(?!)、救命胴衣があれば助かっていたかもしれなかったと言われたように覚えています。
2010/4/18(日) 午後 4:26 [ kobayan ]
凍結気象状態とは、具体的にどのような条件なんでしょうか?
2019/8/2(金) 午後 2:28 [ スタバ ]
> スタバさん
一般的にはプラス5度以下で空気中の水蒸気が多い湿度の高い状態なのですが決まった数値はありません。どの温度と湿度で凍結が起きるかはわからないからなのですが、普通は0度以下で雲の中は凍結気象状態ですが凍結が起きるかどうかはわかりません。
2019/8/2(金) 午後 6:16 [ bel**14b*989 ]