ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

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 災害時の救助ヘリなどが災害現場で活動する場合、普段航空法などで規制されている安全上の縛りが解除されるということがあり、どこまで許されるのかということがやや不明確、問題点として取り上げられ、時間が過ぎると何も解決されないということが続いています。

 大きく分けるとこのような現場で飛行するのは自衛隊ヘリや固定翼機とJAナンバーつけた民間登録機の二つに分かれます。

 いずれの航空機も普段は通常の航空法によって、着陸場所が制限され、低空で飛行することを制限され、今回普通にホイストで救助していたようなことは低空飛行制限の項目に引っかかり出来ませんし、現場付近の運動公園などに着陸することも事前に許可申請が必要となります。

 またヘリコプターが運動公園などで給油する場合も管轄地の地方条例などによって規制され、ドラム缶からの給油はもちろんタンクローリーなどからの給油でも石油類の取り扱い数量と取り扱い場所、必要な設備等で規制を受け、無申請で行うと摘発される可能性があります。

 オウム真理教が山梨県の上九一色村のサイトに警察が踏み込まれた罪状はヘリの燃料の無許可貯蔵でした。

 さてヘリが今回のような災害現場で活動するする場合、自衛隊ヘリは災害派遣の発動で航空法の規制が解かれ、ほぼなんでも自由となり、アピタの屋上に着陸することも、超低空で被災者を吊り上げることも、堤防に着陸することも自らの判断で出来ることになります。

 防災ヘリや県警ヘリなどは航空法上の低空飛行や任意の場所への着陸は人命救助の場合のみ、許可を受けることなく出来ることになっていますので、もし防災ヘリがアピタの屋上に着陸して、避難客を救出することは微妙な判断となるでしょう。

 屋根に取り残された人を吊り上げて救出することは、人命救助そのものですが、アピタの避難客に命の危険が迫っているかどうかはどう判断するのでしょう。

 ところが一般的に大災害になると民間登録機はほとんどなんでも自由にやるような風潮が強く、低空飛行が人命救助に限るという規定にかかわらず、吊り上げ機のすぐ横で取材機がホバリングするのは普通に見られることです。

 非常時に航空法の安全規定を超える飛行をする場合、自衛隊の場合は大きな組織で可能な限りの安全対策を採ることが普通でアピタに長く着陸しなかったことがその表れで、自らの飛行の安全について、現場のパイロットだけで判断することはありえないことで、より安全が担保されています。

 一方民間登録のヘリのうち、組織によって安全性の担保がなされるのは機数が多く組織も全国規模になっている海上保安庁のみで、警察、消防 防災 ドクターヘリなどは組織的な安全管理はほぼゼロ、現場で機長がそのつど判断することが普通で、救助事案の最終的な成果、安全管理などすべてが機長の判断にかかっているといっても過言ではないでしょう。

 さらに言える事は、自衛隊はその任務の特殊性と災害時の派遣要請に備えるべく、十分な予算処置と、人員の配置計画や訓練、飛行訓練の場所や計画実施を系統的に備えていますが、民間登録機の場合、その準備において雲泥の差があるといっても過言ではないでしょう。

 災害時に起こる市街地や山岳部での低空によるホイスト、どのような狭い場所へ着陸する川からないような想定での訓練は航空法上の規定で許されることはなく、人命救助のときだけとなっている大きな矛盾が立ちはだかっています。

 大災害になればJA登録の民間機は御印籠が目に入らぬかと好き勝手に飛んでいるようで、また航空当局も見てみて見ぬ振りをするしか手がなく今後将来的にこのままでいいのか大いに疑問があるところです。

 まあ 日本は想定外に超法規的なことが普通に多くある国家ですから、東日本震災の福島原発の醜さを見ると、敦賀の原発に北朝鮮のミサイルが飛んできても想定外で終らせるつもりなのでしょうから、水害程度では動じないと言うことでしょう。

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http://www.businessnewsline.com/news/201509130152320000.html

画期的な発想ゆえに
それが為に起きる事故も出てくるような・・

2015/9/13(日) 午後 0:53 [ punpun0461 ] 返信する

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今回のヘリ運航、航空管制について、JAXAのD−NETの効果が見られたとネットで拝見しましたが、belさん的にはどう感じられますか?

こちらの書き込み状況からすると、あまり関係ないよ…という感じがしないでもありませんがw 削除

2015/9/14(月) 午前 10:16 [ 恥の戸市民 ] 返信する

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いつも色々と勉強になります。
bellさんも報道ヘリでも飛ばれていたと思いますが、今回特に思ったのが、「報道ヘリは存在に気づいたが、救助機関のヘリは気付いていないと思われる要救助者」については随時通報しているのでしょうか?
今回のような多くの機体が飛び交う中では、報道ヘリは現場上空を遠巻きに様子が分かる程度の映像を拾ってくれれば十分でがないかと感じるのですが、サーチ&レスキューの「サーチ」の部分で幾分役に立っているのならばまた事情も違うのかな、と思ったりしました。
ちなみに今回は、「茨城アドバイザリー」が開局して現地空域の統制を行っていたようです。

2015/9/14(月) 午前 10:43 [ hay*shi*yos* ] 返信する

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コメントありがとうございます。明日の記事で少し取り上げてみます> hay*shi*yos*さん

2015/9/14(月) 午前 11:48 [ bel**14b*989 ] 返信する

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変な足ですね。ご指摘のとおり危険と隣あわせで実用性は疑問ですね> pun*u*0461さん

2015/9/14(月) 午前 11:50 [ bel**14b*989 ] 返信する

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> 恥の戸市民さん
JAXAのD−NETの研究調査されている方と神戸消防の事務所でお目にかかったことがありました。これほど普及したとは思っていませんでした。ヘリには情報は多すぎるとかえって複雑になりがちで整理され正確で的確な情報が必要なので地上の基地が大変でしょう。

2015/9/14(月) 午前 11:53 [ bel**14b*989 ] 返信する

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79〜81条の但し書き(捜索又は救助のための特例)は「人命救助」の場合のみ、だったでしょうか??

2015/9/14(月) 午後 1:48 [ poc*it*rowa*wan ] 返信する

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そのように理解していますたが> poc*it*rowa*wanさん

2015/9/14(月) 午後 1:50 [ bel**14b*989 ] 返信する

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