ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

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 日本に防災ヘリが導入されてから約30年、今回の群馬県防災ヘリの墜落事故で5件目の事故になったと思います。

 奈良県、岐阜県、長野県、埼玉県、そして今回の群馬県で5回目ですから、相当事故率は高いのではないでしょうか。

 その5回の事故に共通するのは、ほぼ、パイロットの技量未熟や経験不足がある可能性が高い内容の事故になっています。

 その5件とも、山間部で飛行するヘリパイロットの常識からすると「えーー」と思うような内容で墜落してしまっていますので、今後の事故防止のためにはかなり共通した対策が可能なのですが、実は様々な要因から事故対策が取れない状況となっています。

 団塊の世代の引退で、パイロットの更新が進む中、新規に従事するパイロットたちの経験不足、技量不足が背景にあると言っても、反論できない状況なのですが、対応策はありません。

 今回の事故機のパイロットは昨年度に412の訓練を受け、4月から群馬県防災ヘリの機長として勤務していたようですが、全国的に各県行っているような、県の運航するヘリに民間ヘリ運航会社がパイロットを派遣するという体系のため、航空法的にパイロットの資格要件経験技量などを、十分に訓練審査する制度自体がありません。

 このような状況に中、派遣する運航会社が手持ちのパイロットの中から人選し、ある程度の訓練をして県に対して了解を得て派遣しますが、県としてはそのパイロットを審査する能力はなく、運航会社を信用するしかありません。

 パイロットを派遣して、運航させてみて、技量不足などで同乗隊員などからクレームが着いたら、手持ちの他のパイロットに交代させる程度の対応しか取れないでしょう。

 日本中の防災ヘリパイロットの更新が進む中で技量低下、経験不十分が起きている中では、受け入れる県としても贅沢は言っておれないような状況となっていることでしょう。

 県があるパイロットを技量不足で変えてくれと運航会社に申し入れても、手持ちのパイロットはすでに底を着いている可能性もあり、それでは派遣契約は辞退しますと、運航会社が良心的に言うか、少々役不足でも可能なパイロットを何とか訓練して送り込むかどちらを取るかは目に見えています。

 長野県岐阜県、富山県、北海道など運航の難易度が高い県にこのような問題が集中する可能性が高く、これを解決する方法はないでしょう。

 民間ヘリ運航業界で、一番に大きな読み違いは、長期間の間にヘリパイロットの処遇を底まで値切って、高度な運航をするパイロットまで薄給で雇われたため、それが全般に波及し、全体的には良い人材が業界にそっぽを向いているということも、将来に暗い影を指しています。

 運航会社からパイロットを派遣すると言う、今の運航形態を取る限りは解決策はほぼないと言えるでしょう。

 なにしろ5件の事故はすべてパイロットの技量未熟で起きていて、これを解決する責任は、県も運航会社にも無いと言う、致命的な組織欠陥が事故の背景にあると言えるでしょう。

閉じる コメント(12)

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航空局は頻繁する小型機の事故対策として小型機へのデータレコーダー搭載義務化をするようです。
運航会社はお高い機材をまた買わされる形になりますし当局がこんな有様ではまだまだ事故は続きそうな予感です。
自動車用の地図とにらめっこせず海外の様にiPadを使って報道機が飛べる日はいつ来るのでしょうか…
飛ばす側にしても書類のでっち上げや規程無視、また弱い立場のPに雑用を押し付けて使い潰すといった事例はやっていない組織の方が珍しいと思います
事故に巻き込まれる世間の方々には申し訳が立ちません 削除

2018/8/12(日) 午前 2:54 [ aw774 ] 返信する

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ヘリの世界にもいずれ
外国人Pがやってくるのか
あるいは業界自体が更に廃れ
ドローンにほぼ取って代わるかといったところなんでしょうか

とは言うものの ドローンでは人をホイスト出来ないし・・・

2018/8/12(日) 午前 4:11 [ punpun0461 ] 返信する

フライトレコーダー付けたって、安全には何も役にたたないやろね。事故後の解析が楽になるだけ。
局はホントにアホやわ。
規制ばっかりしてないで、Pの技量や経験を増やす対策を業界と一緒に考えないと、益々事故増えるよ。

2018/8/12(日) 午前 7:03 [ シロクマ ] 返信する

おっしゃる通り。
現在の状況は、どこでも同じことが起こるのですが、たまたま起こっていないだけです。

2018/8/12(日) 午前 10:26 SHIEI 返信する

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墜落した5件の防災ヘリのパイロットって全員50代なんですよね。能力や適性に応じた配置がかなわぬ中、年齢とともにピークをすぎて下り坂になっていくさまざまな能力。50台で現場を退いて管理職やアドバイザー的な立場に移動していたのは長年の知恵だったんでしょうけど、いまはそれもかなわぬ時代なんでしょうね。ヘリパイロットだけの問題ではなく、すべての高度技術職でそうなってきている気がします。若手がなりたがらない外科医だって深刻です・・・。 削除

2018/8/12(日) 午後 4:10 [ とおりすがる ] 返信する

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一概にパイロットミスとはしたくありませんが、今回は、パイロットは4月から県に派遣されたようですし、「はるな」は、この頃整備の為2か月位飛んでなかったようです。
機体の不調、天候の悪化等の非常事態の対処方法の研究が必要ですね。

2018/8/12(日) 午後 7:40 [ kur*m*iljp ] 返信する

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今回の「えー」と思う墜落原因は何だったのですか?
数多くのノウハウを持った民間で長年従事したパイロットより、各県で一から育てた新人パイロットの方が質は良いのですか? てか、各県で育てたPってどの位いるのかな?

2018/8/13(月) 午前 0:42 ととくま 返信する

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その後の情報で水平飛行状態で150キロ以上で激突と言っています。通常ガスに入りそうなほど接近する時は速度を落として、ゆっくりとした旋回で安全な方向へ回避します。それでも入ってしまったらあらかじめ想定した安全な方向へ速度を低いまま避けます。高速で水平飛行で危険な方向へ突っ込む事はえーーーーと言うことなります。ゆっくりとした旋回中に雲の中でバーチゴに入って真っ逆さまに墜落と思ったのですが、高速のまま突っ込むとはえーーーー!!でした。> ととくまさん

2018/8/13(月) 午前 1:17 [ bel**14b*989 ] 返信する

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各県で育てたパイロットで使えるレベルはゼロでしょう。それほど甘くはないでしょう。> ととくまさん

2018/8/13(月) 午前 1:18 [ bel**14b*989 ] 返信する

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「各県で育てたパイロット」も多発機を飛ばせるPがいないから「資格」だけ取らせて単に412EPを飛ばせるだけの最低ラインの技量があるタダの県Pでしょうかね〜。

10人ぐらい乗せて実務運用に近い状態で山岳飛行やアクチャルIMCの経験なんて昼でも夜でもリスク多いから危険な訓練などは、行わないだろうし...。

各県の訓練飛行も予算つけて育成しても5件も似たような事態ですから各省庁や県の組織欠陥を何とかしないとまたどこかで、MISSION IMPOSSIBLE防災ヘリ○県 編やで...。

2018/8/13(月) 午前 11:25 [ クロネコ ] 返信する

日本に防災ヘリのパイロットの審査を出来る審査官やベテラン防災ヘリパイロットは、いるのでしょうか?なんちゃて審査官やなんちゃて1万時間パイロットは、少なからず多少は、いらっしると思います。長野や岐阜のアルプスで気象の悪い中、審査できる人は、いる?訓練展示できる人いますか?では、自衛隊にいますか?防災ヘリを運航する以上、国として、その環境、育成の場を作らないとなんちゃて防災ヘリが機数だけで、また事故が起こることに❗

2018/10/9(火) 午前 0:16 [ mat***** ] 返信する

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もともと、優秀なパイロット、優秀な審査官がいなくても、安全範囲内で運航できる体制が重要で、如何に自己の技量の範囲内で能力を高めていくかですね。ある意味、エアマンシップ、人間性の問題でもあります。> mat*****さん

2018/10/9(火) 午前 0:28 [ bel**14b*989 ] 返信する

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