ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

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 群馬県の防災へりが墜落した時のフライトプランの処理のことについて、県の防災ヘリの管理部門や、嘘の着陸通報を航空局へ通報した東邦航空の別の機長が槍玉に上がっています。

 飛行場以外の場所を離着陸地にするヘリコプターにとって、航空局が言う飛行計画、フライトプランの運用には、強制されている運航者のかなりの部分が、まったくの必要性のない余計な業務に運航関係者が煩わされているだけである思っていると断言できるでしょう。

 ヘリコプターの飛行計画は運航者が、ほぼ計器飛行方式用と言える書式に無理やりに一般には計器飛行方式の内容とはまったく違うヘリコプターの特殊な運航計画を書き込み、昔は電話で、今は朝日航洋のM田と言う私の先輩パイロットが作ったソフトを使ってインターネットで通報することになっています。

 まずは飛行前に計画を通報し、審査があって受理されたと言う返信が入ります。そしてヘリが実際に飛びたったら実際の離陸時間を通報します。

 そして任務が終わって着陸到着したら、運航管理者が着陸時間を通報することをフライトプランをクローズすると言います。

 到着予定時間を30分過ぎれば遭難の不確実段階と言う、無線などで探し始めるたり、各地の空港などへ着陸していないかを航空局が問い合わせを始めることになります。

 そしてフライトプランに記入されている燃料の持続時間が過ぎれば、遭難確実の段階として、自衛隊などに捜索機の飛行を依頼することになります。航空局は自前の捜索機をもっていませんので、どこかしかるべきところへ依頼することになります。運航会社などは自前の機体で捜索を始めることも可能ですし、他社へ依頼することも可能なので過去には私が他者の依頼を受けて飛び発見した事がありました。。

 飛行機は飛行場から離着陸するため、各飛行場にある航空局の事務所が自動的に飛行計画の発動と終了を処理していますが、ヘリの離着陸場所はそこらじゅうですから、地上にいる誰かが自動的に処理するのは事業所のある基地へリポートだけで、山の中へ着陸したらパイロットが基地へ電話して着陸時間を通報し、基地の事務所からネットで航空局へ通報されることになります。

 無線が通じれば無線で基地を呼んで到着時間を通報しますが、航空無線は通常地上では通じないので、着陸寸前に無線でするか、着陸後携帯電話ですることになります。

 と言うことになると無線で通報した後に、墜落したら誰も助けに来ないことになりますし、携帯電話の通じない場所で30分過ぎれば墜落したことにされます。

 大昔は山中に着陸したら、30分も車で下へ降りないと、公衆電話などありませんでしたし、うっかり着陸通報を忘れて、旅館で温泉に入っていると、会社から電話で、フライトプランのクローズはしたかとしかられたものです。

 つまり今も昔も飛行しているパイロットが、着陸したら自分で通報しないと機能しない運航監視システムなど、何の役に立つのでしょうか。

 墜落して死んでますとでも携帯電話を入れないと、誰も助けに来ない、つまり、すべての空域地上から無線が通じることと、通常の飛行中はレーダーなどで監視できるものがない飛行計画通報制度は殆ど無意味でしょう。

 今回は西吾妻病院ヘリポートで消防隊員の乗り込みを飛行計画で通報しないで実施していたと、航空局から非難されていますが、通報以外のところへ離着陸している事がわからない航空局がどうやって運航監視遭難救助対応が出来るのでしょう。

 ヘリは必ずしも計画通りしか飛ばないと言うわけでもありませんし、いつ変更があるかもしれませんがそれを基地以外に航空局へ通報したり、到着の遅れを通報したりする事が出来る体制でないのに飛行計画を航空局が管理する意味があるのでしょうか。

 運航事業者が実現可能な無線網や携帯電話、GPS位置情報端末などを整備し、自ら安全を図り、自主的自由に飛行することで十分ではないでしょうか。

 どうせ運航事業者からの通報でしかヘリの動態がわからず、しかも自らの通信網を持たないのに、飛行計画の通報に虚偽があり航空法違反の疑いがあるなどとはどういうことなのでしょう。だってそれがまったくわからなかったのですから、、、、

 ヘリの運航者は航空法に基づく飛行計画の通報によって、わずらわしい仕事が増えるだけで、飛行機のように航空局の施設による運航支援やレーダーの監視網の下、常時、無線通信できる空域を飛ぶわけでもなく、飛行場の離着陸をするわけでもありませんので、いらない仕事は運航者に任せれば良いでしょう。

 温泉からあわてて出て、CABに電話して、3時間前に着陸しましたが忘れていました、申し訳ありませんと平謝りしましたが、別の考え方なら、今山に墜落して、死にそうなのですがなぜ助けに来てくれないのですかとでも言えば良かったのでしょうか。

 当時の電話から今は携帯ネットと変わりましたがやっている事はまったく変わる事はなく、墜落していないパイロットが携帯電話か違法に上空から無線か携帯で○○分着陸と連絡し、基地から航空局に通報していますので、一体何の意味があるのでしょうか。

 パッセンジャーストップを記入しなかったり、勝手に到着予定時間を延長したり、今回のように虚偽の到着通報をするのは、ヘリのフライトプランの制度に何の意義も感じていない者が多くいるからでしょう。

 大昔とまったく変わっていないようです。


閉じる コメント(4)

ごもっともだと思ってます。
その様な意見や現実をそのままであるこの国のシステム、変えるには変えられる人間の理解が
日本の航空業界が世界からもどんどん遅れていくのは、このシステムのせいですね。

2018/8/18(土) 午前 8:57 SHIEI 返信する

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基本的には自家用機に合わせたものですね。仰るとおり、事業者の責任にて機体の動向を常に確認している場合は飛行計画の提出は形式的な物でしょう。
地上側の意見からすると普段から真面目にコミュニケーションを密にされているパイロットほど、いつもと違う時の違和感を感じ取りやすいものです。

今回の問題点は吾妻に無断立ち寄りした事ではなく、到着してないのにも関わらず到着の通知を行なった事でしょうか。
RCCを混乱させるリスクがありますね。 削除

2018/8/18(土) 午前 9:11 [ 二番手 ] 返信する

当時の状況がわかってくるほど、昨年事故を起こした運航会社として、安全を第一に考える、とする体質は、本物であったのか疑わしいと言わざるを得ません。

1.なぜ 飛行計画を管理する運航管理業務を他の機長がしてたのか?運航管理者は居ないのか?
2.かなりの低空で林道の視察をしていたが、低空申請してたのか?するつもりは元々無かったのか。
3.群馬は航空自衛隊の訓練空域なので、飛行の際は連絡する事になってるが、していたのか?日常的に 自衛隊サイトにコンタクト無しに飛行してたのか。
4.墜落時、ELTが発信しなかったが、火災も無い機体のELTが発信しない事があるのか?防災業務は激しく着陸する事もあるため、日常的にELTを切っていたのではないか?

今後、正確な情報が出てくるとは思いますが、少なくとも上記の疑問は払拭される事を願っています。
でなければ ヘリ業界全体が、胡散臭いと思われてしまいます。

2018/8/18(土) 午後 10:32 [ mum***** ] 返信する

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正規の運航管理者がシフトその他諸々の都合で不在の場合、地上待機のパイロットが運航管理業務を行うのは人の少ない場所ならよくやってますねぇ
今回の東邦の対応は問題ありまくりですがウチはちゃんとやってる大丈夫だと思っている業界人が結構多そうなのが怖い所です
日本のフライトプランの制度も手間ばかりかかって大して役に立ってるとは思いませんし東邦みたいなことはよくある話です。
東邦の内部事情ばかりがクローズアップされて業界全体の問題が見過ごされるようならまだまだ犠牲者は増えるでしょうね 削除

2018/8/19(日) 午前 5:09 [ a ] 返信する

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