ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

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 17日に伊丹から羽田へ向かったボーイング787の右のエンジンからオイルが漏れた可能性がある表示が出たため、このエンジンを停止して緊急事態を宣言して着陸し、自走して駐機場へ入ったというニュースがありました。

 車に長く乗っていますが、急にエンジンのオイルが漏れたという経験はありません。

 車の10倍も100倍もの高い信頼性が求められる、航空機のエンジンやその他操縦系統の油圧などのオイルが急に漏れることなど起こるのでしょうか。

 車でも同じなのですが、オイルが漏れることが起こる一番可能性が高いのは、オイルやフイルターを交換したすぐ後と言うことは常識で、何も触ってないのに急に漏れることなどほとんどなさそうです。

 また何も触っていないのに急に漏れだすようでは信頼性が低くて安心して乗っておられないと言えるでしょう。

 たまにあるのは、触っていないのにオイルが漏れるという現象では、各部のパッキンなどの劣化で少しずつ漏れはじめ、飛行ごとに怪しいところをウエスで拭いてみるなり、夜間駐機中に空き缶を置いて一晩にどの程度漏れるか、また1時間飛べばどの程度漏れてオイルが減るかをモニターし、変化を見ます。

 このような場合、だんだん漏れる量が少しずつ増えて行って、ある時点からドバっととなるのが普通なので、モニターしながらパッキンを取り換えるなりする時期を判断するか、漏れる場所などによってはある時点でエンジンを降ろして整備することになります。

 これがオイルが漏れる場合の整備点検モニターの方法なのですが、これ以外に漏れるのは何らかの失敗によるものです。

 ジェットエンジンは普通50時間ごとや100時間ごと、最新エンジンなどでは300時間ごとなどでオイル交換、チップデテクター(オイル内の微小金属を検出する)の清掃、あるいは漏れの多い場合は飛行ごとのオイルの継ぎ足しなどを行う場合があり、この作業において何らかのミスがあれば飛行中に漏れたりすることがあります。

 一番簡単なミスはオイルを継ぎ足すキャップの閉め忘れ、次はチップでテクターを締めるときに手締めをしただけで正規のトルクのかけ忘れ、ゆるみ止めの安全線のかけ忘れなどが考えられます。

 オイルの異常を示す表示が出る場合で、整備上の何らかのミスと本当にパッキンなどの劣化で起きる場合のどちらが多いかは運航会社の整備レベルで決まる可能性が高いのですが実態は言えないでしょう。

 安全運航が一番のクオリティーの航空会社で閉め忘れましたとは口が腐っても言えないでしょうから実態は闇の中と言うことになります。

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