ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

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 21日午後1時過ぎ、那覇空港で韓国アシアナのエアバス321型機が管制官の指示に従わないで滑走路に入り、進入中のJTA機が着陸をやり直す事例があり、航空事故になりかねない危険性が高い、重大インシデントと認定され、安全運輸委員会が調査に入るそうです。

 日本は韓国から見ると理不尽な制裁中であると思っていることでしょうから、パイロットは管制官に嵌められた一種の制裁の拡大だと思っているかもしれません。

  重大インシデントと認定されていますので、この掲載した写真くらいの距離の時に横から滑走路に入ったというようなことなのでしょうか。

 管制官は着陸機を優先するのが普通で、離陸機は滑走路の入り口で止まらせて待たすのですが、その最小限の距離は着陸機が離陸期の巻き起こす後方乱気流の影響を受けないように2分から3分程度開けるので、進入機が5マイルから8マイルくらいになると離陸機は待たされます。

 アシアナ機は着陸機がどの程度の距離に来た時に滑走路に入ったかわかりませんが、掲載した写真のように着陸機からは遠くからよく見えるので、着陸をやり直せば差し迫った危険性はないでしょう。

 では進入機の着陸寸前に滑走路に入ったかもしれないから、危険だろうという意見がありそうですが、離陸機が滑走路に入る時には、直近に着陸機があると破滅的な危険性があるため、パイロットは必ず進入機がないか確実に目視で確認します。

 管制官が3分の間隔を取っていたら最大10キロ程度先に見えるので、かすかに見える程度です。

 管制官がそれ以上の距離を取っていたら、着陸機は見えないかも知れませんので、管制上の言葉のやり取りがあやふやだったり、明確に滑走路の手前で待つように指示していなかったり、パイロット、管制官のどちらかか両方が忘れたり滑走路に誤認進入する可能性があります。

 着陸機が器用にも前を見ないで着陸してくるならぶつかる可能性がありますが、計器飛行で悪天候中を着陸するにしても1キロ程度はほぼ見えないことはほとんどあり得ないでしょう。

 駐機中の航空機が離陸滑走路に向かう場合、許可は滑走路の手前で着陸機の邪魔にならないところまでで、離陸滑走路に近づいたら、パイロットから離陸許可を求めるのが普通です。

 その時点で着陸機を優先するか離陸機を優先するかの決定は管制官が行い、滑走路手前で待てという指示をするか、離陸支障なしと言う指示を出すか2つに一つです。

 待たす場合は待てと言う指示に加えて、着陸機があと何マイルにいるから待てと言うのが普通で、これは相手にあとどの程度待つかと言う情報を与えると同時に誤解で侵入しないようにするためです。

 離陸させるときにはまず最初に風の情報を伝えることになっていて、そのあとに離陸支障なし、滑走路何番と言うように決まっています。

 この用語の使用は厳密で、風の情報を通知してきたら離陸OKですので、たまに新米の管制官や何かにとらわれている管制官が用語の使用を間違えば大変危険なことになります。

 ヘリの場合は着陸機も離陸機も自由に機敏に動けるので間違っても危険性はほとんどありませんが、インシデントと決められているので航空行政から大目玉を食らうことになります。

 アシアナ機のパイロットはどの程度のミスをしたか、管制官があやふやな用語を使わなかったか、情報を十分に伝えたか、言った言わないともめるかもしれませんがテープを聞いて、つまらない間違いを防ぐにはどうしたらよいか、初心に戻って反省するべきでしょう。

 最近の日韓情勢のとばっちりを受けて、アシアナ機のパイロットが相当やられそうで、同情します。

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