ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

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 昨日 の入院中の京都アニメーションの被害者の方が1名亡くなられて死亡者が35名となったというような報道がありました。

 犯人の転院搬送にドクターヘリが使用され、これも昨日でしたか、犯人の容体は依然予断を許さないものの、意識が回復したというニュースが流れる中、被害者の方が一名亡くなられるとはドクターヘリの使用に関して釈然としないものを感じます。

 凶悪犯にドクター^ヘリなんか使うべきでないというような書き込みも多く見られます。

 この京アニのニュースをずっとフォローしていますが、やはりドクターヘリがこの事件で使用されたのはどうやら犯人の転院搬送一件だけのようで、元ドクターヘリ関係者としては大変残念な思いです。

 この事件発生から最終的に最後の方が搬出救助されるまで、時間経過とともにどのような被害者の方たちがどの程度の症状で脱出したか、あるいは救出されたかは十分調査してみないとはっきりはわかりませんが、この経過の中でドクターヘリの特性が生かせる場面がなかったかどうか非常に気になります。

 このような多数の熱傷患者が一時に発生するこのような事件の場合、理想的なことを言うとすれば、119番の第一報で一番近いドクターヘリが出動し、現場の直近のランデブーポイントに着陸して患者搬送に備えることでしょう。

 着陸後、ドクターナースは救助脱出してきた患者のトリアージを行って、現場で救急処置を行って最適医療機関へヘリ搬送の準備をすることになります。

 運航クルーは多数機の導入に備えて、自ら着陸した場所以外に着陸可能な場所を選定し、消防関係者と連携して着陸場所の確保をし、後続機の着陸への情報を流すことでしょう。

 重症の熱傷患者の受け入れ可能な病院は数が医師の専門性や診療科目や設備の関係で、限定されているので、近隣各府県のドクターヘリの出動要請とともに、搬入病院の確保を各県ドクターヘリの運航管理部門と調整し、各県のドクターヘリを迅速に離陸させ、現場へ投入することが理想であったことでしょう。

 ニュースをフォローしていても、どうもドクターヘリは1機も飛ばなかったようで、これが事実かどうかは確信はないですが、京都府には現在ドクターヘリがなく、消防ヘリがあるだけですので、ドクターヘリを使うノウハウがなく、実際にドクターヘリを飛ばすということが頭が回らず、と言って他県のドクターヘリ運航管理がおせっかいに要請もないのに飛ばすことがなかったのでしょうか。

 ドクターヘリや防災へりが大災害などで遠方の他府県へ飛んでいくようなことが過去、東北震災を含めて複数件あったので、そのような事例には対応する意識があり、訓練も一部行われています。このような事例には事案発生の次の日の早朝などにどっこらしょと飛んでいくようなのんびりしたものとなっています。

 しかし今回のような近隣地域での大事故などに際して、5.6機のヘリを短時間に集中投入するような、非常に高度な判断と短時間のうちに連携体制取るような事例や訓練はあまりないようです。

 京アニ事件はドクターヘリに大きな課題を突き付けているように思いますがいかがでしょうか。

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