ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

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 この春から再建をめざして、民間からヘリとパイロットをリースして運航を始めた長野県の防災航空隊で職員パイロット2名の内1名が退職したと言う衝撃的なニュースが入っています。

 長野県防災航空隊は悲惨な事故のあと、あくまでも自前のヘリとパイロットで運航することを目標に、一時的に民間会社からヘリとパイロットを借り入れて運航を再開していました。

 退職したパイロットは40代で2年ほど前に採用され、ベル412に限定資格を県費で取ったようですから、ほぼ2500万円掛かった訓練費用はパアと言うことになるのでしょうか、それとも本人が県に返還するのでしょうか。

 あるいは本人は他の県の防災ヘリへ就職するそうですから、その県が肩代わりして支払ってもよさそうなものです。いずれにしても2500万円の県税が無駄になったという可能性が高く、行政不服裁判の可能性が出て来ます。

 本人は約800時間の飛行経験を持っていたそうですが、長野防災では機長としての資格は付与されていなかったそうです。

 と言う事は長野県はヘリのパイロットを審査して、機長として発令する権限を有していて、それを実行していたことになりますが、誰がその審査をし、またその審査の規定や基準があったということになりますが、自家用運航に当たってはそのような規定は必要ないことになっています。

 もしそのような審査規定があるなら一度読んでみたいような気がしますし、審査規定があるならその審査に向けての訓練規定と言うものがあり、一定の訓練をしてから審査するのが通常の手順なので、これらはすべて運送事業など有償事業向けの規定です。

 もちろん訓練規定を定めて訓練し、そして審査を行って機長発令しますので、800時間のパイロットが今後どのような経過を経て、訓練を受けることの出来る飛行経験まで副操縦士業務を行い、その後続けて訓練をするかと言う計画がなければ、本人は将来に確信が持てず、やめてしまっても仕方がないでしょう。

 次に採用する県ではそのような計画について、確定したものを提示すれば喜んで転職してくることでしょう。

 とにかく絵に描いた餅がどんどん腐って行くような状態のように見受けられて、まだまだ軌道に乗るのは先のことになりそうです。

 ドクターヘリが始まって以来同じような事が何回起こったかはわかりませんが、県税2500万円をその転職するパイロットが持ち逃げしたと取られても仕方がないような状況でなければ良いのですが、、、、



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 4月から運航を再開する長野県防災ヘリのパイロット2名と整備士1名の派遣契約の入札があり、2490万円でジャネットが落札したそうです。

 ジャネットはすでに機体のリース契約を結んでいて、これで長野県の防災ヘリは日本航空学園関連企業のジャネットが請け負うことに決まったようです。

 まずパイロット2名整備士1名の派遣契約では通年運航は不可能で、パイロットや整備士の土日や祝日の休日付与のほか、パイロット整備士の社内での管理上の所属会社への出勤日などもあり、最大限でも週4に日程度しか飛ばせないでしょう。

 土日のみの休日とすれば今はやりの過超労働で労働法に引っ掛かる恐れがあります。

 交代要員を含めて派遣するなら2490万円では、請負会社は大赤字でとてもまともな処遇は望めないでしょう。

 入札制度の不合理がまともに出た結果で,ジャネットより高い金額で応札した朝日航洋がまともであると言えますが、それもどの程度のパイロットを派遣することで札を入れたか、あるいはいくらで入れたか定かでないのでなんとも言えません。

 このような状態ではとてもまともな運航は望めない恐れが大きいと思われても仕方がないのですが、とにかく運航再開を最優先し、様々な改善は飛ばしながら、行なわざるを得ない行政制度も大きな不安要素です。

 こうなると運航管理面ではなんとしても、危険要素のあるフライトはせず、とにかく何がなんでも安全に徹して、数年以上の安全実績を重ねるしかありません。

 マイナス100%からの再スタートで、なんとしても事故直前のレベルまでもって行くことから始まり、理想の県所有の機体で自前運航できる力はいつになったら着くかはまったく見通せない再スタートなりそうです。

 

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 長野県が防災ヘリの運航再開に向けて、機体借り上げ契約の入札を実施し、契約する会社が決まったとの報道がありました。

 契約する会社は山梨県防災へりの運航を請け負っているジャネットと言う会社で、国有地払い下げの件で森加計問題で騒がれたのと同じような濡れ衣の疑いをかけられた日本航空学園の関係会社です。

 運航実績は殆どゼロに近い実績の中で山梨県防災ヘリの運航を獲得し、その後ドクターヘリへも展開しました。

 今後は運航再開に向けてパイロットの派遣契約を入札することになりますが、ほぼ決まりと言って良いでしょう。

 大手やその他、防災へりの運航に実績のある会社が一切応札せず、一社のみであったことは、今後の運航再開に向けて大きな懸念となりそうです。

 どの会社もパイロットや整備士などの人的資源が枯渇していることと、将来にまた独自に機体を購入し、自主運航を目指すことをほぼ決めているようですから、担当させたパイロットや整備士を引き抜かれて、ハイさよならとなりそうなら、営利企業としてはまったく面白くないことでしょう。

 機体の貸し出し料金がほぼ2億円、パイロット整備、運航管理者などが5000万円程度、年間計2億5千万円なら、小型のEC135と防災へりより格下のパイロット整備、運航管理で2億2千万円を永続的に取れるなら、ドクターヘリのほうが格段に条件がよさそうです。

 ただしドクターヘリはほぼ全国的に行き渡っているので、新に取れる可能性かなり不透明で、今後各県2機体制へと進むなら、国内で一番難易度の高い長野の防災ヘリなどやっている場合ではないでしょう。

 受注企業としては、日本一難易度の高い防災ヘリを永続的に、破格に高い条件で運航できるならば、企業をステイタスを示し、業界をリードする運航を安全継続的にやるなら大きなメリットとなるでしょう。

 しかし、大手に限らず中小でも、2,3年でお払い箱ならとてもやる気にはならないでしょう。

 2,3年の肩代わり運航を安全に終了することが出来たら、契約終了と同時に、県内の2機のドクターヘリの運航をさせます程度の密約があるならかなりおいしい契約となりますが、3年間安全無事に終わるかどうかもかなりあぶない博打となりそうです。

 最近のテレビ局の経営状況と、ドローンの急激な普及を見ると、今後10年程度をめどに各県1機体制の報道用のヘリの統廃合が予想され、防災ヘリとドクターヘリのヘリ運航会社の経営に占める重要度が上がってきて、大手中小弱小間の競争は激しくなることでしょう。

 ヘリ運航会社は優良パイロットの減少に加えて、飛行任務の高度化、初心者パイロットの増加と可能な業種の減少でいよいよ大変な状況がすぐそこまで来ています。

 長野県防災ヘリの運航はこのような情勢の変化の大きな試金石で、この運航の成否によっては民間ヘリコプター運航の世界が大きく変わる可能性がありそうです。

 

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 長野県が防災へりの運行再開に向けて大変苦悩しているようです。

 過去に4回防災へりが墜落し、3県が委託運航、1県が自主運航で他の同じような公的ヘリでは神奈川県のドクターヘリが墜落しています。

 事故原因は事故調査委員会で色々と調査し、それぞれの結果が出ていますが、簡単に言えば、すべてパイロットの技量未熟の可能性が高く、さらに言うと管理体制の不備と言えば聞こえが良いのですが、管理体制ゼロが実態でしょう。

 そしてさらに言えば、事故調を含む小型航空機の行政機能が、あるいは行政管理能力が無いか、放棄していることも原因なのですが、身内の事故調がそのような要因についての発言力がないと言うことも実態としてあるように思います。

 長野防災ヘリの事故調査は、再発防止を目的として行なっているはずですから、事故調の言うとおりに対策を取れば、簡単に再開できるはずですので、長野県は事故調の意見をまず聞くべきでしょう。(これはいやみな冗談ですが、、)

 さてこのように公的ヘリの運航に大きなリスクがあり、現実に事故が起きているなか、次週のドラマ「コードブルー」でドクターヘリの事故を取り上げるそうですから、まずは大英断だと評価するべきでしょう。

 と言うのは現にドクターヘリを運行していて、事故を起こした当事者の運航会社に取って、出来たら触れて欲しくない一番のものはドクターヘリの事故でしょう。

 現に運航しているヘリ会社だけではなく、一緒に飛行する医療関係者も、管理組織の病院や行政にとっても実はあまり触れたくないのが事故で、私が5年間在籍していたところでも、真剣に事故対策や安全について、日常的に活動しているところはほとんど無かったように思います。

 私は40年近いパイロット生活で、10人以上の先輩、後輩、同僚、部下の仲間が殉職しましたので、パイロット生活の中で起こるすべての事象が事故に結びつかないか、あるいは常に起こる失敗を防げないかと思わなかった日は一日も無かったことは確信しています。

 私の現役中の最後の殉職者は彼の息子の進路について、事故の1月前に待機中の基地病院へ電話をしてきた元部下のパイロットで屋久島で墜落し殉職した40代のパイロットでした。

 しかも死因は墜落の衝撃で轢断された脚からの失血死で、自分が近くのドクターヘリにいれば絶対に死なすことは無い症例で、当時は防災ヘリの対応で間に合わずに亡くなったそうです。

 話はそれましたがドクターヘリのドラマでヘリの事故が取り上げあられるそうですので、今までまったくストーリーに上がってこなかったへりをどのように取り上げるのか大変楽しみです。

 医療関係者がヘリの運航のリスクを含めて、ヘリ全体をどのように評価しているのか、あるいは素人の脚本家がどの程度咀嚼出来ているのか、一目瞭然にわかりますのでぜひとも期待したいものです。

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長野県防災ヘリ復活へ

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 事故から3ヶ月、ほとんど出口が見えない長野県防災ヘリの復活です。

 事故後3ヶ月で解決するほどことは簡単ではありませんが、そのような中同じ空港をベースとしている小型機が17000時間の超ベテランが乗っていても事故を起こすほど山岳地帯の飛行が危険性を伴うということの表れです。

 長野県防災ヘリが復活し、今後何十年にも渡って安全を確保しながら運航を継続できるような体制を作れる見込みがない限りは、県による自主運航はまずあきらめたほうが良いでしょう。

 まずは民間運航会社にそれなりの金額を提示して、10年単位以上の期間を決めて、受託運航を願い出ることでしょう。

 高飛車に運航会社を選ぼうなどと言う態度を取れば、まともな会社は応じないでしょうし、応じる会社はだめな会社という事も大いにありえることでしょう。

 1年半以上かかる航空事故調査の結果を待って十分な対策を取って運航体制を再構築しようなどという事もほとんど意味が無いでしょう。

 事故調査で出てくる事故原因や再発防止策は、ほとんどすべて後知恵でしかも運航の現場から見たら、猿知恵程度のものしか出てこないでしょう。

 民間運航会社に断られたりして、もしどうしても自主運航にこだわるなら、県警と運航を統合し、より大きな組織として飛ばすということはかなり意味があり、特に今抱えているパイロットや整備士や運航管理要員を生かせるというメリットはあるでしょう。

 さらに大改革という事なら、自主運航をしている岐阜県と統合し、より大きな組織として運航すると言うこともひとつの方法として可能性があり、さらに理想的には両県の警察まで含めた大きな組織が良いといえるでしょう。

 大きな組織の何が良いかといえば、ベテランから中堅、新米とひとつの組織の中に在籍して、複数の指導者の下、成長していける可能性が高くなります。

 また各個人個人の欠点などを比較的修正していきやすい環境となります。

 本来なら3県の防災、県警、ドクターヘリまで含んだ10機体制程度の組織運営が一番、効率的で安全性の高い運航が継続していけるのですが、不幸にしてバラバラの状態が確立してしまって、すでに遅いと言えますが、検討する程度はしても良いと思います。

 10機体制でパイロットが25人いればアルプスを飛べるパイロットの5人程度は出てくるでしょうし、新米からの成長も見込んだ人員育成ができるでしょう。

 機体の種類は大中小を含んだ複数機体制で、整備コストもおさえられ、運航には適材適所で機種を使い分けできます。

 私が以前から言っているように、北海道、東北、関東などと言うような地域割りで各所10機以上配置して、やれば良いのですが、今となっては相当なことが起きないと変わることが無いでしょう。

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