ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

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 MRJの名前をスペースジェットとわけのわからない名に変えた三菱がボンバルディアの小型ジェット部門を590億円で買収することが発表されました。

 私はこのニュースが衝撃的と受け取っています。

 2000機近い数を売ったボンバルディアが将来性がないと見切りをつけたからこそ売りに出したの部門を開発が遅れに遅れていまだに1機も納入できない三菱が買い取って人のふんどしで相撲を取れると踏んだからこそ買ったのでしょう。

 その見通しやいかにと言うところですが、なんしろ三菱は通産省を巻き込んですでに6000億円も突っ込んでしまっていますので引くに引けないのでしょう。

 つまり起死回生となるか泥沼へ付き進むかの分かれ目なのですが、要は時代を先取りする良い商品が開発できたかどうかで決まると思いますが未だに商品化できていないのは相当な問題点を抱えているのでしょう。

 ホーカーシドレー748のカーボンコピーのYS11の失敗と同じ結果にならなければ良いのですが、5回も納入を延期しているということはそのたびに大きな改修があったはずなので今後の展開が大いに気になるところです。

 マスコミが三菱の意を受けて楽観的な報道ばかりを行って批判的な事や実態を報道する姿勢が欠けていたことがここまで泥沼化した一つの大きな原因なのですが、失敗が確定したらマスコミは手のひらを反すことでしょう。

 

複雑な油圧系統、、、

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 昨日夜、JALの函館発の便が油圧系統の故障のため離陸した函館空港へ緊急着陸したそうです。

 その後この機体はすぐに飛行可能となったようですが空港の運用時間が過ぎてしまって乗客は東京へ向かうことが出来なかったそうです。

 ヘリコプターも引き込み式の車輪が装備されているAS332やAS330 も油圧系統が旅客機と似たような構造の様ですが、大変複雑で故障時の手順、対処がなかなか難しいものとなる場合があります。

 AS332は各エンジン駆動の油圧系統が2系統、エンジンが両方止まった場合などは電動ポンプによる油圧系統がローターのコントロールのみ可能で、車輪の出し入れ、車輪のブレーキ、テールローターの方向コントロールが出来なくなります。

 左右のエンジンと言うかギアボックスに2つの油圧ポンプがあってその油圧系統がそれぞれどの部分の機能を担うか、コントロールできないのかなどほとんど忘れてしまいましたが、330の場合の油圧系統の故障のパターンが確か数百通りもあり、とても覚えられないものでした。

 原則的には、油圧ポンプが壊れたり、系統に穴が開いてしまった場合でも重要なローターのコントロールとテールローターのコントロールをできるだけ生かし、ギアダウンは手動で行い、ヘリの場合あまり重要でない車輪ブレーキは効かなくなることを覚悟した方がよさそうだったように思います。

 私は幸いヘリコプターでは油圧系統の故障に遭遇することはありませんでしたが、T33では2回もギアトラブルに見舞われました。

 オスプレイもAS332と同じようにギアボックス駆動が2系統、電動ポンプ系統が1系統の3系統であると思います。開発初期にベル社のテストパイロットが日本に来た時に、ローター前傾で油圧系統が壊れたらどうなるかと聞いたら最終的にはバッテリーの電源で電動油圧ポンプの圧力でローターを垂直に戻せると話していました。

 今回のJALの函館のトラブルは離陸前にギアのピンを抜くことを忘れてギアを挙げることが出来なくで戻ったのではないかと疑うのですが、誰かカンパニーを聞いていた方はいませんか、、、
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 数億円以上の補助金をかけて作った屋上へリポートはただヘリが着陸できるだけで、その他の付帯設備はゼロでとてもヘリを運航できるような代物ではありませんが改善される見込みはなさそうです。



 全国で単独でドクターヘリを運航していない県のうち、福井県がドクターヘリの導入計画を決め21年度には単独の運航を始めるというニュースが入っています。

 これで確か残った未配備の県は東京都、京都府、香川県となったようです。

 東京都はドクターへリの導入を行う気がないようですから、残ったのは京都府と香川県となったようですが、いずれも今は隣の県に頼んで共同運航とお茶を濁しているようです。

 このように全国ですでに50機以上飛んでいて、運航体制の構築においての失敗に事例を多く見聞きしていますので、今後は極端な失敗は余り起きないでしょう。

 ドクターヘリが日本国内で飛び始めたころには、施設面や運航体制にいろいろと不具合を抱えたまま、見切り発車したものです。

 例えば極端な例では病院の屋上に数億円以上に費用をかけてヘリポートを作って基地としたものの、付近に格納庫や給油設備がなく、飛ぶたびに遠くへ給油に出かけて、出動できない空白の時間を作ったりして平気でした。

 また強風や台風などの荒天時は、格納庫のある遠方へ避難したり、屋上で降雪に会い、雪まみれになったりと、ヘリの運航はどうあるべきかなど自覚せず、ほとんど素人考えで発車しています。

 また長時間にわたって乗員が待機しながら天候情報や運航情報を収集する待機室が狭い倉庫で、足を延ばすこともできず、窓はなく天候を確認することもままならず、またトイレは3階も階段を上がり降りさせたりと、さんざんな運航環境で飛び始め、いまだに欠陥を改善することもできないところもあるようです。

 極端な例は枚挙に限りなくあり、数億円で屋上へリポートを作って運航を始めたものの、給油設備と格納設備、乗員の待機室が必要と分かって、病院敷地内に追加で地上へリポート格納庫などを整備する、大盤振る舞いをした県もありました。

 最後に残った数県がこのような失態をすることはないと思いますが、福井県ではどうも格納庫と給油は空港で、病院とは別になるようです。

 つまり一回の出動でフライト回数、離着陸回数が2倍となり、単純に同じ期間では出動時の2倍の無駄なフライトを繰り返して、事故率が倍になるということになります。

 乗員の待機室がどのような環境となるかは確かではありませんが、出動要請から3分で離陸するパイロットが、ゆったりとした席で、十分広い窓から、裏日本の雪模様の天候を監視しながら待機できるかどうか、気になるところです。

 また待機している乗員たちが、いつでも他人に気兼ねすることなく、自由に用を足せる気持ちの良いトイレが、待機室に隣接して整備されているかどうかも気になります。

 どうせ派遣で来ている運航会社の人間はそのような贅沢など言わずに黙って仕事をしろなどと言うことが普通に行われていましたが、飛行の安全には何が大切かなど気にも留めない関係者がひどいことをしたものでした。

 待機中のテレビは仕事に関係ないからと言う理由で長くテレビの設置など気にも留めてもらえませんでしたが、テレビから入る天気情報や、地震の情報などを常に流すことで、大いに安全運航にも役に立ちますし、被災地への出動の情報ともなると言うことを、実地に体験してテレビを付けたらいかがですかなどと言うような情けない提案をしたものです。

 東北震災の情報は自分が個人的に持ち込んで机の上に置いていた、携帯ナビゴリラからのNHKの地震情報でした。

 ほぼ全国にドクターヘリが行き渡った段階で、各地基地病院の運航設備や付帯設備の点検採点を行って公表し、ランキングを付けてみることも良いのではないでしょうか。

 福井県は最後っぺなので、先輩各県の模範となるような運航設備を整備することをぜひともお願いしたいものです。

 
 
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 静岡県ドクターヘリが就航以来2万回出動を記録したというニュースが入っています。

 静岡県はドクターヘリ先進県で岡山県の川崎医科大学病院の導入に次いで全国で2番目、2001年に県西部浜松聖隷三方ヶ原病院に入り、続いて2004年には2号機目が県東部順天堂大病院に配備されました。

 18年間に2万回ですと年間1000回強、1機あたり年間500回強 一日2回程度ですので、ドクターヘリの時間短縮による救命効果の高い症例に活用されていることが伺えます。

 他県の例では2番目に多いのが兵庫県、3番目が北海道となっているようですので、地域的にドクターヘリを有効に活用されているかどうかの目安にもなりそうです。

 飛行回数が万単位となると気になるのがやはり事故や不安全と言うことですが、ヘリの事故の頻度は飛行10万時間に1回の大事故と言う目安が昔から言われていて、1万時間飛ぶパイロットが10人いると一人は大事故に遭遇することになります。

 現実的に自分と周りの同僚先輩後輩を見渡すと10人に一人よりはやや多いように感じます。

 このニュースに接すると一番にはドクターヘリのより有効な活用、飛行、もう一つは無事故安全と言うことになり、記録の節目でこの2つの目標をより発展させるためのさまざまな取り組みを関係者に求めたいものです。

 今何が足りないかと言うと、この二つの課題を現場にすべて押し付けて、管理部門や行政官庁があまりに知らない顔をしているのではないかと言うところが気になるところです。

 これは防災へりにも言えることで、過去の事故すべてが管理行政の責任重大と言えるでしょう。
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 この初心を見ると、テールローターが無傷で着いているのでハードランディングでバウンドして前のめりになってローターが地面をたたいて激しく落ちたようです。
 

 立川飛行場で30代の3尉の機長昇格訓練中のUH-1がオートローテーションの着陸時にテールが地面に接触して、姿勢を制御できなくなってローターが地面をたたいて大破したようです。

 訓練中の三尉は飛行時間が650時間程度で50代の一尉が教官として横に乗っていたようですが、危険回避の修正操作を行ったかどうかわかりませんが、いずれにしても間に合わなかったようです。

 オートローテーションの訓練は陸自ではフルタッチと言って、エンジンとローターの連結を切り離したまま最終的に着陸して停止するまで、滑空して行う、着陸復行が出来ない方法で行っているようです。

 滑走路状のある程度以上に硬くて平らな草地が広くないと、この方法は危険すぎるので、条件の良い場所が取れない場合の多い民間では、パワーリカバリ−と言う、最終局面でローターにエンジンパワーを繋いで安全にコントロールできる状態に戻して、接地までしないでホバリングで終わる方法を取っています。

 接地面がある程度固くて平らであれば、最終的に沈みが止められない状態になりそうなら、前進速度を止めないで滑走するように接地させれば今回のように尾部を地面にぶつけることを止められるので最終着陸まで、接地面の状態は保証されているならフルタッチを日常的に行うことはそれほど不安全ではないという理由である程度の危険性を冒しても、フルタッチを行う理由があるということになります。

 民間のように地面の状況の良い広い場所が取れないところで、うまく沈みと行き足のコントロールが出来なくて、速度を残して接地するとスキッドが地面に潜り込んだり、引っかかったりしていきなり横転する可能性があるので、日常的に最終局面はパワーを入れて、シュミュレーションで護摩化しています。

 オートローテーションの訓練は民間方式でも結構リスクが高くて、たまに今回のような事故が起きるほどですから、フルタッチ方式はさらにリスクが高く、双発エンジンのヘリが増えた現在では、実際に緊急事態になってオートローテーションを失敗してヘリを壊す確率より、訓練中に壊す確率の方がはるかに高く、陸自では数年に一度程度は実際に壊したり、壊しそうになったりしているようです。

 そのためアメリカなどでは、オートローテンションの訓練そのものを行うこと自体に疑問を抱く向きまであります。

 つまり実際にはそれほど起きない故障を想定して訓練で事故を起こすとは何のための訓練か、本末転倒であるという意見です。

 しかし、ヘリパイロットが、機長として習得すべき、速度行足と沈みの微妙な関係とコントロールの関係、体感、修正操作を会得する最も良い科目がこのオートローテーションフルタッチなので、陸自としてリスクを冒してこの科目を続けているようです

 ヘリパイロットとして機長として飛ぶにはこの程度のレベルを必ず習得する必要があり、避けて通れない道なのでかなり難しいとこころで、陸自としてもリスクと訓練効果の兼ね合いで判断が難しいところです。

 いずれにしても訓練生の一瞬の判断操作の遅れは普通に起こるので、それを見抜いて適切な修正操作ができる、教官操縦士としての高い能力が必要であることは間違いはなく、教官の人選や教官訓練の充実と教官自身の高い意識が必要でしょう。
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 ニュースでは先日のF2の事故でも同じような内容の事故調査報告があり、パイロット教育の難しい局面での失敗が問われています。

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