ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

パイロット

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 航空機の操縦士が搭乗してパイロットとしての業務をするには、定期運送用操縦士、事業用操縦士、や自家用総操縦士の基本的な資格のほか、一定以上の大きさの航空機の場合は機種ごとの限定免許が必要となります。

 昨日の記事で、消防防災ヘリの副操縦士として乗る若手の資格は、基本の資格と民間ヘリ会社社内の運送用操縦士の資格を有していればこの機種限定免許がなくても良いと言うことにするそうです。

 なぜならちょっとしたヘリでも限定免許を取るには、おおむね2000万円から3000万円かかり、副操縦士に該当するような年代の者が個人的に負担するにはあまりに巨額で自分で出せる者はいないということでしょう。

 採用してすぐにこの訓練をして取らせるということも良いのですが、採用して免許だけ取らせてもらって、すぐに退職、他の県へ転職という不届き者がいないとも言えないので難しいところです。

 今回の消防庁の、この無資格者を副操縦士として、パイロットの業務に当たらせる試みは、書き込みいただいたように今の制度では航空法違反となるほか、操縦士としての飛行経験として記録できることはありません。操縦すると違法になり、見ているだけでは技量はつかないでしょう。

 ヘリコプターパイロットの場合、この機種ごとの限定免許と言う資格のほかにさらに重要な資格と言うか経験と言うか、民間へり会社が訓練と経験で発令する業種ごとの機長発令があります。

 この資格は簡単に言えば農薬散布が出来る、物資輸送ができる、報道取材が出来る、ドクターヘリに従事できる、物資輸送の中でも木材搬出が出来るなど業種別に分けています。

 これはなぜかと言うと、ヘリコプターの場合は従事する業種によって業務内容や操縦方法などが大きく違っていて、専門的な知識と特有の飛行方法をマスターする必要があるからです。

 機種ごとの資格の試験認定を国家が行うのに、このような重要な資格制度をなぜ国家が行わないかと言うと、国の資格試験制度がなく、また航空従事者試験官自体がこのような知識と経験がなく、試験判定できないからとなっています。

 またさまざまな業種は技術的な難易度や従事に当たって訓練に必要な基本的な技量も大きく違っていますので、パイロットがどのような業種の仕事をしているかだけで、その能力と経験がわかるほどとなります。

 木材搬出をするパイロットはどのような仕事でもこなせる経験と能力があり、報道取材しかしていないパイロットは防災ヘリも物資輸送もほぼできないということが常識となり、報道取材を10年すればドクターヘリ程度はこなせるかなと言うレベルとなります。

 また業種の階段を上るように経験と技量の進歩に従って難しい仕事、より大型機へと移行していくのですが、年数が多くても、適性や能力のため、業種の階段を上がれないパイロットは普通に存在します。

 パイロットと仕事を数多く抱える会社はパイロットの仕事を適性や技量経験でうまく割り振りできますが、少人数の会社ではその選択が出来なくて、不適格者でも難しい仕事をやらせざるを得ないようになる可能性があります。

 パイロットがたりなくなると、下はCSや運航管理業務を行っていた、事業用操縦士有資格者がパイロットの業務に就くことになり、上は報道取材から防災ヘリに配置転換となるような移動が行われて、どこかで不適格者が事故の遭遇するような可能性があります。

 定期会社は、大型機も小型機も基本的に業務内容は同じなので難易度に差は少ないので、より大型機への移行だけがパイロットの経験技量を物語っていますが、ヘリの場合は業種がその基準となっていて、報道よりはドクターヘリ、ドクターヘリよりは防災ヘリ、防災ヘリよりは物資輸送と機種よりは業種がパイロットのステイタスの判断となります。

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 先日の三沢のF35の事故はパイロットが空間識失調に陥ったため、姿勢が把握できないまま海面に激突したのではないかという報道発表がありました。

 どうも音速を超えるスピードで真っ逆さまに海面へ突っ込んだ様子で、空中を飛ぶパイロットにとっては大変恐ろしい事故です。

 人間であるパイロットが自分の姿勢感覚や速度高度感覚を否定して、計器を信じて、異常姿勢からの回復操作をするなど、とても人間業ではないので、暗夜にいったんバーティゴに入ったら助かることは難しいでしょう。

 その昔 T33の夜間航法訓練で北側から急降下しながら浜松飛行場直上を通過し、目標物のある海岸線を通過して、星空のような漁火の遠州灘へ突っ込んでいったとき、一瞬空と海の区別がつかなくなってバーティゴに入りかけたことがありました。

 さて、大きな姿勢変化をすることが少ないヘリコプターの運航でバーティゴのような現象が起きることがあるのでしょうか。

 一番危険の高いバーティゴのような現象はやはり雪の中の、降雪中のホバリングです。

 雪の中のホバリングで静止してるとき、自分が吹き飛ばした雪が前に飛んでいく様子が視界の大部分を占めれば、ヘリが止まっているのに大きく後方へ移動しているように見えることがあります。

 その時の外界の見え方によって、ホバリング静止しようとすれば、前方へ飛んでいく雪を追いかけることになり、急激に前に移動することになり、ホイストで人を吊っていたり、スリングに荷物を吊り下げていたら大変なことになります。

 激しい雨の中、風防に着いた雨滴はローターの吹きおろしで、上下左右に激しく動き、その動きに視線を集中してしまうと、ヘリが大きく動いているような錯覚に陥り、ホバリングしていられなくなります。

 ヘリの夜間の不整地やヘリポート以外の場所への離着陸は、どのような光線具合なのか、障害物の見え方はどうなのか、風の影響と速度コントロールなど、昼間に比較するとどの程度の危険性があるかなど、多くの民間ヘリパイロットには未知数な部分が多くあり、一瞬にして障害物に激突しかねない危険が潜みます。

 空自の戦闘機パイロットは体験や事故例に元づいた訓練教育を受けているにもかかわらずある一定の確率でバーティゴによる事故が起きているようです。

 ヘリコプターの運航はこれに似た部分があって、多くの事故が起きている割には訓練教育が行き届いていない面があり、将来の夜間飛行に向けて十分な準備が必要とされる所以でしょう。

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 早速 現場から厳しい状況を書き込んでいただきましたが、果たして民間ヘリパイロットと言う職業が今後末永くこのように存在できるかどうか、現時点が分水嶺に来ているように思います。

 過去には農薬散布や物資輸送、送電線パトロールと民間ヘリパイロットが一人当たり300時間も400時間も飛べる仕事がありましたので、若手からベテランへと育って行ける環境がありましたので、定年時には誰でも1万時間は普通でした。

 今は飛べる仕事がほとんど消滅し、長時間待機ばかりで年間100時間を切る状況だそうですから、給料は安くて、技術は伸びず、航空会社でありながら飛ぶということを重要視しなくなり、パイロットの地位はどん底という状態のようです。

 この状況では若い人が志望して入ってくる世界ではなくったようなのですが、乱立している飛行学校や専門学校が詐欺まがいの宣伝をして高額の訓練費を吐き出させてライセンスを取らせているようです。

 このままでは業界そのものが消滅し、公的なヘリは将来的には公務員パイロットがこの分野を肩代わりするしかないでしょう。

 今のヘリ運航会社は、すべてヘリ整備会社としての道を選ぶしかなさそうです。

 ただし、国家や自治体が今の状況を正しく認識し、公務員パイロットの養成育成を国家的な規模で行う組織体を作るように動くことが出来れば比較的急速に実現へ向かうでしょう。

 民間会社は存続がかかっているので、パイロットはなんとしても供給するということでしょうけれども、そのためには自腹で、いつ辞めるかわからない、また能力が未知数の入社間もないパイロットに高額の訓練費をかけることが出来るかどうかなのですが、それな経営上も無理でしょう。

 もはや危機的状況は行くところまで行っているので、今でも手遅れの様子ですが、誰も言い出さないところがさらに危機感を深めています。

 行政は傘下の民間運航会社の味方なので、ドクターヘリ機長要件を2000時間から1000時間に規制緩和もどきのことを平気でやりましたが、これとても全くのパッチ当て、泥縄対策で、下手をすれば状協をより悪くすることに加担したと、後世の世論が判断するかもしれません。

 すでに世の中の仕組みは民間ヘリパイロットが育たないような状況にあるのは少しでも知識のあるものならわかるのですが、当事者は口が裂けてもそうは言えないところがこの問題の根が深い点でしょう。



 行政当局、運航会社経営者、運航担当重役、これらの人間は自分が在席している時さえ、まともな給料が出て、無事に乗り切れればあとは知らないという態度なので、この業界を目指す若者たちには随分と酷な事になっていても知らない顔のようです。

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 いろいろと種類のあるパイロットの仕事の中でも、ドクターヘリパイロットはかなり特殊な仕事であまり良い仕事とは言えないように思います。

 テレビドラマで取り上げられて、ヘリのパイロットの中でもかなり注目度が高く、人気があるように見えましたが、業界の中でも、どちらかと言えばマイナーな仕事です。

 一番の理由は誰でもパイロットになるのはやはり、飛びたいという気持ちが強いのですが、ドクターヘリパイロットは勤務時間が長いのに飛ばないということがあります。

 同じような仕事である防災ヘリは、実働以外に搭乗する救助隊員の訓練をのため年間300時間程度は飛行しますので、普通、防災ヘリを担当するパイロットは200時間程度以上は飛ぶことができます。

 ドクターヘリのパイロットは勤務する地域にもよりますが、全国を平均すると年間500回出動で飛行時間は250時間程度、これを2人のパイロットで分けると125時間程度となります。

 これより飛行時間が少ないと思われるのは、テレビなどのニュース取材のパイロットで最近はドローンに空撮を取られて、地方になると月5時間程度しか飛べないパイロットは多数います。

 月間年間の飛行時間が少ないのにある程度の熟練性を求められるのでどうしても引退前の高齢パイロットがドクターヘリや防災ヘリを担当することが多くなりますが、最近は絶対数が足りないので若手もドクターヘリや防災ヘリに乗らざるを得ないようになっているようです。

 そうなるとヘリパイロットになったが最後、引退まで年間200時間以下の勤務状態が続くことになり、技量の向上は望めず、給料は安いまま年老いていくことになります。

 自衛隊や海上保安庁のヘリパイロットは年間予算で飛行時間が決まり、一線パイロットととして勤務している限りは年間300時間程度は飛べそうです。

 片や定期便のパイロットは普通に年間500時間は飛ぶようですし、多ければ700,800時間も夢ではなく、当然給料も多くなります。

 私が30代40代のころには原発関連の送電線工事が全国的に展開し、物資輸送を担当する幸運に恵まれたヘリパイロットは普通に年間500時間程度は飛行でき、自分の最高は750時間を超えたことがありました。

 今の時代は、ヘリパイロットが飛べるような業種はほとんどなく、飛ばない仕事ばかりが集中していて、何のためにパイロットになったのかと嘆くような状態で、ライセンスを取っても若いころはほとんど飛べる仕事はなく、CSや運航管理の仕事で薄給に泣くということになります。

 また運よく飛べるような仕事に就いたとしても、年はすでに40代に近く、飛行経験は増えず、技量は上がらず、気が付いたら5000時間も飛べないで引退となりそうです。

 民間のヘリ業界がこのような状態から改善される見込みはほとんどありませんので、必要な熟練パイロットは自衛隊OBを当てにするしかありませんので、純民間のヘリパイロットが育っていく過程はほぼ絶望となるでしょう。

 となると、どうも防災ヘリやドクターヘリしか有望な仕事がない民間ヘリ業界はますます衰退していくことは避けられず、このことがパイロットの育成もできないという最悪の悪循環がすでに起きているといえるでしょう。

 その点、定期航空業界は副操縦士制度で若手の育成には困ることはありませんので、やる気と能力ある人材がパイロットを志望しても裏切られることはなさそうです。

 飛べないパイロットがごろごろしているという状態はあまりに悲惨で見るに堪えない状態なのですが、なす術はないようです。

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 2030年問題というパイロット不足のピークが来るという予想があり、この大きな問題をAIが一挙に解決するかと言う夢のようなことが言われているそうです。

 つまり航空機運航の自動化は際限なく進むことはほぼ間違いはありませんが、無人航空機が実用化する前には一人操縦の定期航空機が一般化するのではないかという予想です。

 1960年代にアメリカで実用化されたF104という傑作機の戦闘機はウイドウメーカーという不名誉な名前を付けられて、空自だけでも50人くらいが殉職していますが、もう一つの与えられた名は最後の有人戦闘機と呼ばれたものです。

 さらにF104の次に導入されたF4ファントムという戦闘機に至ってはなんと2人乗りとなりました。

 車の自動運転はいろいろ問題点が出て、どうも開発の速度が落ちて実用化のめどは立たないようです。

 いろいろな新技術の未来予測は予測する人の頭が相当悪いのか、石油が40年で無くなるといった性悪人間のように、何らかの利益誘導のために出まかせを言っている可能性があります。

 自動化技術の進展で旅客機が一人操縦になりそして最終的に無人化されるかどうかは、この類の予想と同じで実現するかどうかは、無理だというのが本当なのでしょうか。

 まあ 嘘でも旅客機の一人操縦が話題に出る中で、消防防災ヘリをダブルパイロットにしろというほどですから、ヘリの世界は相当に遅れているというべきなのでしょうか、それとも現実を見ない旅客機一人操縦論者に比べれば、機械と人間の信頼性の向上には限度があるという現実的な理論のまともな人たちなのでしょうか。

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