ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

定期航空

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 パイロットの飲酒不祥事を巡り、国土交通省は航空各社へ立ち入り検査を行うことを明らかにしました。

 航空局の航空会社への立ち入り検査は、事故や重なる不安全のときに行う臨時検査と数年おきに定期的に行う検査と二通りあります。

 今回は臨時検査ですが、立ち入る日にちと場所を通知していますので、まだある程度、お怒りは中程度で、ある意味友好的と言え、対世間的、対マスコミ的な態度と見え、あまり危機感は持っていないようです。

 立ち入り検査を受検する各社は、運航管理部門は準備で徹夜続きでしょう。

 何をするかと言えば、書類の準備が殆どで、運航規程に基づいて行ったことの記録が抜けていないかと言うことが中心で、抜けていれば改竄、取り繕いをする事が主な準備でしょう。

 私自身は地方の所長をやっていた時に、定期検査の立ち入りを受け、これも十分に準備できるように日程を通知してくれます。

 これに引き換え事故のときの、業務上過失致死などの疑いで、警察の踏み込みを受ける場合は突然に来て、書類関係は手当たり次第に押収されるため、改竄、取り繕いは出来ないのでより厳しいと言えます。

 今回の立ち入りでは、酔っ払い容疑ですから、搭乗前のアルコール検査の記録と、検出した場合の対応の記録などが中心に調べられることでしょうから、予定搭乗割の記録と実際に搭乗したパイロットが違う場合を割り出して、それがアルコールによる場合かどうかなど詳しく書類を当ることでしょう。

 このような検査は事業として飛ぶ航空会社のみを対象としていて、防災ヘリや消防警察などは自家用運航となっているので、このような航空法上の管理面はすべてライセンスを持って飛ぶパイロット自身がすべてを自己管理することになっています。

 一応、運航を管理するような体制を取っているように、組織つくりをしていますが、航空法上はまったく責任がなく、立ち入り検査を受けることもありません。

 事故の場合は事故調査委員会と警察が調査しますが、すべて任意聴取で、パイロット以外は法的責任を問われることも、管理責任を問われる事はありません。

 運航会社は航空法に基づく、運航規程や運航業務実施規程に従って、正しく運用しているかを検査され、会社とライセンスによって仕事をしている個人は行政処分の対象になる可能性があります。

 今回の立ち入りで、結果的にはかなり厳しい業務改善勧告が出て、後に改善状況を報告すると言うことで一件落着となるでしょう。
 
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  バブル当時日本では自家用ヘリを持つことが流行しました。

 その草分けは本田宗一郎氏でもともと航空マニアと言うか愛好者であって将来は航空機を作って売り出したいと言う壮大な夢を持っていて、現実に小型ジェット機を製造して売り出すところまで行ってしまいました。

 206Bを朝日ヘリコプターからチャーターして全国の本田販売店を回っていたようですから、実用的な使い方と言うことだったようです。

 このような先駆者が切り開いてヘリコプターの自家用機が全国隅々まで飛び回るような時代が来るのではと一瞬期待された時期がありましたが、藻屑と消えたようです。

 それはなぜかと言うと、一般にヘリコプターは少し広い場所があればどこにでも着陸できそうなので、機体価格が多少高くてもそれを上回る利便性があるのではないかと思われたようですが現実にはまったくただの夢であったと言うことでしょう。

 トヨタやソニーやパナソニックなどのように全国各地に広い工場があって、その工場の間を任意に飛行する需要があれば、ヘリコプターは自家用機として多いに普及した可能性があったのですが、そのような需要はごく限られていて、馬鹿高いヘリを飛ばすような必要性はなかったと言うことでしょう。

 必要性のないところに多額の費用を使うことは、ワンマンオーナー会社の社長でも、株主の目が怖くて出来ないでしょう。

 会社や法人出ない単なる個人が自腹で自家用へりを買って飛ばすことに何らかの実用的な意味を見出せるでしょうか。

 自家用に限らず、車でもヘリでも飛行機でも舟やヨットでも動かすことのみで満足するならとにかく、すべて移動手段ですから、少なくとも2地点を結ぶところを移動することは必須の条件でしょう。

 出来れば2地点間だけでなく、あっちにもこっちへもへ自由自在に移動する道具として使えるかと言うとこれが自家用ヘリにはまったく出来ないと言うことになります。

 所有するヘリの基地は多額の費用をかけて、広大な敷地を用意して作ったとしても、飛んで行ける先はほぼ地方空港だけで、赤の他人が飛んでくるヘリの着陸用地を提供してくれるような、善人はいないでしょう。

 誰でも使用できる公共用のヘリポートはほとんどありませんし、車で旅行に行くようにヘリで行くことはほぼ出来ないでしょう。

 バブルの時代は物好きな経営者がやっているゴルフ場や温泉ホテルなどにヘリの着陸スペースがありましたが、今はほとんどなくなっていますし、万一使えるものが残っていたとしても、書類をもらって許可申請をその地域の航空事務所へ10日前くらいには提出する必要があります。

 3日後に行くと決めても許可が間に合わないと言うことになります。

 ヘリコプターと言う世紀の大発明の文明の利器も自家用で使用するにはほとんど実用性がないと言い切っても間違いではないでしょう。

 セスナのような小型機は全国の地方空港はほぼ自由に使えるところが多いのでまだ実用性はあると言うことになります。

 ヘリの場合少し広いところへ着陸できるのに、空港へしか着陸しないなら何の意味もないと言うことになるでしょう。

 このような状態ですから、日本で自家用のヘリや小型機を持つ人たちはほとんどが飛ぶことが好きで趣味で飛ぶような方でないと、持つ意味がないと言うことになります。

 ヘリや小型機の利便性がたいへん有効なものなのに、なぜこのようないびつな航空行政になってしまったのかは、航空法の目的、航空の発展と言う第一原則が、航空の発展ではなく、大手航空運送会社の発展と読み替えて行政を行ったためでしょう。

 
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 大韓航空の羽田のエンジン火災のような大きなインシデントが起きた後、パイロットはどのような注意をしながら運航するべきなのでしょう。

 あるいは運航会社や航空当局はパイロットなどの直接運航する要員へ何らかの注意喚起をするべきなのでしょうか。

 そしてもしそういう注意喚起をする必要があるならどのようなことを注意喚起すれば良いのでしょうか。

 いやいつもどおりの規定に従ってたんたんと運航すれば良いのでしょうか。

 原因が不明であれば想定できる原因をリストアップし、その原因となるような不具合をあらかじめ注意点を絞って注意し、小さな異常のレベルで発見して、同じようなインシデント事故に発展する前に止めると言うことに努力するか。

 このあたりが航空機を運航する組織として、あるいは運航する組織を行政として管理指導する航空局は何をするべきか判断を求められるところでしょう。

 いや原因がわかるまでは何もしないでタダ注意しろと言うことも一つの対応でしょうけれども、今回はどのような対応を取るか大変気にかかります。

 離陸滑走中に大型の鳥がエンジンに飛び込んだとか、地上で駐機しながら、点検整備しエンジンの前方にスパナを置き忘れたとか、はっきりした抜かりがあったとしたら対応は簡単でしょう。

 しかし正規の点検整備を受けていたエンジンが、いきなり爆発したと言うことなら、大変対応は難しいものとなりますが、インシデント発生までの離着陸、運行中のエンジンのモニターに問題がなかったかと言うことも気になります。

 ひとつの事故インシデントについて、その原因には必ず多くの可能性があり、それを特定するまでもなく、可能性に対する対応を取りながら安全性を各保しつつ心の原因を突き止める必要があります。

 その様な原因究明作業や安全性維持の手法の中に、組織としての能力や忠実性が出て、行政も運航業者も評価されると言うことで、タダ単にインシデントを起こしたことだけが評価の対象になるわけではありません。
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 毎日アシアナ機のことばかりで恐縮なのですが、ことがことなので今ひとつしつこく書いてみます。

 ジェット機の計器飛行はすこしかじった程度なのであまり的確な意見は出せないとは思うのですがあしからずです。

 一般に計器飛行方式によるアプローチで、DHに来たときに滑走路が見えなければ、その場でゴーアラウンドでホールデイングパターンに入って天候が回復すればもう一度アプローチするかオルタネイト(代替空港)へ向かうこととなります。

 一般的には雲の中を降下してきて、許容される最低降下高度 決心高度に達しても滑走路が見えなければゴーアラウンド(着陸復航)となりますが、今回の場合はこのような普通の場合と少し違っていて、降下してくる途中から決心高度デシジョンハイト 最低降下高度を通過してもずっと滑走路を視認していたのではないかということが言えそうです。

 詳しく当時の天候を調べたわけではないのですが、積乱雲が通過した直後であったようですので、気流は悪いものの、全般的にはそれほど悪い天候ではなく、問題は強い降雨の直後によく起こる、山腹に濃いガスが張り付くような現象がちょうど滑走路28のすぐ手前の場所で起こり、決心高度を通過し、滑走路直前の極低い高度で濃いガスの中へ飛び込んでしまったのではないかと思うのです。

 このようなガスの中へ入っていく飛び方はヘリコプターの場合良くあることで、速度をゼロにして様子を見たり、小さく旋回して元に戻ったり、あるいはかすかにでも見えるなら前方へ飛んだりしますが、ガスに入っていくときにかすかに前方が見えたままくぐれるか、途中で視界をすべて失うかどうかを判断することは大変難しいものです。

 150ノット程度でガスに入って行っていますので、山腹にかかったガスが500メートル程度の幅があったとしても、通過するのに、30秒もかかりませんので、視界を失うか、ぎりぎり通過できるかどうかの判断は大変難しく、ためらっているうちにすぐに地面高度に接近するでしょう。

 ならば早めにゴーアラウンドするべきでしょうが、決心高度ははるか手前で通過していますので、一旦その関門を通過したパイロットの判断は大変厳しいものとなり、瞬間遅れただけで今回のようなことになってしまいます。

 たぶん決心高度では滑走路が十分見えていたものの、滑走路直前のガスは障害だけれども視程は1800メートルと通報されているし、ガスに入っても10秒もないと軽く見たのでしょうか。

 ガスの外をアプローチしているときには滑走路の見え方と、降下率とである一定の進入角度を維持してきますが、ガスに入った瞬間 レファレンスを失い降下角度を維持できなくなり、下がったり上がったりしても殆どわからず、10秒20秒の時間が大変な結果を招きます。

 ILSに乗っていればグライドパスが高い低いを正確に指示しますので、今回のようにアンテナに引っ掛けることもなかったでしょう。

 決心高度で滑走路が見えなければゴーアラウンドなのにいったい何をしていたんだ、と簡単な話ではないように思います。

 ガスの中を飛んでいてもかすかにでも見えているときは見えているし、それがうっすら空真っ白へとなれば見えないと言えますのでその加減もよく理解していないと判断が遅れゴーアラウンドのタイミングを逃すことになりひどく危険に遭遇し、、いつもいつもうっすらでゴーアラウンドしていては、オルタネートへばかり行くことになります。

 視程が1800メートルと通報を受けた場合と300メートルと受けた場合ではパイロットの進入の入れ込み方がまったく違い、1800と聞いていてゴーアラウンドを準備するパイロットはそう数多くはいないでしょうし、300と聞いていてガスに突っ込むパイロットもいないでしょう。

 ドント ヘジテイト ゴーアラウンド ゴーアラウンドをためらうななのですが何事も教科書どおりに行かないことが世の常です。
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 昨夜8時ころ、広島空港で韓国のアシアナ航空のA320が着陸に失敗し、滑走路を外れて20人程度が軽症を負ったようです。

 航空事故の連鎖は止まるところを知らないようです。

 事故を目撃した空港職員によると、機体後部が滑走路に激しく接触した様子で、激しく火花が飛んだので消防へ通報したようです。

 この目撃情報と滑走路を外れた事故後の様子、そして乗客の証言に酸素マスクが客席天井部分から出てきたと言うものがあると、ほぼ事故の様子が相当程度、正確に読み取れます。

 航空機が接地する瞬間、激しく後部を滑走路にぶつけると言う状況は、失速速度寸前の航空機が一定の速度を失って、失速に入るとき、姿勢を保ったまま急に落下し始めますから、パイロットは本能的に機首を激しく上げようとしますので、さらに速度を失い、沈む速度が大きくなり、それに応じてさらに機首を上げますから、悪循環に入り、結果的に過大な機首上げとなり、必然的に、機体後部が激しく滑走路にぶつかることになります。

 次に起こることは、滑走路にぶつかった機体後部は激しく跳ね返って、次に今度は逆に、機体前方部が滑走路にぶつかり、下手をすると機首の車輪が破損するか、またはもう一度跳ね上がって後部が滑走路にぶつかりそうになります。

 このような動きを激しくなりながら繰り返すのがポーポイズという現象で、まっすぐに撥ねているうちはまだ良いのですが、左右に傾いてこの現象に入ると、翼が滑走路を激しくたたくか、主翼の下に着いたエンジンが滑走路にたたきつけられると言う現象が起こり、機体は滑走路を外れて草地に突っ込んで、大きく壊れることになります。

 このような危険性の高い動きをしながらも、何とか止まればけが人程度でますが、エンジン付近からでも出火すれば、死亡者が一挙に増えるということになります。

 アシアナ航空のサンフランシスコ事故の例と今回の事故例を見るとき、日本で言われている、パイロット不足の危機という問題が韓国でも起こっていることが伺えます。

 巷で言われている日本のような状態でも、ここまで情けない着陸はあまり聞いたことがありませんし、着陸寸前に高おこしになったとしても、今回の広島のように十分長い滑走路があれば、少し滑走距離は伸びますが、機長がそれなりに状況を読んで、パワーを足して、沈みををコントロールしてホットにつければよさそうなものですが、機長も技量不足なのでしょうか。

 それとも機長自ら失敗したのでしょうか、それにしてもこのような失敗は事業用操縦士受験生レベルの数百時間のパイロットの失敗例で、その程度が飛び回っていると思えば安心して乗れないと言うことにになります。

 

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