ドクターヘリパイロット(元)奮闘記

老いぼれドクターヘリパイロット(元)の繰り言

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 昨日は防災ヘリのダブルパイロット制についての記事を書きましたが今日は関連する内容となります。

 防災ヘリの運航上の問題点の改善は運航する各自治体にその責任がありますが、自治体に航空専門の組織的な部門はなく、また全体を統括する総務省消防庁にもそのようなものはありません。

 このようなことは警察が運航するヘリや厚労省が管轄するドクターヘリについても同じようなことが言えます。

 また航空を管轄する国土交通省航空局という部門はありますが、残念ながらヘリコプターを専門的に統括する行政組織はなく、いわゆる片手間にヘリを扱っているような状態と言えるでしょう。

 このようにヘリを統括する専門的な組織がないため、ヘリを導入して、パイロット整備士を訓練し、育成し、安全対策や無事故運航を推進するようなことも、十分なされない恐れがあるような体系となっています。

 その点ヘリを数百機単位、百機単位、50機単位で運航する3自衛隊。海上保安庁などは一元的に統括管理する組織的な運用を行っている点で、かなり水準が高いと言えるでしょう。

 このような点からみると、総務省消防庁の防災ヘリ安全性向上の有識者検討会で出される内容は、子供の戯言程度か,群盲象を撫ぜる程度であると言われても仕方がないかもしれません。

 しかしそのような提言でもないよりはまし程度かもしれませんが、同じような運航をする各組織が協調して、横断的な連携組織を作り、ヘリの導入から、要員の育成、安全性向上のための施策、さらには人事交流などなど、もっと有効で効率的な運用をできないものでしょうか。

 少なくとも一番困難なパイロットに養成や育成、経験技量の向上、人事交流と配置転換など、連携して組織横断的な部門を作るべきでしょう。

 ヘリが1機、パイロット整備士が2,3名、管理要員が2,3名の適切に管理監督されない、零細運行組織を全国に100か所も200か所も作るなどほとんど狂気の沙汰でしょう。

 そのような零細組織はヘリを売る商社やメーカー、運航要員を派遣して運航を請け負う民間ヘリ会社、組織を渡り歩く欠陥運航技術者たちの食い物にされ、ただの税金の浪費に終わっている可能性があります。

 何とかならないものでしょうか、、、、


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 昨日は読者の方から富山県のフライトドクターが防災ヘリからのホイスト降下の訓練をしているという情報をいただきました。

 日常的にホイストによる降下の訓練をしていない、いわゆる素人が年間数回程度の訓練をするだけで緊急救命のため山間部などでヘリからホイストで降下することが果して必要なのか、安全性に問題はないのかというようなことをよく検討してみることが必要でしょう。

 この問題は過去にも何回かはブログ記事にしていますが、基本的に私はその必要はない、危険性に勝るほどの効果は薄いのでわざわざ危険を冒すことは必要がないという考え方です。

 ただし、担当する医師や看護師、フライトドクター、フライトナースの方がやっても良いという考えなら止めることはしませんが、やりたくないという考えなら強制はするべきではないでしょう。

 その理由ですが、たしか日本国内30年程度の間に、防災ヘリや消防ヘリのホイスト実施中、訓練中3回、救助中1回 計4回程度ホイスト中に落下し、確か3名が死亡しています。

 その間、同じようにホイストを行っている自衛隊や警察ヘリは落下事故を起こしていないようです。

 つまり素人集団は事故が多すぎます。

 2番目の理由は山岳地帯の救助事例で医師看護師が降下するメリットがあまりにないということになります。

 要は救助依頼から治療開始までの時間をいかに短縮するかということにホイスト降下が時間短縮に効果があるかどうかということになります。

 通常フライトドクターたちはドクターヘリとともに基地病院に待機していますので、防災ヘリが基地病院へ迎えに行くか、ドクターが空港の防災ヘリ基地へ移動する時間がかかります。

 そんな時間があるならまっすぐ現場へ行って、ホイストで救助して、そのまま病院へ直行するほうが早いのではないでしょうか。

 どうしても医師看護師を現場へ連れて行きたいなら、救助隊員だけがホイストで降下し、医師看護師は降下しないで機内で待ち、上がってきた患者を診断治療しながら病院へ飛べば、医師が降下して診断治療するのとほとんど時間は変わらないでしょう。

 大けがをしていてある程度の処置をしないとバックボードに固定できない場合と、患者が何かに挟まっていて、救出できないときのみが医師が降下する必要がありますが、山岳救助ではそのような例はほとんどあり得ないでしょう。

 また、日常的にホイスト降下の訓練をしていない素人が、ある程度安全に降下するには初期に10回程度、年間3,4回程度以上は訓練をする必要が、また降下する医師看護師の方の基礎体力や運動神経が一定以上でないとリスクが高くなりますので、全員というわけにはいかないでしょうし、希望や人選も必要となり、事案が起きれば、誰でも出れるというわけにもいかないでしょう。

 マスコミ受けを狙っただけのような、上っ面だけの訓練で、荒れ狂う、3000メートル級の冬山に素人がホイスト降下するなど、自殺行為と言われてもおかしくないでしょう。

 D−CALLNETの推進者がドクターヘリもホイストを付けて日常的に山間部などの自動車事故に対応してホイスト降下するべきだなどと、ばかげたことを一部言っていますが、重量いっぱいのドクターヘリで経験の浅いパイロットと素人降下ではこれも自殺行為を強要しているようなものです。

 つまりヘリの運航リスクと要求レベルの兼ね合いを常に自らの都合だけで主張し実行させること強要すれば犠牲者続出ということになるのがわからないのか、頭冷やせよと誰かが言うべきなのですが言う人はあまりいないようです。

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 ドクターヘリが出動中に橋の上に着陸するのを目撃されて、ツイッターで公開されています。

 目撃された方たちはこの着陸をしたパイロットを凄腕と高い評価をしています。

 もちろんペーパーライセンサーにはかなりビビる場面です。 2000時間パイロットならほぼ普通にこなせる程度ですが1000時間パイロットにはやや荷が重い程度でしょう。

 この着陸は通常の航空法なら、接地点の幅が狭いので面積が取れないのと機体のスキッドから左右2メートル程度のところに70センチ程度の橋の欄干が障害物となるので許可は出ないということになります。

 ただしドクターヘリが人命救助のために運航する場合はパイロットの判断で安全性が確認できれば自由に着陸して良いことになっていますので、航空法上の規制はクリアーされています。

 航空法上はクリアーされていても、日本国内の土地や構築物などはすべて所有権や管理権がないものはなく、この橋はたぶん県また市町村などの管理下にあり、もし事故が起きた場合にはその管理権や所有権をもとに損害賠償を請求されることはもとより、なぜ許可を取らないで着陸したのかと追及される恐れはあるでしょう。

 ドクターヘリの運行で各県があらかじめランデブーポイントとして指定している場所はすべて着陸することに合意を得ていますので問題はないのですが、それ以外に急きょ着陸する場合がある可能性がある、河川敷道路橋梁、グランドなどはあらかじめ一括で許可を得てことが必要でしょうし、着陸したら事後報告とお礼の連絡をするべきであると思いますが、ほぼそのような事後処理は行われていないようです。

 ドクターヘリが指定されたランデブーポイント以外の場所に着陸する場合はほぼ差し迫った救急事態で、地上からの支援も確実ではない場合も多く、着陸の判断はすべてパイロットの責任で行いますので、万一失敗して事故となった場合は難しい問題が提起される可能性があります。

 私が溺水で心肺停止の子供の事案で海岸に着陸したとき、100メートル離れた場所で海水浴に来ていた人が、ビニール袋に入れていた時計と携帯電話が水没し壊れたと申告があり30万円程度損害賠償した例がありました。

 ランデブーポイント以外の場所へ着陸する場合、何が起こるかわかりませんので、安全に着陸するだけでは不十分ということも起こるようです。

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 AW139が防災ヘリなどの更新機種ととして日本中で採用される中、このブログには運航現場から苦労話が集中的に書き込みされました。

 やはり国家主導なので、最初に模範解答の書類を作った者が勝ちで、あとはそれをコピーするだけでどんどん右へ倣えで次々導入機種として採用されているようです。

 ちょうど30年以上前、412が中型機として日本に導入されたころと同じような道をたどっているようです。

 212がそれ以前に204の代替や人を運ぶ小型民間用双発機としてそれなりの評価を得ていた状態で鳴り物入りで入った412はさんざんな評価で民間運航会社は見捨てたような状態の中、防災ヘリとして花が開いたようでした。

 ダメな息子を叱咤激励して、使えるように育てたのは日本のヘリコプター整備能力だったのかもしれません。

 AW139 がまさに同じような状況にあるとすれば、あるいは世界中を見ても代わりになるような適当なヘリがない状態では。皆で守り育てていくしかないのでしょうか。

 今 すでにその生命を終わろうとしているMD900 902も同じような運命をたどっているところを見るとヘリコプターがいかに不完全な航空機と言うしかないようです。

 すでに139は走り出してしまっているので、現場から正しい声をあげて改善を強く要求し、安全に飛ばして行くしかないようです。

 ただ 多くの段階の世代のパイロット整備士が次々と引退して、次の世代に繋ぐ微妙な時期と重なることがやや不安ですが、そうも言っていられない現実が来てしまっているということでしょうか。

 

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                     ツイッターから借用しました

 飛行機は空港や飛行場にしか離着陸しませんので、万一故障して飛べなくなっても、飛行場なら格納庫など何とか修理するスペースと設備がありそうです。

 ヘリコプターの場合はあらゆる所で離着陸しますので、万一故障して、小さな部品交換などで修理が出来るなら比較的問題はありません。

 ところがエンジンやローターを換装する必要があるなど大規模な故障の場合は、屋外の農道や林道では修理できないので、飛べなくなると大変困ったことになります。

 大型のクレーンやトレーラーが入る場合は何とか陸送が出来ますので、基地へ運んで修理することになります。

 どうしてもトレーラーやクレーンが入らない場合は、ヘリコプターでヘリコプターを吊って広い場所へ出して、トレーラーに積み替えて基地へ向かうことになります。

 自分の搭乗機の一番多く飛んだ204Bでは2回陸送の経験があり、エンジンから5ミリ角くらいの金屑が出たのと、片方のローターが50センチ以上ひび割れした2回で、いずれもかなりやばい故障で、現場ではとても治せない程度の壊れ方でした。

 他社の最悪の例では当時最新鋭機のベル206Bが、今は無い大阪中之島の朝日ヘリポートでメインギアボックスの交換が必要となった例でしょう。

 ギアボックスや修理に使うクレーンを屋上へリポートへ持ち込むことが出来ず、204Bで吊り下げて、川沿いに広い場所まで出したそうです。

 ドクターヘリのように年間を通じて飛行する基地病院などでは、クレーンを天井に装備し、ぎりぎりでも同じヘリが2機入る広さの格納庫を整備することが必須となります。

 つまり代替機を持ち込んでも、格納庫の中で修理の整備作業をしながら、通常通り運航を続けることが出来るからです。

 このような整備格納設備は安全な運航を続ける上でも大変重要で、その点最悪な基地設備は屋上へリポートということになります。

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