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旅行へ出発する日、鈴村は少女と両親を成田まで送った。
海外へ出発する人達でごった返した空港内の喧騒の中少女達親子は鈴村の見送りを
受けながら出国審査ブースへ入ってゆく別れ際に「楽しんで来るんだよ。プチとちゃんと
お留守番してるからね。未成子がいないと寂しいけど・・我慢して待ってるからね
元気で帰っておいで」少女は少し寂しげな顔をしたが「うん!行きたかったところばかり
だし、楽しみ!お土産たくさん買ってくるね。プチにも!向こうから電話する・・」
満面の笑顔で鈴村に軽く抱きついた少女に「行ってらっしゃい」と言いながら手をふり
少女が出国ブースへ入ってゆくのを見送ると駐車場へ戻る出口に向かっていたが
フト振り返ると出国審査ブースに入る手前で手荷物検査を受けている少女が見えた。
気のせいだろうか・・少女から先ほどまでの生気が消え無表情に見える。
遠くから見ているからかなと気を取り直し鈴村は空港を後にした。
3人はエールフランスエアラインで日本の空を飛び立った。
初めての海外旅行に少し緊張気味の由紀子と並んでビジネスクラス席についた少女は
由紀子の気持ちをほぐすように冗談を言いながら父の方を見て「パパがママの手を握って
あげてたらママも落ち着くよ」と自分の席と変わった。
父は嬉しそうに「パリに着いたらお二人さんの買い物に振り回されそうだなぁ」と
後ろの席に移った少女と由紀子をかわるがわる見ては笑っていた。
少女も「そうよ!ママ!パパを破産させちゃおうね!」由紀子も「本当!しっかり過去の
償いをして貰いましょう」そんな他愛もない話をしているうちに飛行機は水平飛行に
移りキャビンアテンダントが飲み物の注文をとりにそれぞれの席を回り始めた。
ラテン系の美しいキャビンアテンダントは先程より自分が担当する仲の良さそうな
親子の下へ笑顔でドリンクオーダーに来た。
英語がまるで苦手な由紀子に代わり父が飲み物を頼んでいる。
サーブし終わったキャビンアテンダントがその娘の前に笑顔で立った時・・・
その顔には先ほどまでの若い娘らしい笑顔はなく無表情に低い声で
コーヒーを頼む娘を見て先ほどまでの娘と同じ人間かしらと首を傾げながらコーヒーを置いた。
少女はあの雨の日・・多くを学んでいた。大人への道として自分を少しだけ偽る。
心に溜まったヘドロのような父への憎しみを吐き出すように泣き続けながら・・
「これが最後・・もう泣かない・・わかるはずもない・・戻るはずもない時間はいらない
何も望まない・・自分の幸せは自分で作る・・もう誰にも教えない・・私の心・・
パパ、由紀子さん・・・私は墓場まで本当の心を持ってゆくわ・・誰も憎んでなんか
いない・・誰も愛さないように・・私は誰も憎んだりした事ない・・これからも
誰も傷つけたりはしない・・誰にも傷つけられたりしない・・優しく・・穏やかに・・
少しづつ私の世界を創る・・・プチと一緒に・・限りなく優しく静かに生きてゆく・・」
少女は既に少女ではなくなっていた・・大人の女として自分を上手に隠す事を覚えていた。
そして自分を生んだ母への感情は依然としてなにもなかった・・好奇心さえも・・
生きる事の難しさの中で・・周りを不幸にしない為の生き方を周りを幸せにする方法を
少しづつ学んで行こうと・・・あの日に心に決めていた・・
少女の人生は今もこれからも続くのだから・・・FIN
長い間‘少女’を読んで下さって有り難う御座いましたm(__)m
稚拙な文で読みづらい所も多々あった事と思います(^^ゞ今日で終了しましたが
此の先少女の人生が続いてゆくのであれば極端なハッピーエンドには出来ず
このような終焉となりました事をご理解下さいm(__)m
これまで読んでくださった方たちへ心よりお礼を申し上げます<(_ _*)> アリガトォデス♪
本当に、本当に有り難う御座いましたm(__)m
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