まるごとスロヴェニア

スロヴェニア(中欧の国、イタリアの東隣)から、中華人民共和国の大学で教えたのち現在は日本滞在中。

本や言葉

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詩人の国

 今日は文化の日、詩人プレシェーレンの日です。
 広場のプレシェーレン像には花束が置かれています。台座にはプレシェーレン・リサイタルの横断幕が巻かれています。
 人ごみが出来ていましたので、近づいてみると詩の朗読が行われていました。
 朗読が終わりました。人々から拍手が送られます。
 すると、別の男性が手を挙げてまた、詩の朗読を始めました。
 私には言葉がわかりませんが、じっと聞いていました。
 小さな声、大きな声、明るい声、厳しい声、緩めた表情、毅然とした表情。
 周りの皆さんはじっと、立ったまま聞いています。
 背中からは、いつものアコーディオンおじいさんの音楽も流れてきます。
 すぐ傍の三本橋の車道を走る車からは警笛も聞こえてきます。
 教会の鐘も響きます。
 人々は男性の朗読をじっと聞き続けています。
 私はずっと感激していました、言葉はわからないのですが、うれしいのです。
 朗読が終わりました。また、いっせいに拍手が送られました。
 小国スロヴェニア、人口200万人の言葉、スロヴェニア語。
 ずっと周囲の強国の迫害のなかで、守り続けてきた言葉です。
 うれしいですね、言葉に力があります。
 私はプレシェーレン像を離れ、ロシナンテを押して歩き始めました。
 ああ、なのにこの無力感はなぜなのでしょう。
 日本が、スロヴェニアの足元にも及ばないような気がします。
 私は国語力がないので、などと言葉を濁してまともな国会答弁をしない大臣をいただく国。
 咀嚼をせずにすぐにカタカナ語ですませてしまう国。
 きっとこのような国はいつか言葉を失うに違いありません。
 いいえ、もうすでにその途上にあるのかもしれません。
               (07年2月8日記す)

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気楽に読んだら

 熊本県山江村が毎週月曜日を読書の日にしたのだそうです。
 防災無線で当日は村民に呼びかけるのだそうです。
 人吉新聞2月7日の記事には、「読書は思考力、判断力、想像力を高め、コミュニケーション力を向上させるなど、重要な知的学習の基礎をなすもの」だから読書の日を設定したと書かれています。

 そんなに肩に力を入れなくてもいいですよねぇ。
 知的学習の基礎づくりのためと思って皆さんは読書をしてましたか、してますか?
 興味があったから、面白いから本を読んでいるんですよね。
 それでいいじゃないですか。
 テレビやゲームも面白いけど、本も面白いよって言えばいいんですよ。
 本を読んでない大人は、その面白さを伝えきれずに、先のような呪文を唱えるんでしょう。
 朝読書に取り組む学校が多いようです。
 しーんとした教室で机に固まったようにして本を読む子どもたちを見て寒気を覚えたことがあります。
 学校や塾の勉強そして友だち付き合いで張り裂けんばかりに伸びきった子どもの心。
 その心を緩めるはずの読書が逆の働きをしているのではと思ったからです。
 好きな本を好きなように読みましょ。読書は「個人の愉しみ」なんですから。
(07年2月7日記す)

本屋のおやじ

 市内ではところどころに本屋がいます。店を構えているわけではありません。
 路上です。交差点であったり、広場であったり、ビルの中の通路であったり。
 辞書から児童書まであります。いつも決まった場所です。
 一人気になっているおやじがいます。本屋のおやじです。
 彼は12月からお目見えした三本橋近くのコマにいるのですが、なぜかいつもはいません。
 そこではいつもは女性がお菓子を売っています。
 時々彼が雑誌、新聞などを忙しく売っています。
 よく、客が買い求めています。
 でも店の客にことさら話すわけでもなく、忙しくお金のやり取りだけ。言葉を忘れたかのように。
 店にいないときは何をしているのか。
 ときどき、市内の様々な場所で見かけるのです。歩いています。何も持たずに。
 でも、格好は店にいるときと同じです。薄茶色の毛糸の帽子に薄緑のトレーナーみたいなもの。でもVネック。
 足早に前だけ向いて歩いています。周りが見えないかのように、何か考えているかのように。
 寒くなりました。この本屋のおやじに限らず、路上で売る人々はこの寒さに大丈夫なのかと気になります。
              (06年12月16日記す)

日本映画会

 昨晩はリュブリアナ大学の講義室で日本映画を観ました。
 同大学・日本大使館・国際交流基金の共催事業だそうです。
 見た映画は、「ワンダフルライフ」。1998年、是枝裕和監督の作品です。
 不思議な映画です。死者が1週間だけある施設にとどまり、生前の一番の思い出を映画にとってもらう。
 滞在最後の日にはその思い出のシーンを映写室で見ながら死者の国へ旅立つ。
 この施設で働いている者たちも死者だけど、思い出を選べ(ば)なかった者たち。
 予備知識は下記のサイトで得ていました。
 http://www.kore-eda.com/w-life/index.htm
 会場の大学講義室は階段式に座席が設けられています。日本のそれよりもちょっと急な傾斜。
 2時間の作品ですが、ちょっと長い感じがしました。話の展開がゆったりしています。
 参加者の多くは学生のようでした。
 映画のあとは、客員教授のH女史の解説です。参加者は半分位に減っていたかもしれません。
 興味がある人物は誰ですかという問いかけで、映画の解説が行われました。
 3,4人の学生が積極的に答えていました。
 各死者の「肖像」を撮った作品だ、音楽は極力抑えているなどの「技術的」な話で終わったのは残念ですね。
 このような映画が出来た文化的背景、どこに日本文化が反映しているか、日本人の死生観などの分析が欲しかったのですが。
 こちらの人々には難しいでしょうけど、それが文化交流だと思います。
 今後も続けていただき、日本文化の理解が進むことを期待します。
 大学を出たのが、午後8時。
 マフラーを首に巻きプレシェーレン広場にロシナンテと行ったのですが、大きなツリーの電飾は輝いていませんでした。
 気を取り直し、僧院へ向かいます。
 すると、見慣れた男性が自転車を飛ばし、私を抜いていきました。先ほど会場で質問に答えていた男性です。
 リュブリアナ駅近くの信号機で追いつきました。声を掛けました。間違いありませんでした。
 それから、話しながら自転車で並走です。
 彼は、日本映画を見る機会がないから楽しかったと言いました。日本の建築に興味があるそうです。
 メールの交換を約束して、スタディアムの交差点で別れました。
 午後8時過ぎの気温は11℃でした。
             (06年11月27日記す)

ヴィレニカ国際文学賞

 本日、第21回フェスティヴァルが終わりました。
 1986年から始まっています。独立前ですね。主催は、スロヴェニア作家協会。
 白馬の産地、リピカと国内他都市で交互に毎年開催されています。
 今年の受賞者は、セルビアの詩人 ミオドラク・パヴロヴィッチ氏です。
 1928年生まれ、これまで2度ノーヴェル文学賞候補になっています。
 氏はアメリカ、オーストリア、インド、中国の大学でも講義を行っているそうです。
 氏の作品は日本に紹介されているでしょうか、知りません。
 歴代の受賞者で私が知っているのは、92年受賞のミラン・クンデラ氏だけでした。
 氏はチェコの作家で、プラハの春事件のあと著作の発禁処分を受けるなど苦難の道を歩んだ人です。
 中央ヨーロッパを中心としてその周辺国を視野に文学賞を主催しているスロヴェニア。
 痛快ですね。
              (06年9月10日記す)

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