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「改竄」なんてしている人、いないのじゃないか?
「カルテ改竄」されて、何が不都合?
「カルテ改竄」して、何がワルイヒトたちに得だったの?何ができるの?
金沢大の偉い先生たちは、どこにつけ込んだの?
上記の疑問に対して、「論座」2006年4月号「撤回された意見書」を執筆されたジャーナリスト鳥集徹氏の解説。
「論座」お読みいただき、ありがとうございます。
医療過誤の原告の方々にとって(もちろんそうでない一般人にとっても)、カルテ改ざんは見過ごすことのできないとても大きな問題です。
医療ミスによる被害を受けたと疑って、患者または遺族等が裁判(損害賠償を求める民事裁判)に訴える場合、カルテや看護日誌などの医療記録が、過失を立証する有力な証拠となります。というより、医療者側がもっているそれらの記録に証拠の大部分を頼らざるを得ません。
ところが、医療ミスが立証されることを恐れる医療者側が、証拠保全をされる前にそれらの医療記録のうち、自分たちにとって都合の悪い部分を「書き換える」ということをするわけです。
そうされると、医療裁判の原告となった患者、遺族側は、医療記録をもとに医療者の過失を立証することが、極めて困難になります。あるいは、過失を立証する前に、まずは医療記録が「書き換えられた(改竄された)」ことを立証する努力を強いられることになる。
「改竄なんてしている人、いないんじゃないですか」とのことですが、大阪弁護士会の石川寛俊弁護士(医療過誤を患者側の立場で多数扱ってきた有名な弁護士)らのグループ「カルテ改ざん問題研究会」が、『判例時報』もしくは『判例タイムス』に掲載された医療過誤事件の判決において原告患者側の代理人として表示された弁護士約700人を対象にアンケートを行ったところ、回答が96通あり、そのうち改竄があったという回答が57通、109件の改竄事例が寄せられたそうです。
回答数(というより、回収率)が少なすぎるので、客観的な状況を反映しているとはいえませんが、改竄が「めったにないこと」ではないことはわかります。
また、このアンケートによると、原告側弁護士が「改竄あり」とした109件の事例のうち、判決で改ざんが認定されたケースは、たった13件だったとのことです。つまり、いかに司法が判決においてカルテ改ざんの認定を避けてきたかわかるでしょう。
改竄された証拠が採用されてしまうと、当然、原告側にとって不利な判決が出る可能性が高くなるわけですから、原告側にとっては許しがたい「犯罪行為」と映るわけです。
しかし、こうした「犯罪行為」が刑事事件として追及されたケースは、東京女子医大で起こった事故をめぐって、看護記録の書き換えに関与した医師が、証拠隠滅罪で逮捕された事件があるまで、ありませんでした。
原告側がカルテ改竄を捜査当局に訴えても放置されてうやむやに終わる、また、カルテを医師本人が「書き換える=訂正する」こと自体を罪に問うことが難しいことから、カルテ改竄に歯止めが効きにくかった。カルテ改竄が横行する背景には、こうした問題点も指摘できると思います。
カルテ改竄の実態、諸問題については、石川寛俊監修『カルテ改ざん』『カルテ改ざん Part2』(さいろ社)という本が出ていますので、こちらをぜひお読みください。
また、法律的な問題、海外との比較など、より専門的な本としては、先ほどのアンケートも紹介されている石川寛俊ほか著『カルテ改ざんはなぜ起きる 検証:日本と海外』(日本評論社)が今年3月に出版されています。
金沢大学の打出喜義さんが闘っておられる「同意なき臨床試験」事件で問題になっているのは、正確にはカルテではなく、臨床試験の登録票の偽造です。原告側が「無断で勝手に臨床試験をされた」として訴えているのに、被告の病院側が「臨床試験の条件にあてはまらないので登録しない」という欄にチェックをした、ウソの登録票を出してきた。これが証拠として通ってしまったら、原告側が訴える根拠さえなくなってしまうところでした。
ところが、打出さんが事前に本物の登録票を入手していて、それを証拠として出せたので、登録票が書き換えられたことがバレたのです。
しかし、打出さんのような「内部告発者(いまは、公益通報者というべきでしょうか)」が出てこないかぎり、こうした不正はなかなか発覚しない。それが現実です。
昨年、個人情報保護法が施行されたことによって、個人情報であるカルテの開示を病院側が拒むことは原則としてできなくなりました。
また、書き換えの記録が残る電子カルテが普及することによって、今後は医療裁判においてカルテ改竄等の不正が減ることも考えられますが、まだ予断は許しません。
こうした不正を少しでも減らすためには、医療の情報公開を進め、医療の透明性を高めることが不可欠でしょう。
また、金沢大の事件で教授・現講師が行った不正が刑事事件として追及されることになれば、医療者側にとってカルテ改竄は罪に問われるリスクが高まり、不正の抑止力になることは間違いありません。 この点でも、この事件が大きな意味を持つことがおわかりだと思います。
わたしたちは、だれでもが患者になり、いつ自分や身内が医療の被害者にならないともかぎりません。ですから、「一般人」であろうとなかろうと、カルテ改竄はすべての人に関係する問題です。そのことをぜひ知っていただければと思います。
臨床試験における被験者保護の問題、公益通報者保護の問題についても書くべきかもしれませんが、カルテ改竄だけで長くなりすぎたのでこのへんで(笑)。
このMLに参加なさっている人のなかには、この問題について私より詳しく正確に理解している人がいると思いますが、僭越ながら解説させていただきました。カルテ改竄をされた当事者の方も読まれることでしょう。もし、不正確な点や足りない点がありましたら、ご指摘いただければ幸いです。
鳥集 徹(とりだまり とおる)
※出典を明らかにし、執筆者ご本人の了解の上で転載させていただきました。多謝。
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電子カルテは改ざんし難いとか、改ざんの抑止につながるとは言い切れません。悪いことを考える者にとっては、より発覚しない巧妙化した抜け道を探すきっかけを作るのではないかと心配しています。カルテ改ざんを厳罰化しない限りイタチごっこが続くでしょう。
2006/5/12(金) 午後 2:28
カルテ改竄は無いと言い切った弁護士がいました。山下と言う弁護士です。しかし☆は関西労災病院でカルテ改竄をされました。
しかし裁判にしても、☆側の弁護士は弱気で全く勝とうとする気が無い弁護士でしたので、いくら情報を提供しても動いてくれませんでした。医師も問題ですが、弁護士も一部問題弁護士がいます。
大阪の☆ ナイス
2016/10/16(日) 午前 2:06