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(日経メディカル)
患者の医療不信を解消し、裁判前に紛争を解決
「医療は国民のためのもの。医師から一方的に説明するだけの時代はもう終わった」と語る茨城県医師会の原中氏。
茨城県医師会は2006年4月、県医療問題中立処理委員会という新しい委員会(委員長:弁護士の荒川誠二氏)を設置した。これは医療に対して不満を持つ患者や患者家族と医師とのコミュニケーションを円滑に進めるための仲介役となる第三者機関だ。
両者の話し合いに立ち会う中立の立場にある委員が「そこの部分は説明不足」などと医師に指摘することで、一対一での説明よりも患者にきちんと納得してもらい、医療に対する不信感をぬぐい、裁判に至る前に解決することを目的とする。医療の裁判外紛争解決(ADR:Alternative Dispute Resolution)への注目は集まっているものの、医師会がこのような委員会を設置したのは全国でも初めて。
医師会は「金は出すが口は出さず」
現在、医師会には「医事紛争処理委員会」と呼ばれる制度がある。だが、この委員会は各地域の医師会内に置かれており、医療機関に過失があるかないかをクローズドな中で検討する。しかもその結果は委員会からではなく、医療機関側から患者に伝える方式を取っている。そのため、無過失とされたり、十分な補償額が認められなかった場合には患者側の不満は強く、「しょせん、医師の都合のよい説明で終わっているのではないか」という見方をされてしまうことも多い。そのため、「第三者の立ち合いの下で、双方納得いくように話し合ってもらう場が必要だと考えていた」(県医療問題中立処理委員会の設立を決めた茨城県医師会会長の原中勝征氏)。
新しい委員会は医師会に加盟していない医師や医療機関も利用可能で、医療側、患者側のどちらからも申請ができる。茨城県医師会内に設置された事務局に申請書が出されると、委員会での審議が妥当かどうかを検討する。妥当であれば、医療機関と患者、および中立の委員が出席し、委員会を開催する。料金は患者側、医療機関側のいずれからも取らない予定だという。
委員は、中立性を担保するため、弁護士会や地元の新聞社などに声を掛け、それらの組織に推薦してもらう形を取った。また、当初は事務局を県医師会内に置くものの、これも「本当は完全に医師会から独立したNPO(民間非営利組織)にしたかったのだが、形がない状態で寄付を集めるわけにもいかない。将来はNPOを目指すとしても、現時点では『医師会は金は出すけれど、口は出さないというスタンス』」(原中氏)だ。
医療問題中立処理委員会が立ち上がってからも、従来の医事紛争処理委員会はその業務を続けている。医療問題中立処理委員会で決着が付かず、補償でもめる場合は医事紛争処理委員会に送る一方、医事紛争処理委員会で扱われている案件でも、コミュニケーションの問題が根底にありそうな場合には医療問題中立処理委員会を紹介することが考えられるという。
新委員会は医療機関にもプラス
患者側にとっては、医療問題中立処理委員会を利用することで、きちんと納得ができるまで説明を受けることができるというメリットがある。それだけではなく、医療機関側にとっても、医療不信をぬぐうことが可能になる。また、弁護士など第三者が間に入ることで、双方が感情的になることが避けられる上、話し合いの日時が決まっていることから、診察時間中にもめている相手が来院し日常診療に支障を来すという事態も防ぐことができる。
実際、委員会の設立を公表して以降、医師会に加盟していない病院からも問い合わせが相次いでいるという。現在、委員会では第1例目となる案件を選んでいる途中。6月中には第1例目に関する委員会を開催する予定だ。
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茨城県は今までがダメ過ぎたので、これを本気で機能させるとしたら画期的なことです。私も地元の記者と連絡を取りながら注意深く見守っていきたいと思います。
2006/5/24(水) 午前 10:11
うらやましい〜私のところにも早くできないかな・・というかまったくそういう気配ないです。国が作ってくれないなら県単位でも早期に確立してほしいです〜(>,<)そうすれば私みたいに不信で苦しむ人も少なくなるだろうし、間違いなく裁判は減っていくのに・・。まだ設置されたばかりでどのように解決していけるのかわからないですが十分な機能するといいですね.今後の様子報告待ってます。
2006/5/30(火) 午前 1:58
茨城県が全国に先駆けて何かを始めるなんて滅多にあることじゃないですが、滅多にないだけに「絵に描いた餅」にしないように頑張ってもらいたいです。三次救急の基幹病院が救急搬送を拒否しまくったりしているようでは、医療問題中立処理委員会が出来たところで医療不信の根本的な改善なんて期待できないんです。うちの被告病院の話ですが。
2006/5/30(火) 午後 9:03