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(読売新聞)
(6)健康保険会社が「家を売れ」
米国の医療には、日本が見習うべきこともありますが、国民全員が公的な保険で医療を受けることができる皆保険制度は、日本の大変優れた点です。米国には無保険者が4000万人以上います。公的保険は障害者や高齢者に限られ、約6割は株式会社などが運営する民間保険に加入しています。そのことが、悲劇を招くことがあります。
79歳の女性はニューヨークの当院で胸腹部大動脈瘤(りゅう)の手術を受けました。大動脈が膨れ、放置すればやがて破裂し、死にいたる病気です。手術は、胸とお腹(なか)を大きく同時に切開するもので、5時間に及びました。
手術はうまくいきましたが、大手術に加え、高齢と持病の肺病で、回復は遅れ入院期間は5週間に及び、介護が必要でしたので介護施設に移りました。その後、肺炎や床ずれのため何度か入退院を繰り返しました。
ある日、娘さんが涙ながらに電話をしてきました。母親が加入していたのは民間保険で、年間の入院日数、介護施設滞在日数に上限が設けてあったそうです。保険会社から、上限を超えたのでその分の費用400万円を請求され、今後はすべて自費になると通知されたのです。
そして、費用が払えないなら自宅を売却するよう指示されました。契約書を探し出し弁護士に見せると、母親のサインとともに、小さな文字でこのことが書かれていましたので、どうしようもありません。
結局、娘さんは両親の家を売却し、老いた父親を引き取り、母親の医療費を工面しましたが母親は手術から4か月後、高額の医療費を使った末に他界しました。父親は妻と家を同時に失ったショックから精神病院に入院してしまいました。何気なく老夫婦がサインした書類から始まった一家の悲劇でした。
利潤追求が目的の株式会社に健康保険を任せるとこういうことも起こりうるのです。米国は契約社会と言われますが、それには、ルールにのっとっている限りうまく立ち回った人が偉く、うっかりしていた者は愚かとされる面があります。この保険会社の社長の給与は8億円でしたが、その出所は、医療費なのです。
国民に広く薄く負担をもとめる国民皆保険制度や、自己負担額に上限を設けた高額療養費制度は世界に誇る医療保険制度です。日本では、通常の医療を受けていて、その費用が払いきれず、自宅を売らざるを得なくなるようなことは起こりません。
国会で審議中の医療改革法案には、高齢者の負担率を現役並みの所得があれば3割に上げることなどが盛り込まれ、患者負担が増える流れが進んでいるので、不満を持つ人も多いでしょう。また、現行制度にも効率の悪さなど様々な問題はあります。しかし、日本の医療制度の骨格は守っていきたいものだと思います。
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一長一短なんですかね。 自分では難しい問題だと思っています。 だから、政府(?)や医者を信じるしかないのです。 信じて間違いない人種であってくださることを切に願います。
2006/6/7(水) 午前 1:32 [ - ]
ほとんどの日本国民は世界一手篤い「皆保険制度」に守られているということを知らないだろうと思ったので、一例としてこの記事を掲載しました。アメリカは契約社会・訴訟社会ですから必然的に「開かれた医療」に向かわざるを得なかったわけで、今後日本が開かれた医療になれば、皆保険制度と相まって世界屈指の医療先進国になる。これが私の描く理想です。
2006/6/7(水) 午後 2:11
喘息の病院の先生も同じ事を言ってました。実際アメリカに行っていた際留学先で集団風邪をひきました。薬代が高くつくから大変でした。私は仲間からもらいました。1錠で治るんだから強い薬なんでしょう。他の国の制度のことなんて知っている人のほうが少ないと思います。どれだけ守られているのかを知らせないとだめなのかな?
2006/6/8(木) 午後 5:41 [ ちょっぱー ]
私の親友もハワイに住んでいるのですが、滞在先で糖尿病を患い通院が欠かせない生活になりました。バカ高い民間保険に加入しているために家庭の財政を圧迫しているとこぼしてましたね。患者側も日本の医療制度に対する理解を深めていかなければいけないでしょう。
2006/6/8(木) 午後 9:01