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 アラブ世界が、2011年に頂点に達した「アラブの春」以来の揺れに見舞われている。先の3月、アルジェリアの独裁者ブーテフリカが、民衆のデモの前に引退を表明したが、この11日、同じ北アフリカのスーダンで30年間も国家を支配した残虐な独裁者のオマル・バシル(写真)が軍のクーデターで解任、拘束された。

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☆昨年末から広がった市民の反バシルのデモ
 同国では、昨年12月以来、バシルの退陣を求める市民のデモが首都ハルツームなどで広がり(写真)、軍が呼応し、バシルを権力から追放した。

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 もっともそれで一気にスーダンの民主化が進むわけではない。バシルも、もともと1989年に軍事クーデターで政権を掌握した人物であり、軍も市民による民主化は、エジプトやリビア、シリアのような混乱や内戦を招くと警戒していよう。
 軍部内の権力争いの感もある。
 実際、11日の国防相のアワド・イブンオウフの国営テレビを通じてのバシル追放の発表で市民は、街頭で「革命だ」と狂喜して発表を歓迎したが、その後の報道によると、軍内の政権たらい回しを警戒し、ハルツームでは「失脚をもう1度!」と叫ぶ数千人規模の市民デモが展開されているという。

☆犠牲者は少なくとも49人
 今回のクーデターのきっかけは、政府によるパンの値上げなど物価高騰に怒った市民のデモが自然発生的に起こったことだ。街頭では、治安部隊がデモの鎮圧に動き、11日まで少なくとも49人が死亡している。
 デモの広がりを受け、2月にはバシルは非常事態を宣言、力による制圧に乗り出していた。市民への治安部隊の武力行使の過程で、一部の軍兵士が市民を助ける場面もあったという。
 クーデター部隊は、これ以上の混乱を望まず、元凶のバシル排除に動いたようだ。

☆ジェノサイド=ダルフール紛争の戦争犯罪人バシル
 バシルの強権統治は、スーダンに多くの流血を伴った。
 その最も残酷な例が、2003年2月からの西部ダルフール地方の紛争である。同地方の非アラブ系黒人の反政府部隊の反乱で、バシルの国軍とバシルに組織された民兵が大規模な武力攻撃を開始し、ダルフール紛争は今も続く。この紛争で、非アラブ系黒人の地元民ら、少なくとも40万人が虐殺された。
 国連は、これを民族浄化(ジェノサイド)とし、バシルは「戦争犯罪」と「人道に対する罪」の疑いで国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状が出されている。今後、新政権がバシルをICCに引き渡すか、注目される。

☆バシル失脚は共産党一党独裁中国には痛手
 ちなみにこのジェノサイド=ダルフール紛争に、バシルは共産党一党独裁中国から支援を受け、スターリン主義者から購入した武器で民族浄化作戦を行っている。
 一方で、石油資源に恵まれた非アラブ系黒人主体の南部でも、独立を求める内戦が2005年に勃発、バシルも制圧しきれず、2011年に南スーダンとして独立した。
 スーダンの動向は、いまだ占えないが、バシルを支援してきた共産党一党独裁中国にとっては痛手だろう。

昨年の今日の日記:「大分・耶馬溪の大規模地滑りは火山国日本のどこにでもある潜在的リスクの表れ」

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