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チャンギ

 駒は片側各16個、総計32個の駒で勝負を競う。駒の形は正8角柱である。王将に当たる駒は一方が「漢」、他方が「楚」という駒だ。ということは、朝鮮将棋は項羽と劉邦の戦いを模しているのであろうか。とまれ、朝鮮将棋なのに題材が古代中国というところが面白い。「漢・楚」以外に歩兵に当たる「兵・卒」も双方で名称が違う駒である。もちろん、名称が違うだけで働きは全く同じである。駒の種類は「漢・楚」「兵・卒」のほかに「士」「車」「象」「馬」「包」がある。「象」という駒があるのが面白い。将棋発祥の地インドを彷彿とさせてくれる。「包」は朝鮮将棋で特に動きがユニークで、ゲームに変化を与えている。なお、駒の字は漢側が赤の楷書で書かれており、楚側が青の草書で書かれている。
 将棋盤はマス目が正方形の場合もあるが、多くは横長の盤が用いられる。駒はマス目の中に置くのではなく、線の交点に置く。これは中国将棋や囲碁とも共通するもので、将棋盤や碁盤が城市をかたどり、線が城の道路を表しているためらしい。盤の中央上下に×印があるが、この部分は王宮を表している。「漢・楚」と「士」はこの王宮から出られない。王様とその取り巻きは常に王宮にいるという理屈であり、これまた中国将棋と共通している。また、「包」と「兵・卒」が最初に置かれる場所には、線の交点に小さく×印がつけられている。
 駒の並べ方は図のとおりである。王宮の中央に「漢・楚」を配置し、その斜め下に「士」を配置する。「士」から外側に向かって「馬」「象」「車」を配置するのだが、「馬」と「象」の位置は入れ替えてもよい。図では「馬・象 ― 馬・象」となっているが、「馬・象 ― 象・馬」でもいいし「象・馬 ― 馬・象」でもいい。昔のルールでは「馬・象 ― 馬・象」「象・馬 ― 象・馬」のみが認められ、なおかつ同じ筋に相手方の同種の駒を置かないようにしていたとのことである(亡父の談)。つまり、こちらが「馬・象 ― 馬・象」と置いたら相手方は(こちらから見て)「象・馬 ― 象・馬」と置かねばならなかった。

(3) 勝負の流れ
 勝負は上級者あるいは目上が漢側となり、楚側が先手となって行なわれる。取った駒は再び使うことはできない。このルールは中国将棋やチェスと同じである。また敵陣に入っても「成り」はなく、まったく同じ動きをする。漢・楚を詰めれば勝ちとなるが、双方の駒が少なくなり手詰まりとなるときは引き分けとなる。
 王手をするときは「チャン(cang)」あるいは「チャングン(cang-kwun)」と叫ぶ。漢字で書くと「将」「将軍」である。必ず叫ばなければならないわけではないが、叫んだほうが場の興が盛り上がること請け合いである。

(4) 中国将棋との比較
 中国将棋(象棋)は朝鮮将棋と非常によく似ている。駒の数や名称、配置までもが中国将棋と朝鮮将棋はそっくりである。中国将棋の王将は赤側が「帥」、青側が「将」である。「士」「象」は帥側が「仕」「相」という名前になっており、朝鮮将棋の「包」に当たる駒は将側が「砲」、帥側が「炮」である。「包」はもともと投石器を模したものであろうから、中国将棋の名称のほうが的確ではある。
 中国将棋は両陣の間に「河界」と呼ばれる境界がある。「楚河漢界」とも呼ばれるところを見ると、中国将棋も朝鮮将棋と同様に「漢」と「楚」の戦いのようである。中国将棋では「象・相」は河界を越えて敵陣に踏み入ることができない。象が本当に川を渡ることができないわけではあるまいが、まあユニークなルールではある。
 駒の並べ方のうち、「馬」と「象」の位置は、中国将棋では「馬・象 ― 象・馬」と配置しなければならないことになっている。また、取った駒が使えないこと、「成り」がないことも朝鮮将棋と共通しているが、「兵・卒」は河界を越えて敵陣に入ると動きが変わるのが、言ってみれば「成り」であろうか。個々の駒の動きは朝鮮将棋とは似て非なるもので、両者は意外と異なった動きをする。

2. 駒の名称と動かし方

(1) 漢(han ハン)・楚(cho チョ)および士(sa サ)
 漢と楚は合わせて「宮(kwung クン)」ということもある。漢・楚および士は王宮の中を線に沿って1つだけ進むことができる。線が斜めに延びている場合は斜め方向にも進める。よって、王宮の中央にいる場合は8方向いずれにも1つ進めることになる。逆に線が斜めに延びていない場合は斜め方向に進むことはできない。漢・楚・士はあくまで王宮の中だけを進むので、決して王宮の外に出ることはできない。

(2) 車(cha チャ)
 車は日本将棋の飛車と同じく、前後左右にどこまでも進むことができる。ただし、王宮内にいる場合、斜め方向に線が延びていれば、王宮内を斜め方向に進むことができる。このルールは中国将棋にもない、朝鮮将棋独自のルールである。

(3) 馬(ma マ)
 北では「マル(mal)」とも言う。いわゆる八方桂馬飛びで、「日の字に進む」という言い方で表現する。進み方は1つ直進して1つ斜めに進むので、その途中に他の駒があるときはその方向に進むことができない。この点、日本将棋の桂馬が間に駒があっても飛び越えて行けるのとは異なる。

(4) 象(sang サン)
 1つ直進して2つ斜めに進む特異な進み方をし、「用の字に進む」と表現される駒である。いうなれば、馬の斜め方向の進路をさらに1つ先に進むことになる。馬と同じく、進路の途中に他の駒があるときはその方向に進むことができない。
 なお、中国将棋の象は斜め方向に2つ進み、なおかつ河界を越えて相手陣地に侵入することができないが、朝鮮将棋は河界がないので象はどこへでも進むことができる。

(5) 包(pho ポ)
 最も特異な動き方をする駒である。まず進む方向だが、これは車と同じく前後左右の方向にどこまでも進め、かつ王宮内にいる場合、線が斜めに延びていれば王宮内のその方向へ進める。ただし、そのまま進むことのできない点が車と異なる。この駒は、進行方向に駒があるときにのみ、その駒を飛び越えてどこまでも進むことができるのである。この駒のことを「包の脚」と呼ぶ。飛び越える駒、すなわち「包の脚」は味方のものでも敵のものでも構わないが、とにかく駒を飛び越えなければ進むことができないのである。飛び越える駒は必ず1つで、2つ以上の駒を飛び越えて進むことはできない。さらに包は、味方の包であれ敵方の包であれ、包を飛び越えることができず、また包で敵方の包を取ることもできない。

(6) 兵(pyeng ピョン)・卒(col チョル)
 線に従って前と左右に1つずつ進むことができる。敵陣の王宮にいる場合、線が斜め方向に延びていれば、その方向にも1つ進むことができる。


3. その他のルール

 ピクチャン(pik-cang)と呼ばれるルールがある。これは中国将棋の「対面笑」に当たるルールで、双方の王将が他の駒を挟まずして互いに向き合うことができないというものである。ただし、中国将棋の「対面笑」は詰みと同等の指し手で、指した側の負けとなるが、朝鮮将棋のピクチャンは王将が向き合った時点で次に指す側がピクチャンを回避しなければ引き分けとなる。

















縦9本、横10本の線が引かれた盤を使用する。駒は各々7種16個(漢方・先手と楚方・後手で名称・字体が異なる)。

駒を交点に置くことや、斜め線の入っている九路を宮といい、楚・漢・士は宮から出られないところなどは中国の象棋に似ているが、 中央に河界が無く、また駒の動き方も馬以外は違っている。さらにパスも認められ、 双方がパスした場合は引き分けとなる。また漢と楚が同じ縦線上に並び、間に駒がない状態を相手が解消しなければ引き分けとなる。

駒の名称 個数 駒の動き方、特徴
漢・楚
(手前から2段目中央) 1個 縦横斜めに1マス動かせる。ただし九宮から出ることはできない。

(手前両端から4つ目) 2個 縦横斜めに1マス動かせる。ただし九宮からでることはできない。

(手前両端から3つ目) 2個 縦横に一路進んでから斜めに二路進む動きをする。ただし駒を飛び越すことはできない。
また初期配置で馬象と置くか、象馬と置くかを左右それぞれに選択できる。

(手前両端から2つ目) 2個 縦横に1マス進んで進行方向の斜めに1マス進んだところにいける。
前後左右に駒があるとその方向には飛び越せない。
動きは将棋の八方桂・チェスのナイトである。

(手前両端) 2個 縦横に何マスでも動かせる。ただし駒を飛び越すことはできない。
宮の中では斜めの線に沿って進むことができる。 将棋の飛車と同じ動きである。

(手前から3段目両端から2つ目) 2個 動きは車と同じ。ただし動くときは常に間に1つだけ駒(敵味方を問わず)が必要。
包で包を飛び越したり、包で包を取ることはできない。
兵・卒
(手前から4段目奇数列) 5個 前と横に1マス動ける。
宮では斜め前方にも進める。

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