州都ドネツク 機能停止
>ウクライナ東部ドネツク州で起きたマレーシア航空機撃墜事件で、支援の拠点になるべき州都ドネツクが「機能停止」に陥っている。
同市を支配する親ロシア派とウクライナ軍の戦闘激化で市民の脱出が相次ぎ、多くの店は閉店。
住宅地に砲弾が撃ち込まれるなど、市民も巻き添えになっている。
誤爆で住民4人が負傷した市西部クイビシェフ地区に20日、入った。(毎日新聞・坂口記者)
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何の前触れもなく飛び込んだ砲弾で、部屋はめちゃくちゃになっていた。
5階建ての共同住宅の窓ガラスはほとんどが割れていた。
19日午後の突然の砲撃。
ウクライナ軍、親ロシア派、どちらが撃ち込んだのかは不明だ。
住宅に長年暮らすウラジーミル・イゾシモさん(56)は「なぜ市民しかいない場所を攻撃するのか」と悲痛な声を上げた。
住民約30人は隣接する小学校の防空壕(ごう)で一夜を明かした。
別の砲弾は約300メートル離れた住宅を直撃。
家財道具の処理に追われる男性(42)は「しばらく家族でどこかに身を寄せるしかない」とあきらめ顔だった。
ドネツクの人口は約100万人だが、住民の2割以上がすでに市外へ避難したとされ、街は閑散としている。
3歳の娘を連れ、19日に首都キエフへと逃れたジャーナリストのダリーナさん(27)は「いつ爆弾が落ちるのかびくびくして暮らすのは耐えられない」と語った。
ドネツクから墜落現場までは直線距離で約50キロ。
しかし、玄関口となるドネツク空港は閉鎖されたまま。
警察機能は停止し、自動車などの略奪も横行している。今も残る市民の一部は、食料や水の備蓄を始めている。
地元の政治評論家、セルゲイ・チェピク氏は
「市街地での戦闘が本格化すれば、悲劇的な結末を迎えるだろう。今、何より大切なのは停戦だ」と警鐘を鳴らす。
http://mainichi.jp/select/news/20140722k0000m030015000c.html