腸内細菌 ・・・ 人体内部の「生態系」
腸内細菌(ちょうないさいきん)とは、ヒトや動物の腸の内部に生息している細菌のこと。
私たちは全員、この”常在細菌”と共生している。
普段は暴れないこの常在細菌が何らかの原因で暴れだしたとき、病気の「症状」として現れる。
以下、消化管の図です。 消化管の下部が「腸」になります。
1.食道 2.胃 3.十二指腸 4.小腸 5.盲腸 6.虫垂 7.大腸 8.直腸 9.肛門
脳については盛んに語られるのですが、腸について語ると、何か特異な目を向けられるので普段は語らないほうがいいのかもしれません。
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ちなみに、セロトニンという精神を安定させる神経伝達物質の95%は腸でつくられるそうです。
腸というのは、自然の免疫力を持つ器官としても注目されているそうです。
◆腸内細菌とは、腸管内の常在細菌のことである。
ヒトをはじめ哺乳動物は、母親の胎内にいる間は、基本的に他の微生物が存在しない無菌の状態にある。
生後3-4時間後、外の環境と接触することによって、
※食餌を介して、
※母親などの近親者との接触で、
※出産時に産道で感染することによって、
※注射器や手術の際、体液等を通じた感染によって
こうしたさまざまな経路によって微生物が感染し、その微生物の一部は体の表面、口腔内、消化管内、鼻腔内、泌尿生殖器などに定着して、その部位における常在の微生物になる。
一部の原生動物や古細菌を除き、その多くは真正細菌であり、常在細菌と総称されることが多い。
このうち、消化管の下部、すなわち、腸管内の常在細菌が腸内細菌である。
これらの細菌は、宿主であるヒトや動物が摂取した栄養分の一部を利用して生活し、他の種類の腸内細菌との間で数のバランスを保ちながら、一種の”生態系”(腸内細菌叢、/腸内フローラ)を形成している。
腸内細菌叢を構成している腸内細菌は、互いに共生しているだけでなく、宿主であるヒトや動物とも共生関係にある。
宿主が摂取した飲食物に含まれる栄養分を主な栄養源として発酵することで増殖し、同時にさまざまな代謝物を産生する。
腸内細菌は、外部から侵入した病原細菌が腸内で増殖するのを防止する感染防御の役割を果たすなど、宿主の恒常性維持(ホメオスタシス)に役立っている。
しかし、腸管以外の場所に感染した場合や、抗生物質の使用によって腸内細菌叢のバランスが崩れた場合には、病気の原因にもなる。
一人のヒトの腸内には、100兆個の腸内細菌が存在していると言われる。
一般にヒトの細胞数は60-70兆個程度と言われており、細胞の数ではそれに匹敵するだけの腸内細菌が存在することになる。
ただし細菌の細胞は、ヒトの細胞に比べてはるかに小さいため、個体全体に占める重量比が宿主を上回ることはない。
しかし、それでも成人一人に存在する腸内細菌の重量は約1.5 kgにのぼるとされる。
腸管内容物を見ると、内容物1gに100億個から1,000億個(1010-1011個)の腸内細菌が存在しており、糞便の約半分は腸内細菌か、またはその死骸によって構成されている。
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