1、疲労や免疫力の低下が原因と考えられる「アフタ性口内炎」
一般的にもっとも多くみられるのが「アフタ性口内炎(潰瘍性口内炎)」です。 原因ははっきりわかっていませんが、ストレスや疲れによる免疫力の低下、睡眠不足、栄養不足(ビタミンB2が欠乏すると口内炎ができます)などが考えられています。
2、ウイルスや細菌の増殖が原因の「ウイルス性口内炎」
ウイルスが原因で起こる口内炎もあります。
ヘルペスウイルスの感染が原因の「ヘルペス性口内炎(口唇へルペス)」 、カビ(真菌)の一種であるカンジダ菌の増殖が原因の「カンジダ性口内炎」 などがあります。
そのほかにも、梅毒・淋病・クラミジアなど、STD(性行為感染症)による口内炎も知られています。
ウイルス性口内炎に多くみられる多発性の口内炎は、口の粘膜に多くの小水疱が形成され、破れてびらんを生じることがあり、発熱や強い痛みを伴うことがあります。
3、物理的刺激によって起こる「カタル性口内炎」
「カタル性口内炎」は、入れ歯や矯正器具が接触したり、ほおの内側をかんでしまったりしたときの細菌の繁殖、熱湯や薬品の刺激などが原因で起こる口内炎です。
4、その他の口内炎
特定の食べ物や薬物、金属が刺激となってアレルギー反応を起こす「アレルギー性口内炎」、喫煙の習慣により口の中が長期間熱にさらされることにより起こる「ニコチン性口内炎」などもあります。ニコチン性口内炎はガンに発展することもあるそうです。
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> 中枢性摂食異常症とは
心理的な原因で食に異常をきたす病気で、拒食症と過食症があります。
拒食症は標準体重の80%以下のやせが3ヶ月以上続き、無月経が起こります。
心労などによる一時的な食欲不振と異なって病的な特徴があります。
約50%の患者さんがダイエットをきっかけにやせ始めます。
ダイエットの有無にかかわらず、体重が増えることを怖がり、「やせていればなぜか安心」「食べることは罪悪」という考えにとらわれます。
小食で、食べても嘔吐をしたり、下剤を使用してまでやせる一方で、飢餓の反動で食べ物に執着する矛盾した行動を伴います。
やせているにもかかわらず活動的です。
最も特徴的なのは、本人に病気の意識がないことです。
やせを治されたくないので、やせていることを認めず、周囲のアドバイスを聞き入れません。
過食症は、短時間に大量の食物を衝動的に食べる発作が起こる病気です。
健康人のやけ食いや気晴らし食いと異なり、自分で抑制できずに繰り返します。
数千キロカロリーの食品を、しかもいつもは避けている甘く脂っこい食品を短時間で食べます。
さらに、大食後は後悔や自責に念にさいなまれます。体重は標準体重の85%以上あります(拒食症の過食嘔吐との違い)
拒食症では、少食によってやせている制限型と、飢餓の反動で過食するようになり、やせを維持するために嘔吐や下剤を乱用しているむちゃ食い/排出型があります。
後者と過食症の違いは体重です。拒食症と過食症には移行例もあります。
※標準体重の計算方法
身長160cm以上:(身長(cm)−100)×0.9 kg、
身長160〜150cm:(身長(cm)−150)×0.4 + 50 kg、
身長150cm以下:(身長(cm)−100) kg
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
欧米先進国では拒食症と過食症は、思春期〜青年期女性のそれぞれ1%と4〜5%と報告されています。
日本でも1980年代から増えています。
2011年、首都圏の学校を対象にした地域調査では、疑い例を含めた女子の小学5年生、6年生、中学1年生、2年生、3年生、高校生の有病率は、69、103、89、175、531、245人(10万人あたり)でした。
3. この病気はどのような人に多いのですか
いずれも、思春期〜青年期の女性に多い病気です。
拒食症の発症年齢は平均17.8歳で、近年、15歳以下の低年齢や30歳以上の患者さんが増加しています。
過食症は拒食症より平均年齢は高く、20歳以上です。
技能や職業上の理由で減量を要求されている、モデル、バレーなどのダンサー、スポーツ選手などでは一般人より発病率が高いことが知られています。
すべてではありませんが、この病気の患者さんには似たような特徴があります。
*「手のかからない良い子」と評され、心配をかけないように振る舞います。
*まじめですが、他人の評価に過敏で柔軟性に欠け、物事をストレスと受け取りやすく、ためやすいといえます。
*本人は自覚していませんが、無理をし過ぎたとき、進路などに迷ってどうしてよいかわからない状況の患者さんが多いようです。
4. この病気の原因はわかっているのですか
ストレスを適切に処理する能力をコーピングスキルと呼びます。
患者さんの発病時のストレスを尋ねると、多くは勉学の過重、スポーツや習い事の負担、進路の失敗、人間関係の悩み、家庭内葛藤、いじめなどです。
しかしこれらは思春期に遭遇しやすいことで、周囲の援助を得ながら自力で対処していくものです。
思春期にありがちな挫折体験を適切に処理できないときに、自分の体型や体重に強い関心を持ち、ダイエットにのめりこみ、達成感や優越感、周囲の関心を得て、誤った心理的ストレスの代償を得ているとも理解されています。
負けず嫌いで完璧主義の人が多いのも特徴で、物事の完全性を求めるあまり挫折感を経験しやすく、それが病気のきっかけになったりします。
健康なのに理想が達成されていない自分を許せないのでやせていたいと公言する患者さんもいます。
また、自分では解決できない窮状を言葉で表現できず、やせることで無意識に助けを求めているとも解釈できます。
これには本人の性格傾向や家庭環境も関係します。
先進国で患者数が多いので教育や文化の影響もあります。
ストレスによってこの病気になりやすい先天的な因子があると考えられ、食欲と情動に関わる遺伝子の解析が行われていますが、民族によって一定の結果は得られていません。
5、 この病気ではどのような症状がおきますか
拒食症では、無月経や、体重の減少に比例して低血圧、脈拍数の減少、低体温と冷え、背中のうぶ毛の増加、カロチン症(顔、手足のひらが黄色くなる)、 便秘、むくみなどが起こります。
過食嘔吐していると唾液腺(えら)の腫大や手背の吐きダコが認められます。
血液検査では、肝機能障害、白血球減少、貧血、高あるいは低コレステロール血症、電解質異常(低ナトリウム、低カリウム血症)があります。
栄養失調の影響で、甲状腺ホルモン、女性ホルモン、背を伸ばすホルモンが低下します。これらは体重が回復すればすべて改善します。
ただし、次の場合は、生命にかかわる危険があるので、入院して治療が必要です。
低血糖で意識がなくなる(低血糖性昏睡)、
脱水で腎臓の働きが悪くなる(腎不全)、
電解質異常(嘔吐や下剤の乱用による低カリウム血症による不整脈)です。
また、栄養失調で結核の合併もあります。
後遺症になるのは、成長期に発病した場合の身長の伸びが低下することによる低身長と骨粗鬆症です。
過食症では正常体重にため大きな異常を認めないことが多いのですが、嘔吐や下剤乱用では電解質異常や腎機能障害を伴いやすくなります。
6、この病気にはどのような治療法がありますか
拒食症では体重だけ回復させること、過食症では過食や自己嘔吐をしないことが治療目標だと安易にみなされている傾向があります。
この病気はストレスに対する誤った行動です。
ストレスに対して適切に柔軟に対応できるようになれば、食行動の異常は改善するのです。
とはいえ、拒食症では、飢餓そのものが心身能力を低下させて、心理的治療の妨げになります。
特に、標準体重の70%以下では運動がきつくなり、65%以下では日常生活に支障がでます。
胃腸機能も低下して自力で体重を増やすことができず、入院と栄養治療が必要になります。
55%以下では重症の合併症を併発しやすくなり、生命危機にも陥ります。
ただし、やせたいという患者に体重増加を受け入れさせことは容易ではありません。
周囲が、解決する問題は食行動の異常ではなく心理的な問題であることを認識し、食行動の異常を責めず、本人の心身の負担を減らして本音を話せる安心できる療養環境を作り、患者の治りたい気持ちを出させて、協力することが必要です。
医療機関では、栄養障害の程度を検査し、医学的アドバイスや栄養指導を行います。そして、本人が受け取るストレスを減らす考え方や、ストレスと感じた場合はそれを食行動の異常ややせで反応しないで適切な方法で解決する行動パターンを学ぶ心理療法を行います。
過食は有効なストレス発散方法であり、最初から過食だけを止めることは困難です。
過食症では、ストレスと受け取りやすくためやすい考え方や物事の認識を変えるようにカウンセリングします。
また、自分の適正な体重を受け入れること、過食を誘導しやすい身体的飢餓を予防すること(不規則な食事、過激なダイエット、嘔吐、下剤乱用、過剰な運動をやめる)と過食しやすい生活パターンの修正(夜更かし、孤食、暇を減らす)を指導します。
薬物は補助的に使用します。
7、この病気はどういう経過をたどるのですか
経過は患者さんによって異なりますが、拒食症では体重と月経が回復するには年単位の期間がかかり、ゆっくりした経過の病気です。
5年後の予後調査では、治癒33%、軽快48%、不変13%で、残念ながら死亡6%でした。
死因は衰弱死、自殺、不整脈、感染症などでした。
8、 この病気は日常生活でどのような注意が必要ですか
拒食症では脳機能の変調で疲労を感じられないので、体が消耗していても過活動で、ふらふらしていても就学•就労や競技スポーツへの参加を強く希望して制止を守りません。
しかし、病状悪化や事故を回避するために、標準体重の65%以下の場合は通常の日常生活でも安全配慮が必要です。
55%以下では低血糖昏睡の危険が高まります。嘔吐や下剤・利尿剤を乱用している場合は、血中カリウムやナトリウムが低下しやすく、腎不全や不整脈の原因になるので、水分とナトリウムやカリウムを多く含む食品や薬剤の補充が大切です。
参照 http://www3.grips.ac.jp/~eatfamily/understand3.html
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過食嘔吐の理由:こころの痛みを置き換える
April 18 [Thu], 2013, 8:46
■「過食食嘔吐は早くやめたほうがいい。でも敵じゃない」
過食嘔吐はかなり体に負担がかかります。
嘔吐を繰り返すうちに、歯がボロボロになります。
(私は虫歯で1年以上歯医者に通いました)
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胃腸も弱ります。
最初は食べたいだけ食べて吐けていたのが、最後には食べたくても食べられない状態になります。
嘔吐している間は、耳鳴りや蓄膿症(鼻炎)、顔面痛など、いろいろな体のトラブルに見舞われました。
だからやめられるなら、できるだけ早くやめたほうがいい。
でも一方で、過食嘔吐は《敵》じゃないとも思うのです
◆「過食嘔吐でこころの痛みを置き換える」
リストカットなどの自傷行為には、体に痛みを与えることで、つらい感情と置き換えて耐えやすくする
という効果があるようです。
過食嘔吐にもそういう一面はあるんじゃないかな、と個人的には思っています。
「食べ物をムダにしてもいい」と肯定するわけではないけれど、
「ダメな人間!」と自分を責める
↓ だけではなく、
過食や嘔吐などでつらい感情を置き換えなければいけない《ほど》、こころの痛みを抱えている自分に気づく
ことは大切ではないかなと思います。
過食嘔吐しながらでも毎日がんばっている。
ちょっとずつやめようと努力している。
そんな自分の《いいところ》を見つめることも必要です。
■どうやって治った? 体験談
◆吐血してこれはヤバい、治さなければ!と思った
病気療養中に彼氏ができて「病気が治った!」と思った矢先、すぐに関係がうまくいかなくなって、かつてないほどの過食嘔吐がはじまりました。
3食全部吐き、さらに間食も吐いていました
やめなければ、やめなければ…と思うのに、気がつくと食品棚を開け、何を食べようか、どこで食べ物を手に入れようかと考えていました。
(アルコール依存では、これを探索行動といいます)
さすがに「自分はおかしい」と思いましたがコントロール不能でした
そしてある日、吐血。三日三晩の激しい胃痛。
「これはヤバい、治さなければ…」と本気で思いました。
※ただし依存症の治療において、このような「底つき体験」は必ずしも必要ないと言われています。
◆「やめた」のではなく、「忘れて」治った
それから必死にやめる方法を探し続けました。
でも「買いだめをしない」「嘔吐をガマンする」などは、一時的にはよくなっても結局はダメでした。
そして再就職も失敗して、実家に戻りました
それからはいつもそばに愛犬がいました。家族もいました。
ちょっとずつお花教室、韓国語教室、ヨガスクールへ行き…過食嘔吐だけがお友達という状態がなくなりました。
「来週のお花教室、何を作るのかな」
「今度までに新しい単語覚えなくっちゃ!」
と思っているうちに、毎日の嘔吐が、2日に1度になり、一週間に1度になり、そのうちに過食嘔吐することを忘れました。
何か特別な努力をしたというよりは、
「必要がなくなったので自然としなくなった」
という感じです。
「やめよう、やめよう」と思っているうちはやめられないけど、過食嘔吐のことを忘れたら、自然とやめられるのかもしれません。
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出典 「摂食障害を生きて」
>摂食障害の患者さんには、しばしば「退行」(子供・幼児返り)現象が見られます。
退行する心を受け止め、親子関係(特に母子関係)をもう一度構築しなおし、育てなおす治療法が「再養育療法」です。
摂食障害の患者さんの多くが親の愛(特に母親の愛)を強く求めています。
ですが、自分自身がそう思っているということを患者さん本人も分かっていなかったり、心の中では分かっていても、それをうまく言葉にできず、心とは裏腹にひどい態度をとってしまう場合もあります。
再養育療法では、患者さん本人が自分の心を見つめてそれをきちんと親に伝えられるよう訓練をします。
母親はそれを受け止め、もう一度患者さんを子供の頃から再び育てなおすというような作業をします。
具体的には、食事等の世話をしたり、添い寝や抱っこをし、手をつないだりします。
十分な時間をとって母子が話す機会を設けます。
母親は、そのような行為を通じて、患者さんのことを大事にしている、愛しているということを十分に伝え、そして患者さんが思っていることを理解するよう努めます。
ただ子供のように単純にかわいがるだけではなく、徐々に「育てる」ということが大事です。
再養育療法の初期は、親がびっくりするほど患者さんは赤ちゃんのように振舞うことがあるようですが、これは、もう一度生まれ変わり、やり直すチャンスだと考えられています。
患者さんは、今まで受けたかった愛情を受けなおし、そしてもう一度自我を構築しなおしていきます。
再養育療法では、退行の途中で患者さんがわがままで傍若無人に振舞ったり、今までの不満や葛藤、対立が表面化したりして、本人も辛いですが、母親も大変な思いをすることがあります。
ですがそれを受け止め、乗り越えることで子供は成長し、再び実年齢と同じ精神年齢までたどり着きます。
患者さんは、一度親に甘えることに慣れてしまうと、そこから脱却するときは葛藤が生じ、苦労する場合があります。
ですが、再養育療法によって十分な愛情を受け、きちんと順を追って育てなおしていけば、本人にも自我が育ち、自信も持てるようになり、自然と「自立したい」という想いが芽生えるもののようです。
この治療法には賛否両論があるようです。
この治療法では、摂食障害が治るまでの期間を無駄に長くしてしまう可能性もあると指摘されています。
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