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私の夢7

私 の 夢(7)            栗山町史編さん推進員
阿部 敏夫
猫の「執念と坊様」
  「猫についての民話」を二話紹介いたしましょう。
 1.猫の執念
昔、あるところに一匹(疋)のメコ(猫=ねこ)が飼われていた。この猫はサッパリ鼠(ねずみ)を捕らないので、飼い主は大いに怒って、「このメコ奴、お前は何故鼠を捕らないのだ、きっと悪鬼の灰に違いない」と言いながら火の中へ投げ込んだ。烈火の中に投げ込まれたからたまらない。とうとう焼け死んだ。それから今度は、霊に生れ代わって主人の家に火を放ち、一物も残さず焼き払って復讐した。おまけにその主人は猫の執念に囚われ病死してしまった。それから猫は可愛がってやらなければならぬという教えが残っている。
(工藤梅次郎『アイヌ民話』小樽・工藤書店、大正153月、58、9p)
 2.猫の坊様
昔々、ある村におんぼろな山寺があって、そこに歳をとった和尚(おしょう)さんが托鉢(たくはつ)しながら暮らしておった。ある日、寺の石段で鳴いていた子猫を拾ってきて、名前をタマとつけて一緒に暮らしておった。
「こんな山寺で、食べものがたくさんないが、わしとなかよく暮らそう」と毎日を過ごしていた。しかし、和尚さんも歳(とし)をとって、村へ托鉢に出られぬようになってしまい、和尚さんとタマが少しのおかゆを分け合って食べるようになった。
そうしていると、タマはどこからか米だの味噌だのをもらって来るようになったと。和尚さんに成り代わって、たくはつしていたんだと。それを知った和尚さんは涙をぽろぽろ流してよろこんだ。そのうちに村の長者の一人娘が亡くなったそうだ。国中の和尚がありがたい経をあげたが、死者は成仏しなかったそうだ。ところが山寺の和尚が鉦(かね)を鳴らし、経をあげたら、成仏したんだと。長者は非常に喜び、立派なお寺に立て直してくれたそうだ。その後、寺も大層(たいそう)繁盛(はんじょう)したそうな。
また、タマも和尚さんについて一緒に経をあげるようになったんだと。そこで、みんなはタマを「猫の坊様」といわれるようになったそうな。むかしこっぽり、これっきり。(藤かおる『昔話と「語り」』野薔薇舎、1998から)
 
人間に飼育された猫には、「妖怪話」と「報恩話」とがあります。「報恩話」には、お寺と深く結びついて伝えられていることもうかがい知ることが出来ます。
 いつものように、高橋秀治『動植物ことわざ辞典』(東京堂出版)を見ると、以下のようなことわざが気にかかった。
◎猫がいないと鼠が遊ぶ◎猫の逆恨(さかうら)み◎猫を殺せば七代祟(たた)る◎猫と庄屋に取らぬはない◎猫の鼠取らず◎猫に九生あり◎猫に憎まれれば引っかれる◎女の心は猫の眼◎猫の鼻と女の腰はいつも冷たい   
 
朝日新聞社会部記者阿部健祐氏が、紙上(20174.22夕刊3面)で赤川学氏(東大・社会学)の猫ブームの背景分析とその存在の意味について紹介しています。「犬だと、毎日の散歩など、専従的に世話をする必要がある。猫の場合は共稼ぎでも、単身者でも飼いやすいという背景があるように思います」、「猫はこっちの言うことは全く聞いてくれない。だから無償の愛を注ぐんですが、その関係性が人間にも楽なんです」。そして「猫ロスは近親の死に匹敵する可能性もあります」。

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