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本当は11月頃の話題なんでしょうが、イブリガッコの話です。 札幌のハーパーさんは、イブリガッコというものは<沢庵>を燻したものと思っていたみたいですね。 なるほどね、中が黄色で外側が煤けた色をしていますので、そう思うのも無理ない話しですね。 まず、イブリガッコがなんであるか知らない人は、こちらを見て下さいね。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%84%E3%81%B6%E3%82%8A%E3%81%8C%E3%81%A3%E3%81%93 どちらかと言いますと、県南の内陸部で盛んに作られている漬物です。 なぜ?ダイコンを燻してから漬けるようになったのか? どうも秋田県の気候が関係していたのでは?と言う話です。 家でも昔は自家製で<沢庵>を作っていました。親父の大好物でした。 県北地方では普通の<沢庵づくり>で、燻す事はありません。普通に干します。 去年の秋、ダイコン干しの風景を写真に撮ろうと思いましたが、最近はほんとに少なくなりましたね。 だいたい、家でも親父が死んでからは、漬けなくなりましたものね。 20〜30年も前の話になりますが、旨い<沢庵>を喰いたい一心で親父は、まずダイコンが 良くほへるように(良く干しあがるように)外の日当たりの良いところを選び ダイコンを吊り下げ、干しました。数日後、雨が降って気温も下がってきました。 ダイコンはまだ干しあがっておりません。雪も降ってくるかもしれないと直感した親父は 「ダイコンが風邪をひく。なんか掛けねばダメだ」と言って、ビニールを吊るしてあるダイコンに 掛け始めました。雨の中ですよ。「なんでや?」と思いながら手伝いましたが、 親父の言い分は「ダイコンが凍みる(シミル)とメグネ(旨くな)くなる」というものでした。 ダイコンの細胞が凍り細胞膜が壊れるとまずくなりますね。なるほど。 会津出身の親父にはそんな経験があったのでしょうか?より寒い秋田ではダイコンはこのままでは凍って しまうと思ったのでしょうか。その表現が「風邪をひく」でした。 次の日、ダイコンは掛けられたビニールの所為か?「風邪をひく」つまり凍ることは無かったのですが 親父が、風邪をひき、 寝込んでいました。 秋田の11月は時雨れることも多いので、ダイコンを上手く干しあげる事が難しい年もあったかもしれま せん。特に内陸部は気温も下がります。凍る可能性は確かにあります。 では、どうするか。 なんとかダイコンを干すしかありませんね。 最初は囲炉裏の上あたりに干してたかもしれませんが、凝り性の秋田県人のことです、 そのうち、大々的に小屋の中で燻す方法を考えだしました。 昔は遡上してくる鮭も多かったでしょうから、<塩引き鮭>の作り方もヒントになったかもしれませんが この場合、塩につける順序が違いますからね。囲炉裏の上あたりというのが最初でしょうね。 家のダイコンはそのうち首尾よくおいしい<沢庵>になりましたが、同じころ県南出身の知り合いがよく お土産として<イブリダイコン>を我家に持ってきてくれました。 最初の感想は<よしさん>と同じでしたね。今より保存性重視の考えが強かったせいでしょうか 今よりずッと堅く、食べにくい味でした。土産品としてもほんとにローカルなものでした。 しかし、今のは良いですね。いろいろな研究の成果でしょうね。 秋田が生んだ世界に誇れる<燻製+醗酵食品>です。 なぜ?燻すんだろうと思ったとき、浮かんだのが親父の「ダイコンが風邪をひく」でした。 燻せば早く干すことができ、早く漬けることもできます。燻製効果で腐敗も防げ、塩分も減らせます。 秋田内陸部の気候に適応した漬物なのです。 長くなりましたが、オマケの話をひとつ。 以前、知り合いのおばあさんから聞いた話です。 その昔、秋も深まった頃です。 鉱山長屋(社宅)の共同の水場で母さんたちがダイコンを樽に漬けていました。 一ヶ月ほど前は、曲がり様も無く固かったダイコンが 今は、シナッとなって(しなやかになって)次々に樽に詰められてゆきます。 その作業しながら、若い母さんが一言 「人も、このダイコンのようにケンカさねで(しないで)うまくいかねもんだべか」 若い母さんは、姑、小姑のことで悩んでいたんでしょうね。人間が<シナッとなったダイコン>のように 譲り合えば、と思ったんでしょうね。 今その若い母さんは、おばあさんとなり、幸せに暮らしております。
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言われる通り、沢庵を燻したものと思いこんでいました。
大根に「風邪をひかさない」干し方。防腐効果。少ない塩分。
気候が考えさせた、秋田の知恵、ですね。
最後の若いお母さん、ペニーsんのお母さんですね。(拍手)
本当に、有難うございます。良い記事でした。
2008/5/7(水) 午前 0:23 [ harper3777 ]
私は沢庵の乾いたものは美味しくないと思うので、大根を干す段階で燻すと思っていました。正解のようで安心です。昔は大根を掘って運び洗って竿掛けをして干す。これが大量でした。今は作付けも少なく沢庵も若い人たちは、そんなに食べなくなり、時代が変わりましたが、お土産の「いぶりがっこ」は喜んで皆は食べています。親父さんの「よぐほへるよに…」いい言葉ですね。
2008/5/7(水) 午前 8:45
はじめまして よろしくお願いします
良かったら 私のホームページ
見てください よろしく
2008/5/7(水) 午後 10:21 [ ムーミンパパ ]
ハーパーさん、そう思いましたか。家の母ではなく、知り合いのおばあさんです。家の母のスゴイところは、自分では漬物が食べれないんですが(なぜか?ダメなんですよ。タマリ漬ぐらいかな、食べれるのは)、夫のため、子のため60年、いや70年以上漬物を作ってくれたことです。味見が出来ないのによく作ってたと思います。まあ〜うまいですよ。
それを記事にしなさい!と言われそうですね。
2008/5/8(木) 午後 8:04
たけさん、私もどちらかというと”鉈漬け”みたいな感じの漬物が好みでして。そういえば、鉈漬けなんて何時食ったっけ?昔はあちこちに漬物自慢のおばあさんがいて、口にすることも出来たんですが、少なくなりましたね。
「よぐほへる」「しなっと」は標準語にしたいですね。
2008/5/8(木) 午後 8:51
ムーミンさん、ご訪問ありがとうございます。
2008/5/8(木) 午後 8:52
★★願いが叶うかも★★
2008/5/12(月) 午前 1:57 [ こう ]