「佐部利 典彦 展」 於 : 小田原 すどう美術館
09年5月16日(土) 〜 31日(日)
11:00〜19:00(月・火 休館)
画家 佐部利典彦(さぶり のりひこ)さんの展覧会が開催されています。
佐部利さんは、現在岐阜県に在住される作家。
大画面の絵画作品を中心に作品発表されているほか、国内外で様々なワークショップを開催されるなど、
多彩な活動を続けておられる作家さんです。
佐部利さんの作る画面には、様々な形の「筆跡」が登場します。
大きな画面を「立てかけた状態」で、少し柔らかく溶いた状態の絵具を使って描かれた画面には、
作家の動いた形跡を彷彿とさせる様な、ドラマチックでダイナミックな描線が生き生きと描かれています。

一見した動きはとても大らかで、描線なども「アクションペインティング」を想像する様な遊び心に満ちた
動きを連想するのですが、最初のインパクトから時間が経ち、ゆっくりと画面に向き合っていると、その各所に
とても繊細で暖かな「穏やかさ」さえ感じるような表現を見つけることが出来、不思議な気持ちになって
しまう事があります。
パレットに、瞬間的にイメージした様な色を並べ、太い筆で掬って一気に描き上げる・・・といった経過を
想像させながらも、その動きの相互関係から生まれてくる「重なり」や「にじみ」や「流れ」などの中に、
「引っかいてみる」「点描を打ってみる」「拭きとってみる」などの意識的な「工作」を見つける時が、
とても楽しく思えてきて、何か別の種類の言葉で書かれた「手紙」を判読している様な、ファンタジックな
気持ちになる事があります。
「定番絵画」「現代美術」、「具象画」「抽象画」・・・など、兎角分類して括られ勝ちな近代の美術作品ですが
一般的に鑑賞する時には、そういった「言葉」はあまり意味が無い様な・・・そんな気持ちにさせてくれる
独特の魅力を持った、希少な作品のひとつである様に感じます。
作家の佐部利氏は、作品制作のほかにも様々なワークショップやフィールドワークを行ない、日本国内は勿論
モンゴル、カナリア諸島など海外での活動も活発に行なっておられます。
近年では、現在横浜FUNEプロジェクトで活躍中の日比野克彦氏のプロジェクトにも参加されており、
思いがけない美術サイトや友人作家のHPで名前を拝見するなど、氏の活動ぶりは驚くほど精力的です。
今回は約2年ぶりの本格的な個展となる様です。作品は全て新作・近作。楽しみな展覧会です。
会場のすどう美術館は、小田急線「富水」駅より徒歩3分ほど。
晴れた日には、美しい富士山の姿を臨む清涼な空気が清々しい、とても美しい場所であります。
初日の16日(土)には、前日本フィルハーモニーのコンサートマスター大河内弘さん率いる弦楽トリオの
ムゼ・コンサートもあります。
奥様でヴィオラニストの徳澤姫代さんや、ご子息で、現在さだまさしさんや原田知世さんともさかりえさんなど
たくさんのアーティストの方たちと活躍中のチェリスト青弦さんとの、ご家族仲睦まじいトリオ演奏が人気です。
コンサートはすどう美術館あて、予約制¥4000です(既に満席の場合は御免ください)
初夏の光眩しい、風爽やかな富水まで・・・是非この機会に、美術散歩にお出かけになって見て下さいね。
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