美術散歩日和

美術の世界に飛び込んでから、様々な出会いがありました・・・ここでは、身近な作家さんの展覧会を紹介したいと思ってます

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与那覇 大智 展

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画像:「HOME − 散策 −」 キャンバスに油彩 162×194cm 2009年

与那覇 大智 展    於:銀座 Oギャラリー
09年4月20日(月)〜26日(日) 12:00〜20:00(日曜日11:00〜16:00)

画家 与那覇大智(よなは たいち)さんの展覧会が開催されています。

与那覇さんは、現在茨城県に在住されている作家さんです。
1967年沖縄県生まれ。90年に沖縄県立芸術大学 工芸学部を卒業された後、93年、筑波大学大学院
修士課程芸術研究科を終了されています。
97年には、第11回ホルベインスカラシップ奨学生。98年にはアート公募にて準大賞を授賞、以降99年には
審査員賞、00年には奨励賞を受賞され、00年のVOCA展に出品。 01年には、「NICAF2001東京」にも
出品され、05〜06年の間には、アメリカ・フィラデルフィアにあるペンシルヴェニア大学に、文化庁新進芸術家
海外留学制度により選抜を受け留学されるなど、まさに、現在とこれからの仕事を期待されている作家さんです。

昨年の10月に行なわれた「沖縄プリズム」という展覧会。
与那覇さんは、たった1点でしたが、大変大きな画面の作品を出品され、それは素晴らしい存在感をもって
訪れる人々に、会場で静かな時間を提供していました。

その時の作品タイトルは、「Passage of shine」
邦題で「光のひほひ」と題された一連の代表作のものでしたが、氏はその後ここ5年ほど、非常に様々な
視点から作品表現を模索し、アプローチを重ねて来られました。

昨年の同ギャラリーの個展では「時の砂」と題されたシリーズを発表。
ご本人の言葉をして「行きつ戻りつ、というよりは、螺旋を描いて行くように進んでいく」制作活動の一端を
垣間見せて貰う様な、劇的な変化を感じてしまいました。

それから早1年・・・

今回のDM作品の第一印象は、非常に静かで、そして明るく温かい、とても印象的な色。
何色か、という事は、印刷によって実際の作品とは異なると思われますが、何と言うか、激しく流れていた水が
ふと流れを止めて、静かに沈殿している、とか、音をたてて流れていた風がふと止んで、陽の光が耳にとまり
その温かさを感じられる様な・・・その「色」の表現の中からは、そんな「感触」を受け取りました。

タイトルは「HOME」副題として「散策」とあります。

「散策」とは、非常に繊細に選ばれた言葉だと思います。
余暇をのんびりと当ても無く散歩し、周囲の風物と気ままに語り合う様な、幸福でゆったりとした時間・・・
というニュアンスと、
見知らぬ(或いは見知った)森の中で、何をかともなく探しながら、あるいは求めながら、独り歩いている・・・
という様な、孤独感を感じる様な、潔い質感も感じられます。


個展会場のOギャラリーは、与那覇さんにとってのまさにHOME。
年1回の個展で、その作品に会う事を楽しみにしている人たちも、大勢いらっしゃいます。

季節は春の銀座まで・・・心に沁みる与那覇さんの「色」に出会いに、
是非美術散歩にお出かけになってみて下さい。
https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/b2/95/bi_sampo/folder/861793/img_861793_26069386_15?1229672321

…へ、昨日行ってきました。

絵画・陶芸・写真・映像などなど…様々な分野の作品はもとより、
沖縄の歴史を語る貴重な文献なども、多く展示されていました。

何と表現したらいいのでしょう…

久々に、ゴツンと重たいものが胸の真ん中に落ちて来る様な、そんな感想を持ちました。

インスタレーションが、半ばエンターティンメント化しつつある近年ですが、
今回、展示されたていた作品は…
やや無器用な印象はあるものの、コンセプトや作家自身の哲学を率直に表現している感じで、
素朴な好感を持ちました。

友人(…と呼ばせて頂きます)の与那覇大智さんの作品は、素晴らしかったです★
氏の、あの様に綿密な大作の仕事は…
やはり美術館の様な大空間で展示される事が、ふさわしいと思いました。

その他の作品では、特に映像が面白かったです。

中でも、山城知佳子さんの「アーサ女」は、恐らく作者の狙い通り、とても息苦しさを感じるのですが…
海水の余りの美しさに恍惚感すら感じられて、興味深い感覚を体験出来ました。

特に引き込まれてしまったのは、高嶺剛さんの「オキナワン・ドリーム・ショー」。
返還されたばかりの60年代(タブン)の沖縄の人々を、ただただ延々と写しているだけ、なのですが…

単にノスタルジーと言う言葉だけでは言い表せない、切なくて、懐かしくて、ひどく淋しい様な…
そんな気持ちになる作品で、長い間椅子に座って思わず見入ってしまいました。

沖縄にも、60年代にも、全くノスタルジーがある訳では無いのに…自分でも不思議でした★

沖縄プリズム展は、21(日)まで。
会場の東京国立近代美術館は、東京メトロ東西線 竹橋駅下車。 1b出口よりすぐ。 黄色いオブジェが目印になります。

閉館は午後5時です。入場は30分前までです、お気を付け下さい。

常設やギャラリーの展示も、大変充実しています。是非、お出掛けになってみて下さい。

山田 りえ 展

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画像:「シャリファ・アマス」F6号

「山田りえ 展」 於 : 銀座 柴田悦子画廊
08年 12月13日(土)〜22日(月)
12:00〜7:00 日曜日は6:00、最終日は5時まで)

山田りえ(やまだ りえ)さんの展覧会が開催されています。
山田さんは61年、京都府生まれ。83年に多摩美術大学日本画科を卒業され、85年には春季創画展に
初入選されました。
その後、国内外の展覧会にも出品されており、茅ヶ崎市美術館・佐藤美術館などでの企画展にも招聘され
ると同時に、個展・二人展などで作品発表を重ねてこられました。

今回のDM掲載作品は、薔薇。
山田さんの描く花々の中でも、もっとも美しい画題のひとつである「薔薇」。 注釈のF6号(31×40cm)
というサイズに驚くほど、濃密な描写で、量感があり、今を盛りと咲き誇る花の命のエネルギーが伝わって
来る様な、熱を帯びた迫力を感じます。

私が初めて山田さんの絵を拝見したのも、この柴田悦子画廊さん。
そして、初めて拝見したその個展会場で衝撃を受けたのも、この薔薇を主題をした花の絵でした。

一度見たら忘れられない、美しく力強い輝きに満ちたその花達は、時にクールに、時に大胆に、そして時には
とても繊細に、画面の中に描かれ、見る者の心を魅了して止みません。

近しい方が、以前書かせて頂いたログを見て、その画像(DM作品ですが)に一目ぼれしてしまい、遠方から
個展に行かれた、というお話を聞きました。
見た人の心に甘美とげを刺して、そしてそれが抜けなくなってしまう・・・そんな感想を抱くのは、私だけでは
無かったのだ、と思い、改めて山田さんの絵画の力を感じてしまいました。


会場の柴田悦子画廊は、画廊ビルとしてもお馴染みになっている、銀座1丁目第3太陽ビルの2Fにあります。
地下鉄有楽町線「銀座1丁目駅」が最寄となりますが、「京橋駅」「銀座駅」「有楽町駅」から歩いてもOK。
クリスマス・イリュミネーションの美しい銀座界隈を楽しみながら、是非、美術散歩にお出かけになって
頂きたいと思います・・・。

沖縄プリズム

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沖縄プリズム 1872 − 2008   於 : 竹橋 東京国立近代美術館
08年 10月31日(金) 〜 12月21日(日)
10:00 〜 5:00 (金曜日は午後8時まで) 休館日:月曜 (ただし11月3日24日は開館、25日は休館)

国立近代美術館に於いて、現在、大変興味深い展覧会が開催されています。
近年、沖縄を主題に企画された展覧会の殆どは、その伝統工芸などの文化紹介が殆どでしたが、
まさに今を生き、考え、悩み、そして試行錯誤している作家達やその仕事・作品などを展観する機会は
あまりありませんでした。
今回、開催されている展覧会の趣旨の1つが、まさにそのことでもあります。

「『沖縄プリズム展1872−2008展』は、これまでの「沖縄展」の多くが琉球王朝の工芸を回顧するもの
 であったのとは異なり、近代と言う時代のうねりの中で、この地から誕生した、そして現在生成しつつある
 造形芸術を検証する初めての試みです・・・(フライヤー文より抜粋)」

作品ジャンルは、絵画・版画・写真・映画・工芸など、実に様々。

以下出品作品一例です(フライヤーより)。
左上:儀間比呂志「掠奪の日の記録」 右上:迎菊池契月「南波照間」
左下:安谷屋正義「塔」       右下:伊志嶺隆「光と影の島 より」
https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/b2/95/bi_sampo/folder/861793/img_861793_26069386_18?1230222559

右側上より:國吉清尚「酒壷」 岡本太郎「竹富島」
左側上より:東松照明「太陽の鉛筆 より」 山城千佳子「アーサ女」
      与那覇大智「The Passage of Shine - PA8」 平良考七「パイヌカジ より」
https://blogs.yahoo.co.jp/IMG/ybi/1/b2/95/bi_sampo/folder/861793/img_861793_26069386_19?1230222559

会期中は、出品作家を招いてのギャラリー・トークや、琉球放送制作によるドキュメンタリーの上映、
また、演劇集団「創造」による「人類館」の上演など、多くの企画が予定されています。
いずれも参加費は無料(ただし入場券は必要です)、是非ご参加下さい。
詳細メニューは、国立近代美術館HPで ⇒ コチラをクリック!

私達が知っている沖縄、私達が知らなかった沖縄、そして沖縄から発信される現在のアート・シーンなど
様々な沖縄を体感することが出来る、魅力的な企画です。

国立近代美術館は、東京メトロ竹橋駅 1b出口から出てすぐです。
意欲的、魅力的な現代の沖縄の熱を見に、是非、美術散歩にお出かけになって見て下さいませ・・・。

松屋 桂子 個展

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上画像 : 「Bouquet」 水彩画

「松屋 桂子 展  − 水彩画 −」 於 : 鎌倉 夢松洞
08年 10月22日(水) 〜 26日(日)
11:00 〜 6:00

松屋 桂子(まつや けいこ)さんの個展が開催されています。

松屋さんは、現在、藤沢市に在住される作家さん。
今回は昨年に引き続き、鎌倉の夢松洞での展覧会となりました。

会場の夢松洞さんはJR鎌倉駅から徒歩5分。 四季折々の木々や花が美しい大巧寺(だいぎょうじ)の
山門を通り抜けると、道の向こうに静かに現れる、とても雰囲気のある素敵なギャラリーです。

初めて伺ったときは、そのギャラリーまでの美しい道と、ギャラリー自体の瀟洒なたたずまいに感激・・・
それら全てが、松屋さんの美しい水彩画の雰囲気とピッタリ合っていて、その印象の余韻はいつまでも
心に残っていました・・・。

松屋さんの作品は、水彩画。
透明水彩を使って描かれるその世界は、とても柔らかで穏やかな光に満ちていて、見ていると
幸せな気持ちになれる素敵な作品ばかりです。

今回頂いたDMにあった作品は、花。

紙の白さをそのまま活かした真っ白な花瓶に、バラやダリア、トルコキキョウなどなど・・・
様々な花が、沢山に活けられています。
ダリアやバラは、とても鮮やかな色の印象が強い花ですが、ここではその色の主張は抑えられ、
やわらかなシェンナやアンバー、イエローオーカー・・・と言った、洒落た色使いのリズムで
表現されています。
大らかな動きのある、葉の緑色の美しさ・・・
でもやっぱり、とりわけ目を奪われるのは、ところどころに輝く『純白』の美しさでしょうか・・・
様々な表情を見せる色彩の中で、すべすべして冷たそうな陶器の白さや、カモミールの様な小花などに、
眩しい様な白がきらめいています。

個人的には、画面右下のテーブル部分に残された明るさ、の部分の絶妙な表現にも
心が奪われました・・・。


会期は26日の日曜日まで。
秋風の気持ちいいこの時期、鎌倉散策には一番良い季節となりました。

松屋さんの、爽やかで軽やかな水彩画の世界と出会いに・・・この機会に是非、秋の鎌倉まで
美術散歩を楽しみにお出かけになって頂きたいと思っています・・・

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