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画像:「HOME − 散策 −」 キャンバスに油彩 162×194cm 2009年 画家 与那覇大智(よなは たいち)さんの展覧会が開催されています。 与那覇さんは、現在茨城県に在住されている作家さんです。 1967年沖縄県生まれ。90年に沖縄県立芸術大学 工芸学部を卒業された後、93年、筑波大学大学院 修士課程芸術研究科を終了されています。 97年には、第11回ホルベインスカラシップ奨学生。98年にはアート公募にて準大賞を授賞、以降99年には 審査員賞、00年には奨励賞を受賞され、00年のVOCA展に出品。 01年には、「NICAF2001東京」にも 出品され、05〜06年の間には、アメリカ・フィラデルフィアにあるペンシルヴェニア大学に、文化庁新進芸術家 海外留学制度により選抜を受け留学されるなど、まさに、現在とこれからの仕事を期待されている作家さんです。 昨年の10月に行なわれた「沖縄プリズム」という展覧会。 与那覇さんは、たった1点でしたが、大変大きな画面の作品を出品され、それは素晴らしい存在感をもって 訪れる人々に、会場で静かな時間を提供していました。 その時の作品タイトルは、「Passage of shine」 邦題で「光のひほひ」と題された一連の代表作のものでしたが、氏はその後ここ5年ほど、非常に様々な 視点から作品表現を模索し、アプローチを重ねて来られました。 昨年の同ギャラリーの個展では「時の砂」と題されたシリーズを発表。 ご本人の言葉をして「行きつ戻りつ、というよりは、螺旋を描いて行くように進んでいく」制作活動の一端を 垣間見せて貰う様な、劇的な変化を感じてしまいました。 それから早1年・・・ 今回のDM作品の第一印象は、非常に静かで、そして明るく温かい、とても印象的な色。 何色か、という事は、印刷によって実際の作品とは異なると思われますが、何と言うか、激しく流れていた水が ふと流れを止めて、静かに沈殿している、とか、音をたてて流れていた風がふと止んで、陽の光が耳にとまり その温かさを感じられる様な・・・その「色」の表現の中からは、そんな「感触」を受け取りました。 タイトルは「HOME」副題として「散策」とあります。 「散策」とは、非常に繊細に選ばれた言葉だと思います。 余暇をのんびりと当ても無く散歩し、周囲の風物と気ままに語り合う様な、幸福でゆったりとした時間・・・ というニュアンスと、 見知らぬ(或いは見知った)森の中で、何をかともなく探しながら、あるいは求めながら、独り歩いている・・・ という様な、孤独感を感じる様な、潔い質感も感じられます。 個展会場のOギャラリーは、与那覇さんにとってのまさにHOME。 年1回の個展で、その作品に会う事を楽しみにしている人たちも、大勢いらっしゃいます。 季節は春の銀座まで・・・心に沁みる与那覇さんの「色」に出会いに、
是非美術散歩にお出かけになってみて下さい。 |
ま・や行の作家一覧
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ま・や行で始まる名前の作家紹介
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…へ、昨日行ってきました。 絵画・陶芸・写真・映像などなど…様々な分野の作品はもとより、 沖縄の歴史を語る貴重な文献なども、多く展示されていました。 何と表現したらいいのでしょう… 久々に、ゴツンと重たいものが胸の真ん中に落ちて来る様な、そんな感想を持ちました。 インスタレーションが、半ばエンターティンメント化しつつある近年ですが、 今回、展示されたていた作品は… やや無器用な印象はあるものの、コンセプトや作家自身の哲学を率直に表現している感じで、 素朴な好感を持ちました。 友人(…と呼ばせて頂きます)の与那覇大智さんの作品は、素晴らしかったです★ 氏の、あの様に綿密な大作の仕事は… やはり美術館の様な大空間で展示される事が、ふさわしいと思いました。 その他の作品では、特に映像が面白かったです。 中でも、山城知佳子さんの「アーサ女」は、恐らく作者の狙い通り、とても息苦しさを感じるのですが… 海水の余りの美しさに恍惚感すら感じられて、興味深い感覚を体験出来ました。 特に引き込まれてしまったのは、高嶺剛さんの「オキナワン・ドリーム・ショー」。 返還されたばかりの60年代(タブン)の沖縄の人々を、ただただ延々と写しているだけ、なのですが… 単にノスタルジーと言う言葉だけでは言い表せない、切なくて、懐かしくて、ひどく淋しい様な… そんな気持ちになる作品で、長い間椅子に座って思わず見入ってしまいました。 沖縄にも、60年代にも、全くノスタルジーがある訳では無いのに…自分でも不思議でした★ 沖縄プリズム展は、21(日)まで。 会場の東京国立近代美術館は、東京メトロ東西線 竹橋駅下車。 1b出口よりすぐ。 黄色いオブジェが目印になります。 閉館は午後5時です。入場は30分前までです、お気を付け下さい。 常設やギャラリーの展示も、大変充実しています。是非、お出掛けになってみて下さい。
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画像:「シャリファ・アマス」F6号 山田りえ(やまだ りえ)さんの展覧会が開催されています。 山田さんは61年、京都府生まれ。83年に多摩美術大学日本画科を卒業され、85年には春季創画展に 初入選されました。 その後、国内外の展覧会にも出品されており、茅ヶ崎市美術館・佐藤美術館などでの企画展にも招聘され ると同時に、個展・二人展などで作品発表を重ねてこられました。 今回のDM掲載作品は、薔薇。 山田さんの描く花々の中でも、もっとも美しい画題のひとつである「薔薇」。 注釈のF6号(31×40cm) というサイズに驚くほど、濃密な描写で、量感があり、今を盛りと咲き誇る花の命のエネルギーが伝わって 来る様な、熱を帯びた迫力を感じます。 私が初めて山田さんの絵を拝見したのも、この柴田悦子画廊さん。 そして、初めて拝見したその個展会場で衝撃を受けたのも、この薔薇を主題をした花の絵でした。 一度見たら忘れられない、美しく力強い輝きに満ちたその花達は、時にクールに、時に大胆に、そして時には とても繊細に、画面の中に描かれ、見る者の心を魅了して止みません。 近しい方が、以前書かせて頂いたログを見て、その画像(DM作品ですが)に一目ぼれしてしまい、遠方から 個展に行かれた、というお話を聞きました。 見た人の心に甘美とげを刺して、そしてそれが抜けなくなってしまう・・・そんな感想を抱くのは、私だけでは 無かったのだ、と思い、改めて山田さんの絵画の力を感じてしまいました。 会場の柴田悦子画廊は、画廊ビルとしてもお馴染みになっている、銀座1丁目第3太陽ビルの2Fにあります。
地下鉄有楽町線「銀座1丁目駅」が最寄となりますが、「京橋駅」「銀座駅」「有楽町駅」から歩いてもOK。 クリスマス・イリュミネーションの美しい銀座界隈を楽しみながら、是非、美術散歩にお出かけになって 頂きたいと思います・・・。 |
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沖縄プリズム 1872 − 2008 於 : 竹橋 東京国立近代美術館 08年 10月31日(金) 〜 12月21日(日) 10:00 〜 5:00 (金曜日は午後8時まで) 休館日:月曜 (ただし11月3日24日は開館、25日は休館) 国立近代美術館に於いて、現在、大変興味深い展覧会が開催されています。 近年、沖縄を主題に企画された展覧会の殆どは、その伝統工芸などの文化紹介が殆どでしたが、 まさに今を生き、考え、悩み、そして試行錯誤している作家達やその仕事・作品などを展観する機会は あまりありませんでした。 今回、開催されている展覧会の趣旨の1つが、まさにそのことでもあります。 「『沖縄プリズム展1872−2008展』は、これまでの「沖縄展」の多くが琉球王朝の工芸を回顧するもの であったのとは異なり、近代と言う時代のうねりの中で、この地から誕生した、そして現在生成しつつある 造形芸術を検証する初めての試みです・・・(フライヤー文より抜粋)」 作品ジャンルは、絵画・版画・写真・映画・工芸など、実に様々。 右側上より:國吉清尚「酒壷」 岡本太郎「竹富島」 左側上より:東松照明「太陽の鉛筆 より」 山城千佳子「アーサ女」 与那覇大智「The Passage of Shine - PA8」 平良考七「パイヌカジ より」 会期中は、出品作家を招いてのギャラリー・トークや、琉球放送制作によるドキュメンタリーの上映、 また、演劇集団「創造」による「人類館」の上演など、多くの企画が予定されています。 いずれも参加費は無料(ただし入場券は必要です)、是非ご参加下さい。 詳細メニューは、国立近代美術館HPで ⇒ コチラをクリック! 私達が知っている沖縄、私達が知らなかった沖縄、そして沖縄から発信される現在のアート・シーンなど 様々な沖縄を体感することが出来る、魅力的な企画です。 国立近代美術館は、東京メトロ竹橋駅 1b出口から出てすぐです。
意欲的、魅力的な現代の沖縄の熱を見に、是非、美術散歩にお出かけになって見て下さいませ・・・。 |
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上画像 : 「Bouquet」 水彩画 松屋 桂子(まつや けいこ)さんの個展が開催されています。 松屋さんは、現在、藤沢市に在住される作家さん。 今回は昨年に引き続き、鎌倉の夢松洞での展覧会となりました。 会場の夢松洞さんはJR鎌倉駅から徒歩5分。 四季折々の木々や花が美しい大巧寺(だいぎょうじ)の 山門を通り抜けると、道の向こうに静かに現れる、とても雰囲気のある素敵なギャラリーです。 初めて伺ったときは、そのギャラリーまでの美しい道と、ギャラリー自体の瀟洒なたたずまいに感激・・・ それら全てが、松屋さんの美しい水彩画の雰囲気とピッタリ合っていて、その印象の余韻はいつまでも 心に残っていました・・・。 松屋さんの作品は、水彩画。 透明水彩を使って描かれるその世界は、とても柔らかで穏やかな光に満ちていて、見ていると 幸せな気持ちになれる素敵な作品ばかりです。 今回頂いたDMにあった作品は、花。 紙の白さをそのまま活かした真っ白な花瓶に、バラやダリア、トルコキキョウなどなど・・・ 様々な花が、沢山に活けられています。 ダリアやバラは、とても鮮やかな色の印象が強い花ですが、ここではその色の主張は抑えられ、 やわらかなシェンナやアンバー、イエローオーカー・・・と言った、洒落た色使いのリズムで 表現されています。 大らかな動きのある、葉の緑色の美しさ・・・ でもやっぱり、とりわけ目を奪われるのは、ところどころに輝く『純白』の美しさでしょうか・・・ 様々な表情を見せる色彩の中で、すべすべして冷たそうな陶器の白さや、カモミールの様な小花などに、 眩しい様な白がきらめいています。 個人的には、画面右下のテーブル部分に残された明るさ、の部分の絶妙な表現にも 心が奪われました・・・。 会期は26日の日曜日まで。 秋風の気持ちいいこの時期、鎌倉散策には一番良い季節となりました。 松屋さんの、爽やかで軽やかな水彩画の世界と出会いに・・・この機会に是非、秋の鎌倉まで
美術散歩を楽しみにお出かけになって頂きたいと思っています・・・ |




