スペイン編
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セブレイロ峠を越えてキャンプ地を目指すと、そこにはイタリアからの団体がいた。 キャンプ場をすべて独占している。 バス2台でヴェネチアから来た彼らは、巡礼の道を歩きながらサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指している。 歩くといってもその距離は一日約20キロ、あとはバスでの移動になるらしい。 安いホテルに泊まりながらの移動だったらしいが、この日のホテルがあまりにも汚かったのでキャンセルし、急遽キャンプになったらしい。 寝袋は持っているが、テントはない。 そのため、直接地面に寝袋を置いて寝る。 私たちが以前にアメリカ西部を幌馬車で旅したときに見た光景と同じだ。 このイタリア人たち、かなり元気がいい。 カメラを向けるとウェーブをする。 目が合うと歓声を上げる。 すべてにテンションが高い。 夕食の時間も盛り上がっている。 そのとき一人のイタリア人の女性が話しかけてきた。 「よければ一緒に夕食をどうですか?」 「いや、けっこうです。妻が今夕食の準備をしていますから」 「じゃあ、すぐに止めるように言って下さい。たくさん夕食はあります」 なかなか警戒している私。 「お金を払います。無料ではいただけません」 「そんなことを言わないでください」 「いえ、けっこうです」 最後に彼女は一言。 「私たちはサンティアゴの道を歩いている仲間です。そして互いに助け合うのがサンティアゴの道の精神です。ですから、どうぞ遠慮なくいただいてください」 サンティアゴの精神か・・・。 う〜ん、ご招待にあずかるか。 「お〜い、夕食をご馳走してもらうことになったぞ!」 キャンピングカーの中にいた家族を呼ぶ。 余りものとはいえ、なかなか豪華な食事だった。 デザートもフルーツもいただいた。 私たちはアルコールを飲まないが、ワインまで準備されていた。 イタリア人もなかなかいい人だな! 急に見方が変わった私。 メールアドレスも交換したり、写真を撮ったり。 国歌を歌い、サッカーの応援歌を歌い、みんなで飛び跳ねる。 夜中までギターを弾き歌声が途絶えない。 意気投合した二人のカメラマンはなかなか帰ってこない。 二人はワインを飲みすぎて、キャンピングカーの周りをふらふらと歩いていた。 |





