美瑛で百姓になる!

05年3月。京都から美瑛に移住。独立農家めざし、農業修行を始める。夢は膨らむが…

百姓になるための法手続

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はじめは賃貸から

というわけで、ようやく私も、農業委員会に土地の所有を申請する段階までこぎ着けました。実際の農家での研修も終わりましたし、この先5年間の経営収支をまとめた「就農計画書」も作りました。あとは、来年1月下旬の美瑛町農業委員会総会で認めてもらうだけです。

で。この総会にはいろいろな書類が必要となります。就農計画書のほかにも、農業研修をしたことを証明するものやら、地権者の同意書やら。あとは、就農する地域の農家でつくる組織の同意書も必要なんです。つまり、私と地権者が同意していても、地域が反対したら就農することはできないのです。いやあ、いろいろありますねえ。

こうした提出書類は、ほとんど農協が作成してくれるのです。あれ? なんで? 普通なら役場じゃないの? と思うでしょ。違うのです。「本来は本人自身が農業委員会に提出するのが原則。でも、いろいろ煩雑だから農協が代行してくれる」のだそうです。というわけで、昨日は農協と農業委員会事務局に挨拶まわり。ここは、ひとつ、なにとぞ、よろしくお頼み申します。あ、こちらの御ア兄サン、お、そちらの御ア姐さんも、なにとぞよろしくお頼み申します。と、渡世の仁義をきってきました。

さて。これで農業委員会総会が通れば、めでたく農地所有者となり、その時点で農家と認められるわけです。先日書きました「農家資格が先」か「農地所有が先」かの大矛盾については、結局解決する方法がないらしく、「農地所用と同時に農家認定する」というかなり苦しい論理で決着するのです。まあ、つまりは現在の農地法は、農家子息以外が農家になることを想定してないのですね。たぶん。

しかし。総会が通っても、農地の売買契約はできないのです。美瑛では、最初の2、3年は賃貸しか認められていません。売り主、買い主が共に強く即時売買を求めても、これは認めてもらえません。これも例によって法定事項ではなく、慣習というか、農業委員会の権限の範囲内というか、まあ「昔からそうだから」というものです。私権の制約と言おうがなんと言おうが、ダメなのです。

理由はいろいろあるようです。「実際に2、3年耕してみて、あまりにも悪い土地だったら別の場所を探すことができる」というのが、就農者側にとってメリットある理由です。でも、私は知っています。本当の理由を。もちろん、それは、「本当にこんな素人に農業が出来るのか。アヤシイなあ。まあ、2、3年は様子見だな」ってとこでしょ。もしかしたら、過去には耕作放棄して逃げた就農者もいたかもしれません。まあ、このあたりのことを突っ込まれると新規就農者は弱い。「は、はい。がんばって成功します」としか言えないっすもんねえ。

かなり制約は厳しいのですが、それはすべて「農地は農地として後世に伝えていく」ということが原点であり、農業委員会(構成者は地元の農家)はその監視役なのです。乱開発なんてもってのほかですし、荒れて草だらけになることも許されないのです。まあ、この辺についても、折りを見て書いていこうと思います。

ようやく分筆完了

 農家になるということは、農業委員会で農地の所有、賃貸が認められるということです。だから、素人が百姓になるためのゴールはここです。私の場合、来年1月の美瑛町農業委員会総会がその重大な日となる予定です。

 さて。「明日、百姓になろう」と思ってもなれないのは、ひとえに農業委員会がそう簡単に農地の所有を認めてはくれないからなのです。たとえば、北海道では新規就農するために、2年間の農業研修が必要とされています。というわけで、私も研修を行い、このブログも綴ってきたわけです。しかし、この「2年間の農業研修」は、法定事項ではないのです。どの法律、条例にも、そんな定めはありません。じゃあ、なんでわざわざ肉体的苦労、精神的疲労、金銭的損失をしてまで、農業研修をするかというと、「2年間の農業研修」をクリアしないと、農業委員会が農地所有を認めてくれないからなのです。そう、新規就農者にとって農業委員会は絶対的存在なのです。

で。話はちょっとずれるんですが、私のように農地に家を建てちゃおうなんて考えると、これがさらに輪をかけてややこしくなるのです。まず、原則は「農地に家は建てられない」。畑は畑として使いましょう、ということです。そのため農地に家を建てるには、まず、地目を農地から宅地に転用しなければならないのです。しかし、これがまあ厳格でして、原則は「その農地を耕している者が、自分が住むための住居を建てるときのみ認める」なんです。自分の畑を「宅地にして売ってしまおう」と考えたところで、それは認められません。地目すら変えられないのです。私有財産の使途制限だと文句言っても通じません。もちろん、これを認める認めないの権限は農業委員会です。恐るべし農業委員会。

というわけで、私の場合は、「素人が農地を所有する」「農地に家を建てる」というどちらか一つとっても面倒な作業を、同時並行で進めているわけです。っていっても、実際の事務手続きは私たち新規就農研修生をバックアップしてくれている行政担当者がやってくれるんですけど…。ありがとう、がんばってね。作戦は、必要な研修、書類等をすべてクリアして農地所有を申請する、と同時に、農地の一部を宅地にすることも申請する、です。

ところが。まだまだ問題があるのです。おかげさまで、農地を売却してもいいという方がいまして、土地の売買について当事者間では合意しているのですが、この農地が「農業振興地域農用地区域」ってやつに指定されていた。これに指定されると、農業以外の用途には使うことができないのです。つまり、そもそも宅地転用の申請すらできないのです。あっちゃ〜。

仕方ないので、この指定除外の手続きをしなければなりません。やりました。今年の春です。春に除外申請した時は、「夏までには除外されるはず」と言われました。夏には「年内には除外されるはず」と言われました。そして、年末の今、「年度内には除外されるはず」と言われています。そう! つまり、除外申請して1年経たなければ、指定が外れないのです。これは、いささか審査が遅すぎやしませんか。

従って、作戦の練り直しです。来年1月の農業委員会に農地の所有を申請する→3月までには農業振興地域農用地区域指定が除外される→農地の一部の宅地転用を申請する→春以降に、ようやく住居着工、という流れです。

そして、やっと今日の話題です。農振地域除外のためには、除外する部分を分筆登記しなければなりません。そして、その除外した部分のうち、将来宅地とする部分も分筆登記しなければなりません。私の場合、農振地域から除外する部分が約3000平方メートル、うち約1000平方メートルを宅地用としました。この二つの分筆登記が昨日、できあがったというわけです。ふう。大きな区切りのような気がしたんですが、こうやって書いてみると、単なる通過点でしたな。

ああああああああ、コリャダメですね。こんな文章書いても意味ないですね。やっぱり、単にややこしいだけで、退屈もいいところでしょう? この書庫、はやくもお蔵入りっすな。

新書庫開設っす

百姓になるには、はなはだメンドクサイ、いや、はなはだ厳格な諸手続がたくさんあります。実地研修が終わり、グータラ三昧している研修生を待ちかまえているのは、この諸手続なんです。というわけで、これらについても書いていこうと思いますが、なんたって非常にマニアックな話でして、これから農家になろうと思っている人以外には、まったく興味もヘッタクレもない話題です。によって、新しい書庫「百姓になるための法手続き」を作りました。関心のない方は完全無視して下さい。

 「よし、明日から農家になろう」。たとえば、そう思い立った人がいたとしましょう。まことに残念です。まちゃまちゃ摩邪なら「明日から農家になる? はあ? 思い立った翌日から実現するほど世の中甘くねーんだよ!!!」ってマイクパフォーマンスするとこです。私もそうでした。マイク投げつけられたように、ガツンとやられました。

 百姓業界の基本定理はただ一つです。「農地を所有しない限り農家ではない」。これにつきます。簡単なことです。しかし! 百姓業界は数学の世界のように美しいロジックだけでは成り立っていないのです。百姓業界には、もう一つ大事な基本定理があります。「農家以外、農地は所有できない」。おおおおおおお! どないせい、っちゅうんじゃ!!! 農家が先か、農地が先か? ニワトリと卵じゃないか! しかし、これは冗談じゃないのです。つまり、この業界、スタートからして法的関係がこんがらがってるんです。「いや、それは違う」と言う行政マンもいるかもしれない。しかし、私は声を大にして言おう、百姓を法的に規定しようとしたところから間違いが始まっている、と。「大地を耕して、作物を作る人はすべからく百姓である」とすればいいものを、残念ながらこの国ではそうではないのです。だからこそ、農家の子供以外の人たちが農家になろうとすると、非常に煩雑な手続きが必要になるのです。

あ、すみません。こんなペースで書いてたら、原稿用紙100枚くらいすぐにいっちゃいます。ブログということで、なるべく一回読み切りの短い文章にしますね。じゃあ、本日はここまで。とにかく、百姓になるには、ものすごーくメンドくさい手続きがいっぱいあるってことだけは、お知らせしようと思います。

実は今日、私が来春から耕すことになっている土地に関して、2種類の分筆登記が完了したのです。明日はその話から。

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