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「冲方丁_天地明察」(A)を読了しました。→読書リスト 江戸城に仕える碁打ち衆の一人「渋川春海」は登城前の早朝、籠を雇い宮益坂の神社を目指す。目当ては江戸の算術家たちが腕を競う「算額奉納」だ。腕に自信がある晴海が難問と思った問題に一瞥で答えを書いて去った男は関と名を記していた。本屋大賞受賞作ということで、さすがに人気で図書館予約してから1年以上待たされました。しかし、私には馴染みが少ない時代小説である、作者のSF代表作「マルドゥック・スクランブル」は途中で投げ出した経験がある、と不安要素もあり、恐る恐る読み始めました。 そんな心配をよそに読み始めるとすぐ引き込まれました。持ち慣れぬ刀の重さに辟易しながら主人公の晴海が急ぐ目的が「算額奉納」つまり神社に奉げられた数学の問題というのです。そんな風習があったとは知りませんでしたし、江戸時代と数学という取り合わせも新鮮です。晴海と有名な数学者「関孝和」の出会いのきっかけになる問題 『今、釣(高さ)が九寸、股(底辺)が十二寸の、勾股弦(直角三角形)がある。その内部に、図のごとく直径が等しい円を二つ入れる。円の直径を問う』 は時間があるときに挑戦してみたいです。解く自信はあまりありませんが…(笑) 話の核になるのは主人公の渋川春海の人柄です。稀有な才能を持ち純真に誠実に改暦という一大事業にまい進する姿は非常に魅力的です。また、優柔不断で情けないところや失意に落ち込むところなど、人間味もあり好感を持てます。 春海に深く関わりを持つのは後に妻になる「えん」と数学者の関孝和です。えんの方はベタなラブコメ的出合いなのですんなりまとまるかと思いきや…、でしたし、関の方はこれまた直接会うまでにずいぶん時間がかかりました。まぁ、この二人は晴海にとってはセットのようなものですが(笑) 晴海の才能と人柄は、関のほかにも「水戸光圀」「保科正之」など歴史上の人物を始めとする多くの人々の協力や援助を集めることになります。改暦という事業には技術上、政治上の障害も多く、紆余曲折の展開はなかなかハラハラします。 従来の宣命歴を新しい大和暦にする改暦が物語の主題なのですが、暦自体の重要性が良くわからないのが難点です。潮の満ち引きや船の位置を知ったりするのに漁業にとっては重要だろうし、季節による天候の変化を知るという点では農業にも必要だという想像はつきますが…。物語中では蝕の有無が争点になりますが、今でも日蝕、月蝕は話題にはなるものの実生活に影響があるとは思えません。多分に吉凶を占うというような宗教的な意味合いが強い感じで現代に暮らす私たちにとってはその重要性が理解しにくいものとなっています。物語中では晴海は専ら科学者のように描かれますが実際には神道家でもあったのでその視点からの描写もあれば良かったのかもしれません。 一部難しい語句が出てきます→(蹌踉、蝟集、朔日、過褒、讒言 など)今はネットで意味や読み方を調べられるので便利ですね〜(笑) 数学や天文学の話も少し出て来ますが特に知識が無くても楽しく読める物語でした。 表紙絵はこちら(Amazon.co.jp)
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これは本当におもしろそうですね
ライトノベル作者が栄えある賞をとるのは嬉しく感じます
2011/9/10(土) 午前 0:56
知識がなくても入り込めるというのがいいかも。そろそろ私も読んでみようかと思って図書館検索したら、まだ163人待ちでした。もうちょっと待ってみようかな、と。。。
2011/9/10(土) 午後 9:06 [ 藤中 ]
↑163人待ちとは!
知識がなくても人間的魅力で十分楽しませてもらえる本でしたね。もうすっかり忘れてますが・・(笑)。
国立博物館で、この暦を見たこともありますが、漢字ばかりでとても見にくかったですよ。
2011/9/10(土) 午後 10:58
なかなか面白そうですね。
図書館の予約がいっぱいなのか。
そしたらブックオフやね。ちょっと探しに行ってみるわ。
ついでにツタヤで某DVDも借りてくるわ。
最近は数学関係の本が出版されてる印象がある。
今僕が読んでるのは「数学の本当の使い道」って新書です。
数学はこんなに役に立つ。
みたいな内容の本なんですが。月ではゴルフボールがどれだけ飛んで、どれだけ弾むのか。
みたいな事が書いてあるんですが、
「それは一般的には役に立たない使い道やぞ!」
って突っ込みながら読んでます (^^*)
2011/9/11(日) 午後 1:49
冲方さんおもしろいですか?
気にはなっているんですが、買うにはサイフが!
原作のアニメも途中までですが今一だったもので・・躊躇してます(汗)
2011/9/12(月) 午後 10:41
>タヌキさん
本屋大賞は伊達じゃありませんでした。
ライトノベルと言っても内容的には良いものも多いですし、実力では決して負けてないってところでしょうか。
2011/9/14(水) 午後 11:49
>藤中さん
まぁ、藤中さんはニュートンを読んでる位ですから知識はある方だと思いますが…(笑)
相変わらず人気ですね。私も次の人のために今日返してきました。
2011/9/14(水) 午後 11:52
>めにいさん
晴海のキャラクターが良いですよね〜
読みやすい分忘れやすいのかもしれません(笑)
なんと実物が見られるのですが?画像ならネットで見られるかな?
2011/9/14(水) 午後 11:56
>酒競輪さん
たくさん売れたからブックオフにもあるでしょうね。でもまだ人気だから高いかも。
そう言えばこの間テレビで数学が密かなブームって番組やってました。
将来月旅行が一般的になったら役に立つかな?(笑)
2011/9/15(木) 午前 0:05
>toll_npcさん
立派な装丁の本だからまともに買ったら大変です(笑)
私もSF作品は挫折した口だからこの作品についてはあまり心配はいらないかもしれませんが…
2011/9/15(木) 午前 0:08
購入してはいるんですけど、まだ読めていないです。
来年秋には映画も公開されるので、それまでには原作を読んでおきたいですね!
2011/9/25(日) 午前 9:42
>kenさん いらっしゃいませ。
せっかくお持ちなら積んどくのにはもったいないと思いますよ。
映画もキャストを見るとなかなか面白そうですね。
2011/9/27(火) 午後 7:35
TBどもです、エコーしときます!!
あれ?!コメントしおてましたね・・・笑)
2019/8/7(水) 午後 8:43
> toll-npcさん
エコーどうもです。
私もtoll-npcさんのところで知った本なのをすっかり忘れてたりすることが結構ありますから。。。
2019/8/8(木) 午前 0:18