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隣のベッドで寝息をたてているのは誰? よく知ってる人なのに まるで見たこともない人のようだ 夢のみぎわで出会ったのはべつの人 かすかな不安とともにその人の手をとった でも眠りの中に鎧戸ごしの朝陽が射してきて 朝は夜の土の上に咲く束の間の花 朝は夜の秘密の小函を開くきらめく鍵 それとも朝は夜を隠すもうひとりの私? 始まろうとする一日を 異国の街の地図のように思い描き 波立つ敷布の海から私はよみがえる いれたてのコーヒーの香りが どんな聖賢の言葉にもまして 私たちをはげましてくれる朝 ヴィヴァルディは中空に調和の幻想を画き 遠い朝露に始まる水は蛇口からほとばしり 新しいタオルは幼い日の母の肌ざわり インクの匂う新聞の見出しに 変らぬ人間のむごさを読みとるとしても 朝はいま一行の詩 谷川俊太郎詩集「日々の地図」より
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