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空と牧場のあいだから ひとつの雲が湧きおこり
小川の水面に かげをおとす
水の底には ひとつの魚が
身をくねらせて 日に光る
それはあの日の夏のこと!
いつの日にか もう返らない夢のひととき
黙った僕らは 足に藻草をからませて
ふたつの影を ずるそうにながれにまかせ揺らせていた
……小川の水のせせらぎは
きょうもあの日とかわらずに
風にさやさや ささやいている
あの日のおとめのほほえみは
なぜだか 僕は知らないけれど
しかし かたくつめたく 横顔ばかり
立原道造詩集「萱草に寄す」より |

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