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木もれ日📗高田敏子

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木もれ日
木もれ日
青葉の下の
あなたの腕に木もれ日
わたしの胸に木もれ日
 
たえまなくゆれる光の輪
あなたは だまっている
わたしも だまっている
木もれ日だけが
たえまなく おしゃべりをしてる
 
あなたの腕の木もれ日
わたしの胸の木もれ日
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夢はいつもかえって行った 山の麓のさびしい村に
水引草に風が立ち
草ひばりのうたいやまない
しずまりかえった午さがりの林道を
 
うららかに青い空には陽がてり 火山は眠っていた
──そして私は
見て来たものを 島々を 波を 岬を日光月光
だれもきいていないと知りながら 語りつづけた……
 
夢は そのさきには もうゆかない
なにもかも 忘れ果てようとおもい
忘れつくしたことさえ 忘れてしまったときには
 
夢は 真冬の追憶のうちに凍るであろう
そして それは戸をあけて 寂寞のなかに
星くずにてらされた道を過ぎ去るであろう
 
 立原道造詩集「萱草に寄す」より
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かなしみではなかった日のながれる雲の下に
僕はあなたの口にする言葉をおぼえた
それはひとつの花の名であった
それは黄いろのあわい花だった
 
僕はなんにも知ってはいなかった
なにかを知りたく うっとりしていた
そしてときどき思うのだが 一体なにを
だれを待っているのだろうかと
 
昨日の風に鳴っていた林を透いた青空に
こうばしい さびしい光のまんなかに
あの叢に 咲いていた……そうしてきょうもその花は
 
思いなしだか 悔いのように──
しかし僕は老いすぎた 若い身空で
あなたを悔いなく去らせたほどに!
 
立原道造未刊詩篇より

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