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11年間日本で勉強と企業法務の仕事を通し、今上海で中国弁護士チームを組んで40数社日本企業をサポートしてまいります。

中国契約

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日系企業への影響

「契約法」は、中国の民事法律体系における基礎的な法律で、広範たる適用範囲と影響力を持つ。実務において、大多数の契約は「契約法」を遵守しなければならない。
本法令は「各級法院が契約紛争事案を正確に審理できるよう」ということを目的にしているが、契約当事者(日系企業を含む)にとって、契約の締結、履行、変更、解除、終了及び契約紛争の解決などの方面において、極めて重要な指導意義を持つ。

本法令に基づき、日系企業が下記の通り行うよう、提案する。

「自らの行為が契約を締結する意思があると推定され」、さらに「契約がすでに成立した」と誤解されないよう、契約締結前の対応を慎まなければならない。本法令には契約の有効性を推進する傾向があるので、「まだ確認中の契約がすでに成立したと誤解される」ことを回避しなければならない。
「契約締結地」が契約紛争事案の司法管轄に影響を及ぼす(別途に約定がある場合を除き、通常、「契約締結地」の法院も事案の管轄権を持つ)ことから、できる限り契約にて、自らに有利となる地(例えば、自らが起訴しやすいまたは応訴しやすい地)を「契約締結地」として明確にするよう提案する。
作成したフォーム約款の中で、自らの責任を免除又は軽減する条項について、相手方の注意を喚起する文字・記号・字体等の特別な標識(例えば、サイズの大きい文字、太字、下線の使用、またはその他の目立つ色のマークの使用)を採用する。
「(相手方或いは双方が)本契約と関係する必要な政府手続などを行うことに責任を負い、且つ関係する費用を負担する」などのような条項を一般契約の通用条項とする。
関連会社間において、財産を譲渡する際、取引当時の取引地の物価部門の指導価格又は市場取引価格を参考にし、その他のかかる要素とあわせ、総合的に譲渡価格の確認を行うものとする。通常、正常価格から30%以上外れてはならない。
契約の成立後に契約締結時に予見できず、不可抗力にもよらず商業リスクにも該当しないという客観的事情に重大な変化が生じ、契約の履行を継続させることが自らにとって明らかに不公平で又は契約の目的を実現できない場合、契約の変更又は解除を主張できる。取引相手方が上記の「情勢変更」の原因により、契約の変更又は解除を主張した場合、その主張が「契約締結時に予見できない」、「不可抗力にもよらない」、「商業リスクにも該当しない重大変化」、「履行を継続させることが当事者にとって明らかに不公平で又は契約の目的を実現できない」などの条件に適合するかどうかについて、重点的に考察を行わなければならない。
契約に約定している違約金が足りない場合、実際損失金額まで増額するよう主張することができる。違約金が「もたらされた損失よりも高すぎる」かどうかを判断する際、「違約金がもたらされた損失より30%超えた」かどうかを基準とする。

中華人民共和国契約法」を適用する若干事項についての解釈(二)

【法令名称】 「中華人民共和国契約法」を適用する若干事項についての解釈(二)
【発布機関】 最高人民法院 【発布番号】 法釈〔2009〕5号
【発布日】 2009.04.24
【施行日】 2009.05.13
【法令紹介】
主旨と目的
各級法院が契約紛争事案を正確に審理できるよう、「契約法」の規定及び契約の締結、効力、履行、権利義務の消滅、違約責任などの方面に存在するいくつかの司法実務上の問題について、解釈と説明を行う。(頭書)

内容のまとめ
本法令は三十条から構成され、契約の締結、効力、履行、権利義務の消滅、違約責任などの方面に存在するいくつかの問題について、解釈と説明を行っている。主な内容は下記のとおり説明する。

契約の成立
  契約が成立したか否かについて紛争が生じた際、法院は当事者の名称又は氏名、目的物及び数量を確定できる場合、通常、契約が成立したと認定するものとする。(第一条)
当事者が書面又は口頭にて契約を締結していないが、双方の民事行為により、双方に契約を締結する意志があると推定できる場合、法院は「契約法」第十条第一項の「その他の形式」で契約を締結したと認定できる。(第二条)

契約締結地
  契約に約定する締結地と実際の署名又は押印場所が合致しない場合、法院は約定の締結地を契約締結地と認定するものとし、契約に締結地を約定しておらず、両当事者による署名又は押印が同一の場所で行われなかった場合、法院は最後の署名又は押印の場所を契約締結地と認定する。(第四条)

拇印の捺印
  当事者が契約書に拇印を押した場合、法院はそれが署名又は押印と同等の法的効力を有すると認定する。(第五条)

フォーム約款
  フォーム約款提供側はフォーム約款の中で自らの責任を免除又は軽減する条項について、契約を締結する際に相手方の注意を喚起する文字・記号・字体等の特別な標識を採用し、且つ、相手方の請求に従い、当該フォーム約款について説明を行った場合、「契約法」第三十九条にいう「合理的な方式の採用」に合致することを法院は認定しなければならない。(第六条)

取引習慣
  次の状況が法律、行政法規の強行規定に違反しない場合、法院はそれを「取引習慣」と認定することができる。(第七条)
取引行為の当地又はある分野、ある業種において、通常、採用し尚且つ取引の相手方当事者と契約を締結する際に知得し、又は知得すべきやり方
両当事者が常に使用する習慣的やり方

締結過失
  規定に照らし、許可又は登記を経た後でなければ効力をもたない契約が成立した後は、許可又は登記を申請する等の手続を行う義務のある当事者は、法律の規定又は契約の約定に基づき許可又は登記の申請を行わなかった場合、「契約法」第四十二条第(三)項に定める「その他信義誠実の原則に違背する行為」に該当する。法院は事案の具体的な状況及び相手方の請求に基づき、相手方が自らかかる手続を行うと判決することができ、当該当事者はこれによって発生した費用及び相手方にもたらした実際の損失につき、損害賠償責任を負うものとする。(第八条)

契約の無効
  「契約法」第五十二条第(五)項に定める「法律、行政法規の強行規定に違反する」(契約を無効とさせる状況の一つ)における「強行規定」とは、「効力的強行規定」を指す(即ち、法律、行政法規では、これらの禁止性規定に違反したことにより、契約が無効になり、又は契約が成立しないと明確に規定している)。(第十四条)

明らかに合理性に欠ける価格
  法院が取引当地の一般的な事業者の判断をもって、尚且つ取引当時の取引地の物価部門の指導価格又は市場取引価格を参考にし、その他のかかる要素とあわせ、総合的に確認を行うものとする。(第十九条)
譲渡価格が取引時の取引地の指導価格又は市場取引価格の70%に達しない場合、通常、明らかに合理性に欠ける安値であると見なすことができる。
譲渡価格が当地の指導価格又は市場取引価格よりも30%高い場合、通常、明らかに合理性に欠ける高値であると見なすことができる。

債務弁済順次
  債権者と債務者は弁済する債務又は弁済充当順位について約定がある場合を除き、下記の通りとする。(第二十条)
債務者の給付が同一債権者による複数の同種類債務の全額を弁済するに足りない場合、期限の到来した債務に優先的に充当しなければならない。
複数の債務期限が一緒に到来した場合、債権者による担保が設定されていない又は担保金額が最小の債務に優先的に充当する。
担保金額が同じである場合、債務負担が比較的に重い債務に優先的に充当する。
負担が同じである場合、債務期限の到来した順位に基づき充当を行う。
期限の到来した順位が同じである場合、比率に基づき充当を行う。

情勢変更
  契約の成立後に当事者が契約締結時に予見できず、不可抗力にもよらず商業リスクにも該当しないという客観的事情に重大な変化が生じ、契約の履行を継続させることが当事者にとって明らかに不公平で又は契約の目的を実現できず、当事者が法院に契約の変更又は解除を申し入れた場合、法院は公平の原則に基づき、尚且つ事案の実際の状況を勘案し、変更し又は解除するかどうかを確定する。(第二十六条)

違約金
  当事者は法院に違約金の増額を請求した場合、増額後の違約金額は実際の損失額を上回らないものとする。(第二十八条)
当事者は、約定された違約金が高すぎるため適切な減額を主張する場合、法院は実際の損失をもとに、契約の履行状況、当事者の過誤の度合い及び逸失利益等の総合的な要素を勘案し、公平の原則と信義誠実の原則に基づき比較し、裁決を下すものとする。(第二十九条)
当事者の約定した違約金がもたらされた損失より30%超えた場合、通常、「契約法」第一百一十四条第二項に定める「もたらされた損失よりも高すぎる」と認定することができる。(第二十九条)

「渉外契約紛争の法律適用に関する新しい司法解釈」
 「最高人民法院の渉外民事または商事契約紛争事件審理の法律適用の若干問題に関する規定」(以下「規定」という)は、最高人民法院(中国の最高裁)により、7月23日に公布され、8月8日から施行された。この司法解釈は、中国の「民法通則」および「契約法」等の渉外民事紛争関連法律の適用に関する規定について、より詳細に解釈し補充するものである。

1.渉外契約紛争に関する法律適用の原則
 「民法通則」および「契約法」によると、渉外契約(注) の当事者は、法律に別段の規定がない限り、契約に関する紛争の処理に際し適用する法律を選択することができるが、当事者が選択していない場合、契約に最も密接な関連性がある国(または地区)の法律を適用する旨を規定している。これにより、渉外契約については、当事者が自らどこの国の法律を適用するかについて合意で決めることができる。渉外契約の中によくみられる「準拠法」条項は、ここにいう紛争解決に適用する法律を定める条項である。


(注) 「渉外契約」とは、当事者に外国人または外国会社が入っている場合、目的物が外国にある場合など、国際的な要素が含まれる契約のことである。

2.適用法律の選択および変更の時期、方式
 今回の「規定」によると、当事者は1審の弁論が終結する前であれば、協議により適用する法律を選択することができるし、選択した法律を変更することもできる。ただし、「規定」によると、適用法律を選択、変更する場合、明示的な方法により行う必要がある。もっとも、当事者が明確に適用する法律を選択していない場合でも、同一の国または地区の法律を援用し、かつ法律適用に関する異議を述べない場合、当事者は当該適用法律を選択したものみなされる。

3.最も密接な関係に関する判断
 当事者が契約に適用する法律を定めておらず、かつ上記1審の弁論が完了する前までに合意で選択できない場合、裁判所はその契約紛争に適用する法律を最密接関係原則で判断することになる。「規定」によると、この点の判断に際して、裁判所は、契約の特殊性、いずれの当事者の履行義務が契約の本質特徴を体現するかといった要素に基づき判断しなければならない。さらに、「規定」は、17種類の契約を列挙し、その最も密接な関係のある法律を定めている。例えば、金銭貸付契約は貸付人の住所地の法律を適用するとしている。

4.選択の自由の例外
 「契約法」は、中国の領域内において履行される中外合弁企業契約、中外合作企業契約、中外合作自然資源探査開発契約については、中国の法律を適用すると定めている。「規定」は、中国の法律を適用しなければならない契約の範囲を、「契約法」の定める上記3種類の契約の他に、中国の領域内において履行される中外合弁企業、中外合作企業および外資独資企業の持ち分譲渡契約、外国投資者が中国内の非外商投資企業の持ち分を買収する契約、外国投資者が中国内の非外商投資企業の資産を購買する契約、外国投資者が中国内の非外商投資会社の増資部分を引き受ける契約などを追加した。
 外国投資者により、非外商投資企業の国内の企業の持ち分および資産を買収する場合の契約に中国法を適用することは、去年9月8日に施行された「外国投資者による国内企業の買収に関する規定」において定められたが、中外合弁企業、中外合作企業および外資独資企業の持ち分譲渡契約には中国の法律を適用することは、今回の規定で初めて定められたものである。

5.「規定」の適用範囲
 この「規定」に特有の内容、例えば、中国の領域内において履行される中外合弁企業、中外合作企業および外資独資企業の持ち分譲渡契約には中国の法律を適用する旨の上記規定は、どこまで効力を有するかという問題がある。この「規定」は、性質上あくまでも最高裁の司法解釈であり、渉外契約紛争が中国の裁判所の裁判により解決される場合に適用されるものである。渉外契約において、紛争を外国の裁判、仲裁機構の仲裁により解決すると定めた場合は、この「規定」が適用される余地はないものと考えられる。これに対し、中国の仲裁機構はこの「規定」に影響される可能性はあるかもしれない。また、例えば、外商投資企業の持ち分譲渡契約に紛争解決条項がなく、中国の裁判所に訴えが提起されたら、当該契約が外国法を準拠法と指定していても、それは認められないことになる。

中国の債権管理 1

中国法における「債権」の概念
  外国企業及び外商投資企業にとって、中国国内における債権管理及び回収はしばしば直面する問題であり、各国の法律制度の違いから「債権」の概念に対しても一定の差異が存在します。このため、まず初めに中国法における債権概念に関する規定を理解する必要があります。

  「中華人民共和国民法通則」第84条は次のように規定しています。

1.債権は、契約の約定に基づき、または法律の規定に基づき、当事者間に生ずる特定の権利及び義務関係である。権利を有する者が債権者であり、義務を負う者が債務者である。

2.債権者は、契約の約定に基づき、または法律の規定に基づいて、義務を履行するよう、債務者に要求する権利を有する。

  また、「中華人民共和国民法通則」第5章(民事権利)第2節(債権)での債権の種類についての記述は、次のものを含んでいます。

1.契約の債権(第85条)
2.不当利得(第92条)
3.事務管理(第93条)

  ここから、中国法において債権と言われるものは、債権者が債務者に対して義務の履行を要求する権利であり、それは契約の約定に従いまたは法律の規定によって発生する、と考えられます。

  日常的な経済活動においては、契約によって債権債務関係を形成するのが債権形成の主要な原因となっています。「債権管理回収」とは、一般的に「契約によって形成された債権の管理及び回収」をいい、よって本稿では主として契約をめぐる債権の管理回収について説明を行います。

  外国の会社、企業その他経済組織または個人についていえば、中国企業との経済活動の過程において、契約の約定によって発生した債権債務関係には、中国法、国際条例若しくは慣例の規定により、または当事者間の約定により、中国法を適用することができます。このため、発生した債権の回収事案に関しても、中国法の規定を適用することができます。

  外商投資企業についていえば、中国法によって設立されたものは中国法人であるので、中国内資企業との間の経済交流の過程においては、契約の約定によって発生した債権債務関係は一般的に中国法の規定が適用されます。同様に、これによって発生した債権回収問題についても、中国法の規定を適用しなければなりません。

  「中華人民共和国民法通則」以外にも、「中華人民共和国契約法」において売買契約、技術契約、請負契約を含む総計15種類の契約類型に対して比較的詳細な規定が設けられています。同時に、「中華人民共和国民事訴訟法」「中華人民共和国仲裁法」等の法律も債権回収に係る訴訟及び仲裁手続に対して明確な規定をしています。

  このため、外国の会社、企業その他経済組織または個人及び外商投資企業は、その中国国内において享有する債権について、中国法の規定によって管理回収をすることができ、充分な法的保障を受けることができます。


債権管理―取引相手の選択

  取引相手の選択は、債権管理の最も基本的なものの一つであり、その主たる作用は不良債権の発生を未然に防止することにあります。そのため、取引相手に対して資産信用調査及び分析を行わなければなりません。

  取引相手が上場企業である場合には、中国法の規定に基づき、全ての重要な情報を一般に向けて公開しなければなりません。このためそのホームページまたは指定された専用ウェブページを通して相手方の情報資料を調査することができます。取引相手が非上場企業である場合には、資産信用調査は相手方の営業許可証の検査、工商登記資料の検査・閲覧を通して行うことができます。

  一般的には、資産信用調査は主として次の3点に分けられます。

1.相手方の法的地位の確認

  中国の現行の法律・法規に基づき、経済活動の主体は基本的に法人(「企業法人営業許可証」を受領してるもの)、非法人経済組織(「営業許可証」を受領しているもの)及び自然人(個人独資、個人パートナーシップを含み、「営業許可証」を受領しているもの)に分類することができます。

  「企業法人営業許可証」を受領している経済主体は、自らの資産をもって独立して民事法律責任を負うことができますが、「営業許可証」を受領している経済主体は民事法律責任を独立で負うことはできません。このため、相手方の法的地位を明らかにすることによってはじめて、誰が責任を負うのか、その責任は有限責任なのか、それとも無限責任なのか、どれだけの責任を負うことができるのかが明確となります。

  同時に注意すべき点として企業法人の責任、法定代表者個人の責任及び出資者の責任の間の相違が挙げられます。法定代表者の職務履行行為から発生した法律責任は企業法人によって担われるべきであり、法定代表者の職務履行と無関係の個人的行為によって発生した法的責任は企業法人に担わせることはできません。

  会社制度のもとでは、会社は自らの財産をもって対外的に独立して債務を負わなければならず、出資者は出資した額を限度として会社に対して責任を負います。例えば、A会社の登録資本が50万元であり、債務が100万元であって、出資者であるB及びCがすでに完全に出資義務を履行している場合においては、債権者は出資者であるB及びCに対してAに代わって債務を弁済するよう要求することはできません。

2.相手方の経営状況の調査

  取引相手の工商登記資料には、通常、年度検査資料が含まれます。この年度検査資料の分析に基づき、相手方の収益力、資産における負債の比率、対外投資情況及びキャッシュフロー等の重要な情報を理解することができます。

  ただし、次の点に注意する必要があります。

  年度検査資料の作成には一定の時間が必要ですので、年度検査資料は次年度の7月から8月になって初めて入手することができます。このため、2005年の7、8月に工商行政管理部門で取引相手の資料を検査・閲覧する場合、2004年度の年度検査資料しか検査・閲覧できません。

  年度検査資料を検査・閲覧するときは、通常、弁護士を通して行わなければなりません。年度検査資料中のデータは、必ずしも正確ではない可能性があるので、参考として使用できるにとどまります。

3.その他の状況の把握

  工商登記資料の調査を通して、取引相手の出資者構成及び出資比率、組織構造、政策決定機構等の重要な情報を把握することができます。

  上記の初期調査を通して、取引相手の資産信用状況の基本的な情報を把握し、取引関係を築く際の重要な参考依拠とすることができます。このため、事前の資産信用調査は債権管理における最初の、そして欠くことのできない一段階であるといえます。

契約の締結

  中国法の規定に基づき、契約当事者間の契約締結には、書面、口頭その他形式を採用することができます。ただし、法律及び行政法規に別途規定がある場合もあり、例えば「中華人民共和国担保法」の規定に基づけば、保証人及び債権者は、書面により保証契約を締結しなければなりません。また、法により譲渡可能な商標専用権、特許権、著作権における財産権をもって質権を設定する場合は、質権設定者及び質権者は、書面による契約を締結しなければならず、かつ、その管理部門に質権設定登記をしなければなりません。質権設定契約は登記の日から発効します。

  通常の情況では、口頭の契約は金額が小さく適時に清算が可能な取引に用いられ、渉外契約または金額が大きな契約には用いられません。また、当事者間の取引の内容に係る紛争が発生するのを防止し、債権の管理を強化するために、書面による契約の締結により当事者間の権利及び義務につき約定することをお勧めいたします。

  書面による契約を締結するときには、少なくとも次の2点に注意しなければなりません。

1.契約書の起草及び審査時には、契約条項が完全であるか、意味が明確であるかに注意しなければならない

  契約の内容は、当事者により約定され、通常、次の条項を含みます。当事者の名称または氏名及び住所、目的、数量、品質、代金または報酬、履行の期限、場所及び方法、違約責任並びに紛争解決の方法です。

  当事者は、国家工商行政管理総局が制定した各種の契約書の見本ひな型を参照することができます。ただし、私の経験から言えば、上述の見本ひな型はシンプルなもので、当事者の要求を完全に満足するのは難しいと思料します。このため、契約を締結するときには、弁護士等の専門家の意見を求めることをお勧めいたします。

2.契約において、紛争解決の方法について明確にしなければならない

  当事者が契約に係る紛争につき、協議しても合意に達することができない情況においては、通常、訴訟(人民法院に訴訟を提起する)または仲裁(仲裁機構に仲裁を申し立てる)により解決をはかります。

  国内の契約に係る紛争については、一般的に、執行を得るための便宜を考慮し(中国法の規定に基づけば、民事裁判法律文書の執行は、人民法院のみにより行われます)当事者は、通常、仲裁よりも訴訟により解決することを選択します。「中華人民共和国民事訴訟法」は、契約に係る紛争解決のために提起した訴訟は、被告の住所地または契約履行地の法院が管轄すると規定しています。ただし、中国法は当事者が管轄を約定することを禁止してはおらず、例えば当事者は、書面による契約において被告の住所地、契約履行地、契約締結地、原告の住所地、目的物の所在地の人民法院による管轄を選択することに合意することができます。地元保護主義による影響を回避し、訴訟の支出を節約するために、契約当事者は通常、当地の法院が管轄権を有すると約定することを希望します。

  ただし、渉外契約に係る紛争においては(最高人民法院の司法解釈では、当事者の一方または双方が外国人、無国籍人、外国企業または組織である民事事件、当事者間の民事法律関係の確立、変更及び終了の法的事実が外国で発生した民事事件及び訴訟の目的物が外国にある民事事件を渉外民事事件であると規定しています)、外国の裁判所の判決は中国においてまだ執行することができないため、渉外契約の当事者は、通常、仲裁により解決する方法を選択します。例えば、当事者が外国の仲裁機構において仲裁を行うことを約定し、当該仲裁の裁決について中国の法院に執行を申請します。

  契約書は当事者間の権利義務を明確にするための主要な依拠であるので、契約締結業務をきちんと行うことも、債権管理の重要な要素の一つなのです。

中国で契約の注意点

「中国ビジネスの秘訣はコネ。人治の国だから契約書を作っても意味がない。私は政府の役人を知っているから任せない…」このようなセリフを耳にしたことはありませんか?市場経済へと進んでいる今の中国においては、この発想は時代遅れです。人間関係は大事ですが、契約書はもっと大事です。法律を知る。中国ビジネスの鍵はそこにあります。
契約書は誰のために作成するのか? 日本の契約書を海外の契約書と比べると特徴的な相違点があります。それは、どの契約書の最後にもこのような一文があることです。『この契約書に定めのない事項については双方が誠意を持って解決する』…定めない理由は何なのでしょうか?いつも不思議に思います。

 契約社会といわれる欧米の契約書には、これでもか!これでもか!というぐらい、かなり細かいところまで定められています。なぜなら、契約書にない条項は相手がたに一方的な解釈を与えてしまう危険性があるからです。しかし、日本で契約書を作成するとき、多くの人は、どこからか手に入れた雛形の一部を適当に修正します。そして相手方に渡し、渡された側もサッと見て押印をする。最後は金庫に入れてハイおしまい。何らかのトラブルでも発生しない場合、2度と日の目を見ることはありません。

 この感覚で海外取引をはじめるのは、いうまでもなく、危険極まりないです。中国はみなさんの想像以上に法治国家です。中国で企業が営業活動をするには、全て許可が要ります。製造物責任法は日本のものより詳細です。日本にある法令のほとんどは、中国にも存在します。中国パートナーは権利意識を強く持っているため、契約書に不備があれば躊躇なく主張してきます。契約書は、相手方へのけん制効果だけでなく、双方の意気込みと真剣さが反映されるのです。いい加減な契約書はいい加減な結果を生むことをお忘れなく!

中国に三権分立制度は存在するのか
 もうひとつの注意点として、裁判の問題があります。中国は中国共産党による事実上の一党独裁体制をとっています。立法機関として日本の国会に相当する全国人民代表大会が置かれ、行政機関として日本の内閣に相当する国務院が、司法機関として人民法院が存在します。しかし、全国人民代表大会に権限が集中しているため、三権分立のチェック&バランスが機能しにくいのは本当です。さらには、地方行政の裁量権が大きいために、中央政府との一貫性がないことも耳にします。そのような中、2001年のWTO加盟から市場経済への移行を急速に進めている中国は法治国家への転換期に来ています。国際ルールに基づいた法整備は今も、これからも行われてゆくことでしょう。「人治の国」が過去のできごとになる日も近いのかもしれません。 

最新の情報をチェックし万全の準備を
 中国の法制度は、短期間のうちにめまぐるしく改正されることがあります。特に、外商投資企業(外資企業)に関わる法律は頻繁に改廃が繰り返されるので、追いかけるだけでも大変な作業です。中国の公報(日本でいう官報)やインターネットを使って最新の情報を得ることを、常に心がけてください。

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