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映画『メメント』…ガイ・ピアース演じる青年が、10分間しか記憶を保持できず、『妻を殺した犯人』をもとめて、彷徨する…カラーとモノクロの画像が交錯し、時間が逆行し、息をもつかせぬ展開の中、切れ切れの真実が見えてくる…衝撃的な傑作でした
その日、詳細は思い出せないのですが、友人から『とてつもなく面白い映画をやってる』と聞き…雑用の山を後回しにして、渋谷の駅から走りこみ(超かっこ悪いが、時間がなかったのよ〜)、ようやく一番後ろの立ち見で、滑り込むことができました。
記憶と時間にトラップされたガイピアースの演技は、神経質に振舞う当たりが最高で、ポラロイド、タトゥーなどで、記憶の痕跡を残そうとしますが、ますます、混迷の極致に誘われてしまいます…立ち見であることを忘れるほど、「見てよかった…」と思いました…その後、渋谷から全国展開されたことは、その評判を物語るものでした。
さて、メメントの主人公の状態は、前向性健忘……anterograde amnesia…と呼ばれ
前頭葉の一部(特に海馬体)の損傷によって見られる、一種の記憶障害で
障害を受ける以前の記憶に問題は無く、障害後の極度の前向性健忘(新しい事を記憶できない)および、障害後の記憶に対する逆行性健忘を伴います
言語、知覚機能、運動機能に関しての障害は見られません
脳の一部、海馬と呼ばれる部分は、短期記憶を長期記憶として、大脳連合野に蓄える働きに関与すると言われています。記憶については、いまだ解明されていない部分が多いのですが…。
前向性健忘症の患者さんを実際に診た知人の話では…(Billyはいまだ経験したことがありませんが)…
入院して、寝巻きに着替えると、数分後に自分が着替えたことを忘れで、『誰かに服を変えられた』とパニックになる…
トイレに入っても、時間が長くなると、自分がトイレに入ったことを忘れて、『閉じ込められた!!』とパニックになる…
もちろん、内視鏡もCTの検査も不可能…5〜10分で、検査をはじめた事実を忘れてしまって、パニックになってしまう…
余りにも悲しい病態ですが…治療法については、いまだ聞いたことはありません。もうちょっと文献探してみます…
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