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詩と坊さん…作品から

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        単なる髪の毛〜
 
 
【詩と坊さん】
詩的な言葉 を意識して言った覚えはない。仏教の御経を詩だと言う人がいる。仏教の隠語をほんの少々かじったことがあったが、密教の御経のルーツは遺書の言葉だと私的には思う。詩は 己の目線に写る天空の星や風、大地の草や花の息吹の感動などなどを詩にする。だから、遺書は詩にならない。昔の禅僧の一部の者は命がけの修行をした。ある若い僧が「わたしは悟りを開きました」と、師僧長に言った。
「それでは、悟りは何色だったか?」と意地悪く僧長は質問した。
「ええと、桃色です。まちがいありません!」と、彼は叫んだ。
その答えに師僧長は、ため息をついた。すると、すかさず「わかりまし た。桃色吐息です。師僧長、ヒント有難うございます。吐息がつかないと、悟りを開 いたとは言えないのですね」師僧長は目を丸くした。ある夜、その山寺に信長の 手の者が火をつけた。雨の少ない冬の季節は、かなり乾燥している。火の廻りが速 い。修行僧が総出で火を消したが火の勢いに煽られて思うように消火が出来ない。まさに寺は焼き尽くされそうだ。寺の本堂に老僧が逃げ遅れて取り残された。老僧 を救出しょうと3〜4人の若い僧が、慌しく本堂に向かった。本堂に着いた時には、すでに老僧は焼け死んでいた。 若い僧達は、その場を立ち去った。師僧長に報告しなければならない。三人は口裏を しっかり合わせた。「助けはいらない。ここに来るではない!」と、言い放ったと、 説明した。「師僧長は何か言ったか?」との問いに機転がきく吉野坊が「『心頭滅却すれば火もまた涼しい』と、言い残されました」と嘘をついた。「さすが道元禅師様だ」と言って師僧長 は泣き崩れた。吉野坊は「嘘です!」と、言えそうにない状態になってしまった。そんな吉野坊が、とっさに言った言葉が詩である。それを聞いて感動した師僧長は哲学を学んだと、勘違いした。《御経は詩であらず》と言う話をした。
   
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