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「明青学園高等部」、プレート。
(男の子の声)「ボクシング部? 兄貴が?」
「1−A」、プレート。
(女の子の声)「うん、原田くんと一緒に」
浅倉南、教科書などをかばんに詰めながら、
「入部したんだって」
上杉和也「なんで?」
南、後ろの和也に振り向いて、
「そんなこと、南が知らないわよ」
和也「だって兄貴は」
和也の驚きの顔にかぶさって、スパーリングを身に着けグラブを嵌めた、上杉達也。
「あれ?」
「明青ボクシング部恒例 新入生歓迎スパーリング」、題目。
リング上で戦う、達也と上級生。
原田正平、リング下から、
「どうした上杉、打っていいんだぞ」
達也、逃げながら、
「バカたれ、ウエイト無視しやがって。こんなのボクシングじゃねえぞ」
達也、顔面を打たれて、
「ぐはっ!」
喫茶店「南風」、店内。夕方の時刻をさす、壁掛け時計。
(達也の声)「もっと優しく!」
3人の勉強部屋、、概観。
(南の声)「やかましい!」
鏡に映る、達也の傷だらけの顔。
(南の声)「よっ、色男」
南「でも、なんでまたボクシングなんて」
達也「なんでもいいからやれって言ったのは南だろが」
南、達也の腹を叩きながら、
「ボディー!」
腹を抱えてうずくまる達也。南、和也に振り向いて、
「これじゃ、運動不足を解消する前に、壊されちゃうわね」
和也「なんで野球部じゃいけなかったの?」
南、達也を振り返り、
「あ、そうだタッちゃん、南、野球部のマネージャーになったのよ」
達也、立ち上がりながら、
「とにかく、」
達也、南を見下ろして、
「南の言うとおり運動部に入ったんだ、文句ねえだろ」
南「いつまで続くことやら」
ドアノブに手をかけた後ろ姿で達也、
「自分から殴れるようになるまでさ」
南「えっ?」
後ろ姿の達也、ドアを開けながら、
「たいした意味はない」
閉まるドア。
閉まったドアを見つめる南と和也。
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